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【孫子の兵法】結局孫子は何を伝えたかったのか?孫子に学ぶ「戦略立案」をわかりやすく要約して解説/孫子に学ぶ勝利の原則Part1

こんにちは。

ノーコードを使用してプロダクト開発をさせていただいている蒼士(@Soushi_nocode)と申します。

さて、ここからが本題です。


今回は「孫子の兵法」という最古にして世界最高峰の戦略書において重要視されている「戦うな」とはどのようなことなのかについての解説記事を執筆します。

「孫子の兵法」は、今からおよそ2500年前に著されたにもかかわらず現代にまでも読み継がれており、現在では偉人として扱われているナポレオンや武田信玄、また、孫正義やビル・ゲイツ、松下幸之助など名だたる経営者からも愛読されているいわば戦いにおける聖書のようなものです。

孫子の兵法に関する本は多く出版されておりますが、下記の本を参考に「孫子に学ぶ勝利の原則Part1」として「孫子の兵法」の内容を紹介します。


孫子の兵法で述べられる主張は全部で13篇70個以上と結構な量がありますが、抽象化してみると同じようなことが主張されている部分も多いです。


まず、「結局孫子は何を伝えたかったのか?」というタイトルの問いに回答をすると、少し長いですが

”できるだけ戦わずして目的達成を試み、どうしても戦う必要がある場合、かつ、事前に勝利の確証を得ている場合にのみ素早く戦いを行い素早くけりをつけ、戦いの後も素早く引き返して決して敵にとどめを刺すことはせず、負かした敵をうまく利用せよ”

ということを、孫子は主張したかったと解釈致しました。


上記のようなことを主張している孫子の兵法ですが、当記事では、孫子の兵法の戦略立案において重要視されている「戦うな」という主張についてにフォーカスします。

続きのPart2では、孫子の兵法の戦略立案において重要視されている「勝者とは、戦って勝つのではなく、勝ってから戦うのだ」ということについてフォーカスする予定です。


では、早速いきたいと思います。


☑️戦うな、戦うな、戦うな

なんだ「戦略立案」というくせに、いきなり逃げの姿勢かと思われるかもしれません。

しかし、ただ「戦うな」というわけではなく、孫子の兵法では「いかに戦わずして目的を達成するか」ということが度々主張されています。

なぜなら、戦いとは必ず犠牲が伴うものであり、無駄な戦い(ここでは目的を達成するのに効果をもたらさない戦い)を積み上げてしまった場合、仮にそれがうまくいったとしても、それは多大なる犠牲を払って目的に対して価値をもたらさない行動をしたということになるからです。


約80年前、日本とアメリカは太平洋戦争で太平洋の島々の覇権を争っていました。
太平洋戦争では、アメリカは3割の島しか占拠できなかったのに対し、日本は7割の島を占拠しました。

しかし、歴史を知れば明らかであるように最終的に太平洋の覇権を握ったのはアメリカ軍でした。

それはなぜか。

それは、アメリカが太平洋の覇権を握るという目的を達成するために必要な島だけを戦略的に占拠していた一方で、日本は多大なるヒト、モノ、カネを犠牲にして無駄な戦い、また、無駄な勝利を多く積み上あげてしまっていたからです。

結果、日本は7割の島を占拠したにも関わらず肝心な「太平洋の覇権を握る」という戦いには負けてしまったということになったのです。


これは考えてみれば当たり前なことです。

大阪から東京に行こうとしている者が西へ進んでしまったら、どんなに熱心に走り続けても東京に行くことはできず、むしろ熱心に走ったせいで東京から遠ざかってしまうことになります。
大学受験に合格しようとしている者が受験科目にはない教科を勉強してしまったら、どんなに時間を使ってその教科を極められても受験に合格することはできません。
美味しいラーメンを作って利益を上げようとしてる者が山奥に出店してしまったら、どんなに美味しいラメーンを作っても大きな利益を上げることは難しいです。


つまり、戦略のミスというのは、戦術、努力ではカバーできないということです。

だからこそ、戦う前に「いかにして戦わずして目的達成をするか」について考えることに集中することが大事なのだということを、約2500年前に生きていた孫子が主張する「戦うな」というメッセージから読み取ることができます。

