セラニポージとゆで卵 2024/04/14
・Serani Pojiのアルバム『ワンルームサバイバル』をよく聴いてる。海外アーティストっぽい名前だが、純粋なるJ-POPが楽しめる。
・今年の初めにTiktokでもかなり流行ったし、私と同じようにこの種の音楽を「発掘」した人も多そう。エレクトリックでキュート、小難しさもない。
・現プロデューサーのササキトモコ氏は、妹のワカバさんとのユニット・東京ハイジで子供向けの曲を制作している。あと、近作では月ノ美兎への楽曲提供が素晴らしかった。
・90年代から作曲を続けているだけあって、幅広い時代性を再現できるのが凄い。アイドルマスターなどの曲にも参加している。彼女の作品を辿るだけでも、色んな発見ができそう。
・茹で卵を食いながら、創作論について考えた。ちょっとしたアナロジー。
・茹で卵を作ってから食うまでの段階は、4つくらいに分けられる。
どれくらいの茹で加減が良いか考える(半熟か完熟か、誰の好みに合わせるか)。
まず沸騰させて、時間を計りながら茹でる(掻き混ぜるか、放置するか)。
湯から取り出したあと、冷ます(室温に置くか、冷水に入れるか)。
どのように殻をむくか(向きやすい方法とは)。
どう味付けして食うか(塩、醤油、素のまま)。
・意外に理想の状態の茹で卵を食べることは難しい。そしてつまり、これらが作品の生まれから公開されるまでの過程に相当する。
誰に向けて、何を描きたいかを決める。
目的を見据えた方法を選択し、創作する。
時間を置く、あるいは読み返す。
推敲し、校正する。他者へ読ませる。
作品の扱い(発表方法)を決める。
・なぜ茹で卵で例えたかといえば、ひとえに創作とは卵一つ茹でるくらいに誰でもできる行為だという理由に尽きる。そして、制作する(茹でる)というターンの重要度・難易度が想像以上に低いということでもある。
・書き直さない作品は名作になりにくく、発表する場を間違えれば誰も読まない。クリエイティブとは一つ外れた部分に、物語の行方が懸っていることを時々思い出さねばならない。
・……そんなことを、茹で卵の殻を丁寧に剥きながら考える。
・本日は2週間おきに図書館を訪れる日。今回の収穫は以下。
京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』
米澤穂信『黒牢城』
西尾維新『デリバリールーム』
・楽しみ。
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