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【曲のカケラ】『なんだか今日はいい日』が影響をうけた曲を紹介します

どんな曲を聴いてたらこんな曲が書けるんだ?!
という思いから立ち上げたこの企画。

まずは自分が書かなければ始まらないので、この曲を題材にしました。
宜しければ聴いてください。

なんだかきょうはいい日 / soundws

元々、アコギ1本で弾き語りしてた曲をバンドアレンジし、さらに4つ打ちにアレンジし直し、さらに小春六花をお迎えしたタイミングでブラッシュアップしたのがコレです。

自分で自分を解剖するようでおしりがモゾモゾしますが、「あの部分はコノ曲のコレか」とか「そんな曲とつながるんだ」とか、作曲編曲のネタにして頂ければ幸いです。
では、この曲の構成やアレンジやミックスで参考にさせて頂いた、
私がリスペクトするアーティストさんの楽曲をどうぞ。

やさしい風の中 / 久石譲

ミニマル・ミュージックといえば譲さんです。
挙げたかった「あの夏、いちばん静かな海。」音源が無かったのでこちらを挙げさせて頂きましたが、ミニマル感が顕著に現れてていい曲。
短い旋律の繰り返し、このズレと重なりによって生み出されるグルーブに高揚したり緊張したり、心が動かされます。
コレは譲さんでしか味わったことが無い感覚。(多分私が知らないだけ)

ミニマル・ミュージックという言葉も、譲さんが日本におけるミニマル・ミュージックの第一人者だと知ったのもごく最近の話。
編曲してる時は、譲さんみたいなうねりを表現したい!と思ってヤッてましたw

それがイントロからピコピコ16ビートを刻んでるアルペジオ的な旋律です。
ただし、はじめは違う旋律でした。
次に紹介する曲によって譲さんみたいなうねりは進化します。

GLITTER / Perfume(中田ヤスタカ)

聴いて楽しい見て楽しい総合芸術。目で楽しむ音楽という形容がピッタリのPerfumeさんです。
彼女たちの曲はすべて中田ヤスタカさん。何もかもが私の常識の上をゆくカッコ良さなので凄いとしか言えません。

この曲で惹かれたのはアレンジの構成です。具体的にはイントロから入ってるシンセリードの旋律。この旋律は音色を変えながら最後までずっと鳴り続けてます。コレをやってみたいと思いました。

2拍1サイクルだったミニマルな旋律を、曲を通して流せる音に選び直し、4小節1サイクルに改造したのが、カリンバが奏でてる旋律です。
間奏を除き、音色を変えつつ、ずっと鳴らしてます。

そして僕は途方に暮れる / 大澤誉志幸

カップヌードルのTVCMで聴いたのが初めてだと思います。曲全体を通して淡々と流れるリフが印象的で、ハスキーな歌声と相まってカッコいい。曲が展開するところで入るピアノやギターの音色もカッコいい。ゴチャゴチャしてなくてなんか大人ー!って思ってた記憶があります。今はカラオケのレギュラーです。

この曲から私のアンテナに引っかかったのは、歌の合間で小さく鳴ってるカカカンというパーカッシブな音。
ミニマルフレーズ改だけでは淡々としすぎたので、フィルやスネア重ねたり、繰り返しでは得られないアクセントにしました。

ポリリズム / Perfume(中田ヤスタカ)

Perfumeさんを世に知らしめた出世曲。もちろん中田さん作です。
クラブミュージックをポップスに昇華させた名曲です。

この曲の目玉は、通称「ポリループ」と呼ばれてる間奏部分。
4/4で刻んでたリズムが2/4変わり、その上に5音のフレーズが繰り返される変態的アレンジですw 

5拍子ならば小節毎にリセットできますが、5音だと1音だけ次の小節に掛かるので、5音を追うとリズムに乗れなくなります。途中3音に替わるしw

他ではお目にかかれない唯一無二の変態的グルーブを間奏でやりたいと思ったわけです。
リズムは4つ打ちを強調してれば乗れないことは無いでしょう。勿論フレーズは変えてますが、5音から3音に切り替わるタイミングはポリリズムと同じです。ココ以外無いっていうタイミングでした。
中田さんやっぱすげー!

誤解のないよう補足すると、同じテンポのままフレーズをズラすアプローチは、ポリリズムというよりミニマル寄りといえます。
本来ポリリズムが指すリズムについては最後に補足動画を紹介します。

Africa / TOTO

何度リピートしたかわかりません。リズムとアンサンブルが心地良くずっと聴いてたいと思う名曲です。イントロの1音目だけでアフリカの壮大な自然の映像が思い浮かび、サバンナに生息する動物たちの息遣いが聞こえてくるようです。

パーカッシブなアレンジをするにあたって目指したのはラテン系ではなくアフリカンビートでした。アフリカと言って真っ先に思い浮かぶのがこの曲。

ただし、この曲から活かせたのはモサっとした4つ打ちリズムだけ。拍の直前にに極めて小さくキックを入れることで、拍とジャストではないアフリカンビートに少し近づけたかなーといったところ。

なんか歯切れが悪いのは、アフリカ的な要素を盛り込もうとすると作り込むほどにどんどんこの曲に近づくのですw。私のイメージするアフリカはほぼこの曲が作ったと言って良いでしょう。
そのくらい高い完成度でアフリカが表現されてる、良すぎて困りますw

あと、ポリリズムの3音フレーズを加えたことで、結果的に間奏終わりが似た感じになってます。ほらねw

New Song / Howard Jones

Life In One Day / Howard Jones

最後に真打ち登場。
幼い女の子が、元気に駆け回って転んだり物を倒したり、側にいる両親が慌ててる、賑やかでハッピーな日常を曲で描きたいというのが再アレンジの出発点でした。

音像もグルーブもこんな雰囲気にしたいと思った、着想から影響を受けてると言っていい2曲です。

エレクトリックなアプローチに、高揚感を煽る4つ打ち、さらに追い打ちをかけてくるアフリカンビートのパーカッション。

プログレッシブ・ロックを演ってて全く売れず工場でバイトし、これが最後とエレクトリック路線に舵を切った覚悟が、彼の弾けるようなサウンドとなって溢れ出てると思います。
New SongのMVはおそらくそのエピソードが表現されてるのだと思います。

最終的には「なんだか~」が醸し出す癒やし感が外せなくて、かなりおとなしめに落ち着きましたw


以上、なんだか今日はいい日が影響を受けた曲たちでした。
楽しんで頂けたでしょうか。

言語化するにあたって、キックとスネアの音色と音量バランスは中田さんにの影響だな、といった再発見もあって、書いてて楽しかったです。

補足【ポリリズム】とは

最後に、ポリリズムについてわかりやすい動画を発見したのでご紹介します。これぞアフリカンビート!という音が聴けます。
ズレと重なりによってグルーブを生み出す点では同じでも、ミニマルミュージックとはまったく別のグルーブを感じて頂けると思います。
これが本来のポリリズムです。


それではまた、
プロ・アマ問わず、作曲家の皆様の曲のカケラをお待ちしてます。


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