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新築木造ピアノ室の基本

今まで他の投稿記事でもご紹介してきたように、木造ピアノ室、特に新築の推奨する建物工法は「木造軸組在来工法」です。
依然として、地方の現場では最も多い建築工法です。
関東方面でも、ピアノ防音室をプロ仕様の練習室または音楽教室として利用する場合は、軸組在来工法が多いのは、プロピアニストや音楽教室の先生が推奨する工法だからです。

私の運営する「防音職人」サイト経由で、軸組在来工法の依頼が多いのは、私の音響・防音設計手法が「木造軸組在来工法」を前提として説明している内容と、依頼者のご希望内容がマッチしていることが主な理由だと思います。大工職人の業界では、軸組在来工法の施工が出来て一人前という評価がされるため、腕の良い職人そのものが、木造軸組在来工法の現場を得意としています。親方から受け継ぐ伝統的な技法です。

なので、私の「新築木造ピアノ室」の基本は木造軸組在来工法であり、音楽家の評価と私の体感が最もマッチする建物工法です。

木造軸組在来工法の建築費は安くない

しかし、将来のメンテを含めて長い目で見ると、構造的な補強やリフォーム・改修がしやすい構造であるため、ピアノ音楽室を長年維持することが可能です。将来のメンテや音響的な価値を考慮すると、決して割高な工法ではありません。

防音職人の設計仕様・施工要領は、大半が軸組在来工法から学んだものです。職人の知恵と技法、最適な防音材の活用、薄型の防音設計の理論など、東京でも地方の現場でも確実に構築できる設計仕様・施工要領が「防音職人」の最大の特長です。

ただし、木材は今や贅沢品と言えるような値段になりつつあり、新築計画において見積調整が最も時間がかかる作業と言えるでしょう。
新築業者の選定には、得意分野と仕入先の特徴を考慮して決めたほうが良いと思います。良質な木材・木製品を仕入れることが出来る建築業者が望ましいです。

防音設計の専門業者選びの留意点

設計・コンサルティング担当者が木造そのものが好きかどうかは、重要な決め手です。木材の価値や効果などピアノ・音楽防音室に最適な知識と経験を持っているかを見極めることが大事です。
その判断材料は、専門家が運営するウェブサイトのコンテンツやブログの投稿記事の中身をじっくり読めば分かると思います。

そして、考え方をメールと電話で率直に質問して確かめてください。
木材の特性、コインシデンスを含めた防音材の特徴や、防音構造の標準的な厚さに関する考え方、知識について質問してください。
専門家なら、大半の質問に答えられるはずです。

ウェブサイトのデザインは、あまり重要視しなくて良いと思います。Webデザイナーに外注すれば、いくらでも見た目は立派なサイトが出来ますが、重要なのは中身(コンテンツ)です。立派なモデルルームを経営する経済力ではないです。
我々、ベテラン専門業者の多くは零細な自営業で自立した仕事をしています。看板の大きさで判断しないようにしてください。

新築の木造ピアノ室を計画されている施主のみなさん、お気軽にご質問ください。できるだけメールで質問事項に回答できるように努力します。
*主なブログ記事の入口ページ:木造ピアノ室・音楽室
*参考記事:木造防音室の専門家

施工要領の重要性

相談依頼者の建築業者の中には、提案書を受け取ってから連絡が途絶する業者が居ます。中には施主が直接、施工上の疑問点を問合せてきて、初めて契約しないで防音工事を実施していることが判明しました。要するに提案書を無断流用して施主に虚偽の報告をしていた新築業者が居たのです。※当然ながら、施主に事情を説明してから辞退しました。

計画書だけ見ても、詳細の防音施工の説明図や施工要領なしでは職人は施工できないです。また、計画書に明記した同じ防音材を使用しないと想定される性能は確保できません。

まっとうな建築業者は、防音職人(私)が作成した計画書を見て、具体的な提案内容が記載されているので安心します。これなら契約しても大丈夫と判断してくれます。そして、施主又は新築業者が直接、私と契約してから、説明図や施工要領を作成します。
窓やドア、換気扇の製品選定については、別途指示します。
*通常、施主個人との直接契約のほうが諸経費が安いので、費用の面では得です。

私は、常々、施主には「誠実な施工業者と適正な設計書・説明書および防音材」があれば、どこの現場でも確実に施工できますと説明しています。
実際に、防音職人の実績の半分以上は、地方(九州・山陰・山陽・関西・中部・北陸・信州・東北・北海道)の遠方の現場です。
*ただし、専門的な防音材の納品エリアに制限がありますので、事前に確認が必要です。

また、「業界の防音設計」の記事でも触れましたが、革新的な設計仕様や製品開発には、地道な検証が必要であり時間がかかります。
万能な防音設計や防音材はありませんので、必ず補正するための工夫や少しでも防音効果を高めたり、リスクを抑えるための施工要領が不可欠です。

他の専門業者のモノマネやコンテンツの流用をしても何のメリットもありません。設計仕様や施工要領の正しい理解と実践経験が必要です。
数学と同様に公式だけ覚えても、現場や構造体に応じた補正など応用する技術がなければ、使いこなすことは出来ないと思います。

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