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砂時計の数学 2024/05/05

・Youtubeサーフィンしていて、数学の解説動画で面白いものを見つけた。N角形(凹凸不問)の平面に警備員(点)を配置して、全域を見張れるようにするには何人必要かという問題。

・答えはN/3人以下であり、証明は三角形分割。ちゃんと点を色分けするなどビジュアル的にわかりやすい動画で、なにより問題が魅力的だ。ソファ問題みたいに、身近な状況で想像できるのがよい。

・この「えびまラボ」は、数学と競技プログラミングの教養をゆっくり解説する物好きなチャンネルなのだが、中でも数学の問題は珍しいものをいくつか取り揃えている。

・その一つがこの『砂時計で想定可能な時間』の問題だ。よくクイズや論理パズルでネタにされる。主に2つの砂時計が用意され、例えば3分&5分のみを使って7分を測れ、などが問われることが多い。

・ただし、今回は無理数秒の砂時計があるのが意外と難問だ。そして、単純にa+b√2秒 (a,bは自然数)だったら簡単だが、マイナスが入る巨大な数になると直観的な解法をすぐには思いつけない。

・動画では、アルゴリズム的手法と二次元グラフによる解説があって本当に明快だ。そして、なんと解答は「測れない」! その説明の中で有理数近似が出てきて、連分数展開が測定可能かの決め手になるのが非常に美しいと感じた。

・砂時計って、もはや現代では身近でもなんでもない。しかし誰でも知っている道具であり、そこはかとない詩的さを携えたアイテムだ。数学はこういうロマンチックさと相性がいい。「同じ誕生日の人がいる確率〜」みたいな問題も、運命論に寄り添った見方ができるのが素敵だ。

・ただし、数学の本質的理解から遠ざかりやすいので、質の良い解説動画は少ない。この「えびまラボ」のような、洗練された数学の話を少しでも解説できたらいいなと思う。


・ゴールデンウィーク、あまり自分には関係ないな。平日でも休日でも祝日でも、本読んだり勉強しているだけだから…。

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