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クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル

◆コンサート備忘録

2023年12月6日(水) 水戸芸術館コンサートホールATM

ショパン:夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9の2 
     夜想曲 第5番 嬰へ長調 作品15の2 
     夜想曲 第16番 変ホ長調 作品55の2 
     夜想曲 第18番 ホ長調 作品62の2 
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35 〈葬送〉
  (休憩)
ドビュッシー:版画              
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10 
  (アンコール)
ラフマニノフ:10の前奏曲 第4番 ニ長調 作品23の4

ポスター

クリスチャン・ツィメルマンは、子供の頃にカラヤンとの協奏曲のカセットテープを買ったことがあるほど前から知っていたにもかかわらず、そしてたびたび来日していたにもかかわらず、意外と縁遠いピアニストでしたが、とうとう今回の日本ツアーで、聞くことができました。
サントリーホールのコンサートもありましたが、ピアノは水戸芸術館のあのホールで、近距離で聞きたいという思いがあり、わざわざ遠征しました。
発売時点では曲目未定でしたが、後から発表されたラインナップは、好きな曲ばかり。強運でした。

前半のショパンは、4つの夜想曲とピアノソナタですが、それ全体が一つの交響曲でもあるかのように、一体感のあるプログラムでした。
3曲目のノクターンが終わる直前に誰かのカバンの中でなりだした形態の着信音。緊張感の走る中、曲間でその音が消えるまでじっと待っていたツィメルマンは、そっと客席に「ショパンから」とジョークを飛ばし、場を和ませました。葬送行進曲のあるピアノソナタの美しさたるや、もうCDでは聞きたくないくらい。
後半は大好きなドビュッシーのあまりにも旅情あふれる版画のメロディから、初めて聞いたシマノフスキーの変奏曲までも、これもまたとてもきれいな流れで、技巧的な部分も多くありながら、それを感じさせない雰囲気で引き切る巨匠。
鳴りやまぬ拍手にアンコールのラフマニノフまできて、セットリストが完璧すぎて、たっぷり2時間音の波に揺られて楽しみました。

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