マガジンのカバー画像

#読書感想文

5
読書感想文のまとめ
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

#読書感想文 我慢してやってもどうせ不満は漏れて感謝もされず関係をこじらせるのだから。

『こじらせない練習。―今を生きる人のための心理学』石原加受子(2015) 自分中心心理学のレッスン本。しごとうまくいかなくてヒントが欲しく。 思考と感情を切り離す。 「こうすべきだ」と自分の感情を抑えて(または気づかずに)対応しても 無意識レベルで不快感を覚えていれば、言動ににじみ出る。 すると相手も不満を感じ取って、不仲が始まり、 「我慢してまでやったのに」感謝も評価もされず、嫌悪感はさらに募る。 他者を優先して"考える"のではなく、 自分の"感じ方"を最優先する。

#読書感想文 それは「無知の問題」

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ(2019) 話題の本なので、ご存じの方も多いかと。 イギリスの元底辺中学校に入学した息子さん(イエロー=日本人とホワイト=アイルランド人の間に生まれた子ども)と母みかこさんが、社会の縮図とも言える格差や差別やアイデンティティの問題と折り合っていく姿が綴られたエッセイ。 みかこさんも息子さんも素敵。 特に、悪いふるまいを特定のレイヤーで括らず、「無知の問題」として切り分ける作業が素敵だと思う。   水泳大

#読書感想文 現に生きたり死んだりしてる

『人間』又吉直樹(2019) 又吉さんの3作目の小説。 どうすんだ?と惑わせておいて、あっさりまとめる感じが モーツァルトっぽいと思った。(のだめの受け売り)   物語をヒーロー目線で読んでいたのはいつまでか。 謙遜だったはずが、日々思い知らされて卑屈になっていく。 つらいな。 立場なんてものは自分の調子が悪いときにだけ必要になる浮き輪のようなものかもしれない。 てんで「なっていない」人こそが美しいのだ、的な 構造に則って肯定して、すなわち我が身も、みたいな論法で