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『銭湯ラプソディー』の意義/乃木坂46



ここにはないものリリースから早1ヶ月、

銭湯ラプソディーについて誰1人語っていなかったので「では私から」と一番風呂に浸かるつもりでいきますね。


『銭湯ラプソディー』で語りたい点は2つ

1.この社会に生きる「誰か」を救う歌詞

2.全年齢対象の新しいアプローチ




  1. この社会に生きる「誰か」を救う歌詞


自分が1番推したいポイントは歌詞です。
たった一部の歌詞で「トンチキ曲」「公開セクハラ」と切り捨てるのは惜しいと思います。
他の部分に目を向けていきましょう。

歌詞全体を一言でまとめるなら
「疲れたり悲しいことがあったら銭湯に行って癒してもらおう!」
ただそれだけのとても分かりやすいテーマです。


ただ、この単純さが"特異"なのです。
思い返してみてください。
「疲れたり悲しいことがあった」 負の状態の時に「どうしたらよいのか」をかつて乃木坂46の歌詞が教えてくれたことがあったでしょうか。


注目すべきは、「疲れたり悲しいことがあった」という日常的に起こりうる【抽象的な負の状態】に対して「銭湯に行こう」という簡易的で【具体的な解決手段】を提示してくれてます。
【抽象的】→【具体的】の構図なのです。


ここで乃木坂46の曲一覧(255曲)を眺めた筆者、意外とこの構図は無いのでは?と思いました。



若干近しいかなと思った『僕が僕を好きになる』では、嫌いな人がいる【具体的な状態】に対して、ノートに名前と嫌いな理由を書いてごらんという【具体的な方法】を提示。
【具体的】→【具体的】

『何もできずにそばにいる』では、悲しいことがあったら枯れるまで泣けば笑顔になれるよ!
【抽象的】→【抽象的】

『さゆりんご募集中』では、悲しいことがあったらココ(さゆりんご軍団)においでよ!
【抽象的】→【物理的に無理】

『失恋したら顔を洗え!』では、失恋したら顔を洗え!【具体的】→【具体的】


(曲一覧を15分くらい眺めた結果なのでもし【抽象的】→【具体的】構造の曲あればTwitterで教えてくれるとありがたいです)


だからなんだよ!と言われたら、最初の
この社会に生きる「誰か」を救いたい
にかかってきます。


現代社会のテーマ、トレンドは【ストレス社会】
ですよね。『銭湯ラプソディー』にはそんな社会から"誰かを救いたい"という明確な意図があります。


そんなストレス社会でも常にエンタメを供給してオタクを救ってくれるのが『アイドル』であり『アイドルの使命』だと筆者は思ってます。(アイドルの使命についてこの記事では省略します)

でも現実問題アイドルは常にオタクの近くにいて救ってくれる訳ではないです。
じゃあどうするか「銭湯に行こう!」
そう、『ライフハック』です。

社会で感じる疲れ、悲しみ、辛さ、ダルさ、気分が落ちこんでいる等の【抽象的な負の状態】【銭湯が解決してくれるかもしれないよ!】と助言しています。

「そんなん元から知ってるわ!言われなくても疲れた時は銭湯にいくわ!世はサウナブーム!」という人には必要のない助言です。
『銭湯に行ってみる』という選択肢が無い人に向けた曲なのです。

もし身の回りの人に「最近自分疲れてるんですけどどうしたらいいですか?」と聞いたら

・飲んで忘れよう!
・美味しいもの食べて元気だそう!
・いっぱい寝て時間に解決してもらおう!

パッと浮かぶ返してくれそうな答えが↑です。

でも↑も乃木坂の曲に今の所は無い気がします。
書いていて思ったのは「こんな曲あったらいいなぁ」なんですよね。シンプルな答えをくれる曲、いいじゃないですか。

そして10人に聞いたら1人くらいは返してくれるかもしれないのが『銭湯に行ってみたら?』かなと思うんですよね。
だから秋元康さんは凄いなぁと、なさそうである答えですよね。


