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「語られない」こと

息子がもう20回目くらいの『おおかみこどもの雨と雪』を観ている。

おおかみこどもの中学生の女の子が、母から聞いた話を語る、という構成。
だからこそ、母は泣かないし、愛に満ちている。
娘に語っていないことが山ほどあるはずだ、と思うからこそ、
こども達の“母に語ることはないであろう“出来事もまた、成長として描かれている。

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最近読んだ『82年生まれ、キム・ジヨン』の構成に驚いた。
精神科医のカルテとして、成育歴を辿っていくが、処方箋は まだない。
夫以外の男性の名前が、出てこない。出てこなくても、問題なく読み進められてしまうということ。
ほかにも、あとがきに書かれていて。言われてから気づくことばかりだけど!

巧み~~。

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お~いお茶のラベルに貼ってる新俳句もよかった。

「好きだって 言ってるじゃない、鈍感ね」11歳女子

11歳、が効いている。
成長曲線の、男女の折れ線の開きとか、見える句だ。

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文脈を明示することで、「語られない」意味が広がる世界。

自分は何を明示するか。

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