DAWのWAVE書き出しを24Bit/48kHzにするまで
DAWで作った曲を最終ステレオに書き出す時は 16Bit/44.1kHz にしてました。いわゆるCDの音質です。
この数値は、ビット深度 と サンプリングレート という、音質を決定づける基本的で最も重要な値です。
どのくらいの精度で音を数値化(デジタル化)するかを表してて、値が大きいほど再現度が高く、音質が良くなります。
この度、この設定を 24Bit/48kHz (DVD音質)に変えました。
これで音質は上がります。が、パソコンの負担が増えるので、変えるにあたって考えたことヤッたことをまとめてみました。
書き出すたびに音は劣化してる!
きっかけは、ベースのアレンジを詰めてる時、打ち込みを終えオーディオに書き出したギターのリバーブが書き出し前ほど響いてなかったこと。ここち良いと感じてた余韻が感じられなくなってました。
とてもわかりやすい音質劣化でした。
そして思います。
最終的にステレオに書き出すことになる。
そこでも音質劣化が起こる。
そしたらオーディオ化してたトラックは2重に劣化する。
最終は仕方ないとしても、せめて2重劣化は防がねば!
「レコーディングスタジオで耳にしてる音を一度聴いて欲しい」と、メジャーなミュージシャン達が口にする気持ちがわかります。
オーディオに書き出すだけで音が劣化するなら、今DAWから流れてる音よりも良い音はこの世に存在しないってこと。
DWAで作ってる時が一番いい音
目指してるイメージに一番近い音
可能な限りこの音をこのまま届けたい!と思うのは自然なことです。
音質と経験値、どっちが優先?
初めのうちは音質にこだわらなくてもいいんじゃない!という考え方があります。3ヶ月かけて完璧な1曲を仕上げるより、10曲書いて経験を重ねる方が、1年後2年後の糧になってるというも。私も一利も二利もあるし、そうしようと努めてます。
ただ、今回の音質劣化は次元が違って、『ここち良いと感じてた余韻』が失われたことは『歌が聴こえない』と同じレベル。
聴こえなくなるとわかってて最後まで作り続けられるだろうか?という話。
何かしらの熱を伝えるための創作が、熱が失われかねない事態なのです。
オーディオ書き出しは必要?
そもそもMIDIトラックをオーディオに書き出す必要があるの?ってとこですが、必要なシーンを考えてみると、ミックスを外注する、離れた人と共同でアレンジするといった、音源を共有する場合です。
同じDAWを使っていればプロジェクトを共有する手段はあるかもしれませんが相手は限られます。
環境に関左右されない形式としてオーディオファイルが使われてるのだろうと思います。
自分のパソコンだけで完結するなら書き出す必要もないのですが、私の場合、パソコンの負荷を減らして、音が途切れたり最悪固まったりすることを防ぐためにやってます。
リアルタイムにプラグインを動かすより、オーディオを再生する方が、負荷は軽いのです。
アレンジと音作りを終えたトラックから順次オーディオに書き出してます。
今よりも高性能なCPUと十分なメモリーとストレージを積んだパソコンを用意すれば済む話しですが、安い買い物ではないので、工夫でなんとかなるならそれに越したことはありません。
シンプルなバンド編成の曲でも
今作ってるのは、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムのシンプルなバンド編成の曲。
このトラック構成が、ドラムx8、ベースx2、ギターx6、ヴォーカルx4、で合計20のMIDIトラック。
全てに EQ、コンプを掛け、必要に応じてショートリバーブ、アンプシュミレータ、コーラスなどの音色作りのプラグインを足し、さらに追いコンプ、追いEQで整え、トラックの基本的な音色を作ってます。
生楽器で言えば『OKテイク録音完了!』という状態。これをオーディオに書き出します。
加えて、単発装飾用のオーディオトラックが4つと、リバーブなどのFXチャンネルが8つというトラック構成です。
これらを一切書き出すことなく再生すると、全ての楽器が鳴りだした途端にCPUの負荷メーターが振り切れ再生が止まります。
エフェクト一切無しなら難なく再生できるのですけどね。
ただし、ヴォーカルのSynthsizerVたけは、どうあっても音が途切れるので書き出し必須にしています。
パソコンの負担を減らす