下記、孫子の兵法で「戦うな」ということが読み取れるさらに具体的な主張について紹介します。


「とりあえず」のノリで絶対に戦うな

敵についての情報が少ない状態、自他の分析ができていない状態、ましてや、敵が自分より強い状態では絶対に戦ってはいけません。

たしかに、「やってみないとわからないではないか」みたいな考え方もあるかと思いますが、孫子の兵法ではそんな漫画のような考え方は戦争を主導する資格のない愚将の考え方であると断固反対されており、その先にあるのは全滅か捕虜になるかであるということです。


まずは守りからだ

勝負には、おおよそオフェンスとデフェンスの面があります。

ビジネスで言えば、新規顧客開拓、新サービス開発など勝利の要因を作りにいくことがオフェンスにあたり、反対に既存顧客のロイヤリティ向上や現状のサービスのリスク管理など敗北の要因を潰しにいくことがデフェンスにあたります。

そこで、いきなり勝利の要因を作りにいくことを考えるのではなく、まずはデフェンスを重視して敗北しない体制を作ることに尽力することが重要であるということです。

なぜなら、勝てるかどうか、勝利の要因を作れるかどうかということは敵の状態や運などに大きく依存してしまう、つまり、敵軍が〜であれば勝てるなどと仮説を立てることはできても確実に実現することはできない一方で、負けないかどうか、敗北の要因を潰せるかどうかは自分次第でコントロールをしやすいからです。

飲食店で言えば、新メニューを打ち出して新たに人気メニューを作り出すことはお客様の好みや時代の流行などに左右されてしまいこけてしまうことも考えられる一方で、既存メニューの品質管理や店内環境の維持に努めることで、リピーターからの安定した収益を確保し続けて勝負に敗北するということは防ぐことができるということです。


敵情が悪化するのを待て

上記と繋がりますが、まずは守りから固めた上で、自ら勝負を仕掛ける前に敵の体制が崩れることを待ち、自らが攻撃すれば勝てる状態になることを待つべきであるということです。

極端な飲食店の例で言えば、自店舗の競合店において不祥事や炎上が発生して競合店が失脚することを待てということです。


ここまで「戦うな」ということを述べてきましたが、実際の文章ではどのように述べられているのかを下記でいくつか解説します。

算多きは勝ち、算少なきは敗る
勝算が多い側が実戦でも勝利し、勝算が多少ない側が実戦でも敗北する

孫子

戦わずして人の兵を屈する
敵軍を保全したまま勝利することが最上の策であり、敵軍を撃破して勝つのは次善の策である

孫子

小敵の堅なるは、大敵の擒なり
小兵力が大兵力に対して戦いを挑むことは、大兵力の捕虜になるだけである

孫子

先ず勝つ可からざるを為して
まずは守りの体制を作り上げ、敵が体制を崩して自らが攻めれば勝てる体制になるのを待ち受けよ

孫子


まとめ

今回は、世界最高峰の戦略書である「孫子の兵法」の戦略立案において重要視されている「戦うな」ということについて解説記事を執筆しました。


この本を通じて、やはりアメリカなどに比べて日本という国は、指定されたゴールまでひたすらダッシュをする力は素晴らしいが、そもそもどこをゴールにするのかという地図を描くことは苦手なのかと感じました。

イメージですが

みんなでわいわい一生懸命ダッシュをして盛り上がっているけど、どこに向かっているかがわかっていない。
だから、的確なゴールを定めて良いフォームでジョギングをしているアメリカに負けてしまう。

みたいな感じでしょうか。

ここに、太平洋戦争での日本の敗北要因、技術力では勝利していたSONYのウォークマンがAppleのiPodに負けてしまった要因、また、トヨタがテスラに時価総額を抜かれた要因などが集約されているように感じます。

この部分を記述すると長くなりそうなので、まとめはこのあたりにして

次回はPart2ということで
孫子の兵法の戦略立案において重要視されている「勝者とは、戦って勝つのではなく、勝ってから戦うのだ」ということについてフォーカスする予定です。


当記事の内容は、本書のほんの一部の内容なので、もしご興味を感じられましたら、是非一度、手にとって読んでいただければと思います。


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