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㉒妊婦への湿布は要注意?

腰痛は妊娠中に50%以上が訴えると言われています. 胎児/羊水の重さによる脊椎への負荷により妊娠24〜36週で出現します. 湿布を貼りたくなる, また湿布を処方したくなりますがチョット注意が必要です.
妊娠中にケトプロフェン(非ステロイド性消炎鎮痛薬 nonsteroidal anti-inflammatory drugs, NSAIDs)を含む外用薬(湿布・ゲル剤・テープなど)を使用した妊婦で胎児の動脈管収縮や羊水過少の症例が報告されています. 妊娠中の湿布は消炎鎮痛薬を含まない温湿布/冷湿布を処方してください.

妊娠後期はNSAIDs内服も禁忌であることをお忘れなく. 腰痛を認めた場合には, 腎盂腎炎など感染症の可能性もあります. きちんと評価し尿検査を. 授乳中の消炎鎮痛薬入りの湿布は安全に使用可能です.


Casagrande D, Gugala Z, Clark SM, et al. Low back pain and pelvic girdle pain in pregnancy. J Am Acad Orthop Surg. 2015 ; 23 : 539-49.
厚生労働省. ケトプロフェン(外皮用剤)の妊娠中における使用について. 2014.



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産婦人科医の柴田綾子先生が『産婦人科のダメ処方』としてわかりやすくまとめてくれています.
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『産婦人科のダメ処方』
①妊婦の風邪症状にレボフロキサシン(クラビット®)を処方する.
②妊婦の腰痛に消炎鎮痛薬入りの湿布剤を処方する.
③授乳中の母親の風邪症状に授乳しているので薬は処方できないと説明する.


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