さて、仕事兼用ノートPCにテコ入れの時間です。
DTMには最低このくらい、理想はこの倍のスペックが欲しいところ。
パソコンに馴染みがない方のために説明すると、メモリーは作業机、ストレージは工具や材料をしまってる棚、そしてCPUは作業員と考えると理解し易いと思います。
棚から取り出した工具と材料を机の上に広げ、CPUがせっせと加工してるイメージです。
処理速度を速い順に並べるとこう。
速 CPU > メモリー > ストレージ 遅
遅い物ほどボトルネックになるので、改善を試みるなら先ずはストレージ、次にメモリー、最後にCPUの順に考えると良いです。
CPUの処理速度はメモリーとストレージに比べ圧倒的に速いので、よっぽど古いものでない限り気にしなく良い思います。もし気になるならばパソコン買い替え時かもしれません。
私のはメモリーが増設できないので、ストレージのみ改善の余地があります。
内部ストレージに全部収める
StudioOne、SynthsizerV、プラグインを次々とインストールしてたら、あっという間に内部ストレージがいっぱいになったので、プロジェクトファイルやプラグインの一部は外部ストレージに収めてました。
外部と内部の差はほぼ無いはずですが、外部にアクセスする瞬間にCPUの負荷メーターが上がるので、関連ファイルは全て内部ストレージに収めてるほうが良いはずです。
また、M.2 SSDは空き領域が少なくなると急激に処理速度が落ちるので、この影響を受けてる可能性もあります。
私の場合、外部から内部への移設が、SATAからM.2への性能アップになるので、明らかな改善が見込めます。
というわけで、今回ココだけお金を掛けました。
1TBのM.2 SSD+ケースで12,000円なり。
結果、DAWの起動やら反応やらの体感速度は2割ほど早くなった気がします。
パソコンに掛かる負荷は、SynthsizerV以外のオーディオをMIDIに戻しても止まらなくなりました。
肝心の音質劣化はというと、ちゃんと
余韻が聴こえるようになりました。
オメデトー!
ただ、CPUの負荷メーターは平均60%、時々ピークに達し音が途切れます。残念ながらオーディオ化ゼロとはいきませんでした。
最高ではないにしても及第点には届いたので、しばらくはモチベーションを落とさずやっていけそうです。
なぜ音質劣化に気づいたのか?
以前は気にならなかったのになぜこのタイミングで気になり出したか?いくつかの偶然と明確なターニングポイントがあります。
Prime からアップグレード
昨年8月に Prime から Profesional に間違ってアップグレードしたことが一番のターニングポイントになってます。経緯はこちらに。お時間があれば読んでみて下さい。
要は、アップグレードして初めて音作りができる環境になり、良い音を知り、フェダーを上げ下げせずともバランスをとる術を知ったのです。
もし間違わずにいたら、未だに良い音がどんなものか知らないまま。ラッキーでした。
知らないことは気づけません!
音質にこだわってなかったといえ Primeの機能制限がこんな形で影響するとは思ってもみませんでした。
モニター環境
1年半ほど前、モニターに使ってたヘッドホンのイヤーパッドがボロになったのをきっかけに、以前スマホで使ってたイヤホンを使うようになりました。どちらも家電量販店で買える安物でどんぐりの背比べではあるのすが、イヤホンの方が圧倒的によく聴こえるようになってました。
これに気づいたのもこの音質劣化がきっかけです。
モニター環境の違いは作品に顕著にあらわれてて、こちらで聴き比べ出来ます。どちらも作ってる熱量は変わりませんが、音質の差は歴然です。
なんだか今日はいい日(2023)
なんだか今日はいい日(2018)
イヤホンに変えてから、書き出すと音質が劣化してるとなんとなく感じてましたが、このたび明確に認識できてラッキーでした。音質劣化様々です。
さてさて、この一件で知らないことは気づけない!を再認識できたお陰で、今、モニターヘッドホンがすごーく気になってます。DTMはお金かかります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
曲ができたら告知しますので是非聴いて下さい。
ではまた enjoy!
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