忙しそうな不登校娘をおもしろがる母
中学2年生になったぴぃ。
春が頑張り時のぴぃは、毎年かなりのペースでエネルギーを放出し、夏休みを待たずに長いチャージ期間に突入していた。
今年のぴぃは、満足はしていないようだけど、ちゃんと自分のペースで過ごせているように感じている。
遅刻と早退を駆使して週1、2回登校し、5月からは週一回、職員と大学生と過ごす教育支援室への通所も開始した。
「学校に行きたいけど行きたくない」という、言葉では到底説明できない矛盾と格闘する日々は変わらない。
それでも、お友達や先生にお迎えに来てもらったりと、どうしたら行けるかという選択肢を自分で見つけながら頑張っている。
食べ物汚れの多いランチルーム清掃や、雑巾やちりとりなどがトリガーになってしまい、調子によっては強迫の症状が出てしまうぴぃ。
学校ではハウスダストアレルギーを持っている子ということで、掃除についていくつか免除してもらっているとか。
図書委員になったものの、登校頻度が少ないぴぃ。
相棒になった男子生徒への負担を考え、委員会への参加と連絡係は相棒に任せ、ポスターなどの掲示物作成はぴぃの担当と分担してくれたりとか。
新しく担任になったO先生がぴぃのためにあれこれ配慮してくれ、ぴぃのペースを尊重し、ぴぃの好きなことで意欲が増すよう考えてくれていることにとても感謝している。
G Wに入る前、5月末に控えた校外学習のしおりの表紙に載せるイラストの募集があった。
絵を描くことが大好きなぴぃは、一晩でそのイラストを完成させ、白黒印刷になるとわかっていながらも、カラーで描きあげ提出していた。
強者の応募者が殺到しているらしく採用は難しいだろうと思いながらも、クラスメートに褒めてもらえただけで十分だと満足気なぴぃがいた。
G W明け、不登校児のみならず世の人たちがザワザワする時期、ぴぃもしっかりざわついていた。
体いっぱいにゲラゲラ笑っているかと思った次の瞬間にはどんよりするを繰り返すぴぃ。
ぴぃ「学校のことを考えただけで鬱になる〜」
見事な躁鬱状態を笑ってしまうほどわかりやすく表現する。
私が笑ってしまうことで、ぴぃも笑う。
こんなにも気持ちは不安定なのに、ぴぃは久しぶりに朝から登校し、久しぶりに6時間目まで学校にいた日があった。
ぴぃ「今日はね、1時間目の美術は美術室で絵を描いて、2時間目の英語は授業に出て、3時間目の国語は保健室で寝て、4時間目の体育は見学して、5時間目の理科はふれあいに行ってカードゲームして、6時間目は教室でしおりの読み合わせをしたんだよ〜」
美術ではデッサンを褒められ、しおりの表紙には見事ぴぃのイラストが採用されていたことに高揚し、ご機嫌で帰宅した。
ぴぃ「学校には行ってないくせに爪痕だけは残しちゃうんだよね〜」
あまりにもハイブリッドな過ごし方を聞いて、「何それ最高じゃんw」と言って思わず拍手しながら爆笑してしまった。
ぴぃ「あとぴぃさ〜メガネじゃなくて、コンタクトにしたいな〜」
こ、これは、また何かあるなと察し、ニヤニヤしてしまう私。
ぴぃ「あ、明日も学校行きまーす。」
と言って、次の日はしっかり休んだので、夕方コンタクトレンズを作りに行った。
ぴぃはもがいている、戦っている、苦しいし、辛いと思う。
今日だって、朝から行く行かないで悶々とし、結果、図書委員のポスターを描くからという立派な行かない理由を見つけて過ごしていた。
はずが、突然やっぱ行くわと言って出ていった。
1人で行く練習をするからと言って、お迎えも要請せずに登校した。
ぴぃの一挙手一投足、一部始終を見ている私は、胸詰まる時もあるけど、最近は一線超えておもしろいと感じてしまう時がある。
ぴぃにとっては笑い事じゃないのかもしれない。
でも、私がおもしろがって笑っていると、ぴぃもつられて笑うどころか、自分の気持ちや出来事を笑い話にしてくることも増えた。
ぴぃ「学校に行きたいんだけどさ〜、絵を描いたり、ピアノ弾いたり、コナン見たり、やりたいことありすぎて忙しいんだよね〜w」
私「なんかいろんな意味で忙しそうだねw」
ぴぃ「そうなのよ、もう心も体も忙しくて参っちゃうよw」
おごらず、人とくらべず、おもしろがって、平気に生きる
ここへきて、私が好きな樹木希林さんの言葉が沁みる。
おもしろがるとこまできたんだ、あとは平気に生きるだけだな。
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