言いたい事をまとめると、

『銭湯ラプソディー』のおかげで
この先の人生で疲れたり悲しいことがあったら「銭湯に行って癒される」という選択肢が生まれた人がいて、

「他でもない自分の好きな乃木坂46がそう歌ってるんだから "騙されたと思って"  銭湯に行ってみたら本当に気持ちが軽くなった」という人もきっといる。

そしてオタクじゃなくなってからも、なにか辛い事があった時は銭湯に行く習慣だけは残ってる。そうやって『誰かを救うかもしれない』意義のある曲だと思います。

誰かを救うかもしれない歌詞って乃木坂46にはたくさんあると思いますが
救うための具体的な手段を教えてくれる歌詞って、そんなに無かったのではないかという話でした。


最後に1番好きな歌詞の部分を

悲しいことに出会ったら 近くに銭湯を探そう
着の身着たままでいいよ タオルだって買えばいい

「銭湯ラプソディー」歌詞引用


気分が落ちている時って、仮に「銭湯に行こう!」とか急に思い立っても「でも準備してきてないや」「そもそも準備するのがダルい」とかあると思うんですよ。

でもこの部分で『準備なんていらないよ、タオルも買えばいいじゃん。』と、銭湯の気軽さを教えてくれてるんですよね。

考える気力もない時って "タオルは現地で買えばいい" ことすら忘れてしまいがちだと思うんです、そういう「リアリティ」をも「ケア」していく思慮深い所が好きです。


はい、ここまでで1番伝えたいことは伝えました!
興味が追い焚きしてる方はこの先も。



2.全年齢対象の新しいアプローチ

『銭湯ラプソディー』を聴いた時、コンセプト通りに年配や家族連れが集まるスーパー銭湯で流れてたらいいなと思ったし、同時にEテレで流れてて小さいお子さんが真似しててもいいなと思ったんですよね。そして若者向けにTikTokでバズらせようとアプローチしてた訳じゃないですか。全年齢対象の大衆向けソングなんですよ。この線もあんまり乃木坂の曲では無いレアなタイプですよね。

お子さんから年配まで通じる分かりやすい歌詞で、ゆっくりめのテンポで誰でも歌いやすい。若者向けにタオルを使った振り付けでTikTokを発信。

現時点では恐らく何一つ上手く結び付いてはいませんが、今の乃木坂46が大衆向けアプローチをしようと挑戦しているのかもしれないという所とそういった運営の姿勢が見えて良かったなと思ってます。めげずに続けてほしいです。


『銭湯ラプソディー』が多くの人を救う曲になるよう、世に広まる機会があればいいなと思っています。

『銭湯ラプソディー』の意義





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ここからは余談です

作曲の本田正樹さんは主にアニソンや声優への曲を提供している方ですが、

2021年にAKB48に提供した『大騒ぎ天国』は最近のAKBライブで既に定番曲になってます。
盛り上がる曲調+振り付けも面白いので、ここまで読んでくれてる方は是非検索で観てください!

また声優への提供は水瀬いのりさん、小倉唯さんと、声優アーティストとして第一線で活躍する方々で、私自身も元から好きでオススメ曲なので公式リンク貼っておきます。

「ほんとライブ映えする曲を作るなぁ!」という感想です。


最後はメンバーについて蛇足ですが書きます、


銭湯ラプソディーは5人組ユニット曲で
(山下美月・与田祐希・梅澤美波・田村真佑・金川沙耶)の銭湯ガールズで構成されてます。

この曲のテーマは『あなたを救いたい』なので戦隊モノコンセプトというのもしっくりきますね。

自分は銭湯ガールズの事を
『根拠が無くても人を励ますことのできるメンバー』だと思ってます。

どうでしょうか?
このメンバー達にミーグリで悩み相談をした所を想像してみてください。
(梅澤さんについては別の理由があるので省きます)


みんな笑顔で「大丈夫だよ!」って言ってくれそうじゃないですか?重要なのはその「大丈夫だよ!」が"なんとなく"の大丈夫ではなくて、根拠はなくても"本心から"の「大丈夫だよ!」に感じるかどうかです。

筆者はこの中の誰1人ともミーグリをしたことはないので完全にイメージで言ってますが、要は人を元気にできる、励ます事に長けてる、パッションを待ってるメンバーだと思います。


悩みに寄り添って根拠を一緒に探すメンバーとか、考え過ぎちゃって手放しに大丈夫だよとは言えないメンバーとか、なんか難しいけどとりあえず大丈夫だよって言っておこうというメンバーは浮かぶのですが、

ただ一言『大丈夫だよ!』と笑顔だけで目の前にいる人を励ませるメンバーってやっぱりその人の普段の活動とか、雰囲気とか、性格とかそういうの込みだと思うので、その点自分はこのメンバー選出がしっくりきたなといった感じです。(5期は省いて考えてます)


梅澤さんの役割は『銭湯ラプソディー』を"お笑い"にすることです。
梅澤さん以外のメンバーはほっといてもふざけてあの銭湯衣装着て踊ってくれそうじゃないですか、でも梅澤さんはそうじゃないはずです。

あの梅澤さんが仕事としてお願いされてあの衣装を着て踊ってくれてるから『銭湯ラプソディー』は"お笑い"として成立してるのです。

そしてこの記事で書いたような意義を理解した上で銭湯ガールズの活動をしてくれてるのは山下美月さんだけかな、とも思ってしまうのは寂しい所です。

TikTokの銭湯ラプソディーを一通り見ましたが山下さんだけ気持ちのノリ方が違いますし、実際にお風呂に浸かっているように見える細かい表現。

そんな山下美月さん率いる銭湯ガールズを応援してます。


以上、湯冷めしてませんか?
スープカレーうま馬でした🍛🐴
@yuri_kumi_nami


#銭湯ラプソディー
#乃木坂46


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