見出し画像

木造防音材の傾向と費用対効果

私が約30年間追跡して研究した内容によると、木造の防音材については、費用対効果や種類などの傾向が明らかになっています。
一方、マンションについては、ほとんど傾向は変わっていないので、特段の言及はしませんが、概ね床の軽量衝撃音対策の防音材が多いです。

木造は、マッチする防音材が比較的少なく、約30年の間に防音製品の材料が変化しています。硫化ゴムからリサイクルゴムチップ、樹脂、アスファルト基材が主流になり、ユーザーには見えない部分でマイナーチェンジが行われています。費用対効果は下がっていると言っても良いでしょう。

防音材の単価と品質

メーカーは大別して、特定の企業に卸す受注生産品メーカーと大量生産して在庫をストックする市販メーカーがあります。
前者は在庫を保有しないため、確定注文を扱う代理店など特定の企業に対して供給するメーカーです。
後者は、量販品を大量に生産するメーカーであり、ホームセンターや企業のショールームでサンプル材を見ることが出来ます。

ところが、数年前から市販品は20%以上値上がりして、受注生産品よりも単価が割高になりました。しかも、一部製品では原材料不足が要因となりリサイクルゴム・樹脂を混入させて加工するため、品質にばらつきがあり、劣化しやすい防音材が増えました。樹脂の製品も硬質なものが多く、制振性能が低くなっています。

ある病院の医師が言ってましたが、ドラッグストア等の量販店で販売される製品は小売側の利益率が高いものが多く、専門メーカーが開発した利益率の比較的低い製品は病院(または専門店)にしか置いていないということです。
防音材も似たような状況であり、専門メーカーのオリジナル製品(受注生産)はホームセンターには置いていません。

防音材に関しては、少なくとも単価を単純比較しても費用対効果の優劣は判別できません。

防音職人取引先の専門メーカー

私の取引先は、すべて受注生産の専門メーカーであり、基本的に在庫を持たないので契約現場を中心に納品することになります。
専門メーカーの属する分野は、土木・機械・車産業です。建築とは分野の異なる企業が開発した製品を建築用に加工しています。

主な原材料は「PETウール・フェルト」「ヴァージンフェルト」「アスファルト基材」「樹脂・塩ビ」です。
最近、輸送費や人件費などが高騰して、約5%から15%値上がりしましたが、市販品に比べて値上げ率を抑えており、私の場合は大手得意先扱いのため値引きされています。

ただし、DIY対策が目的であっても、納品する防音材に合わせて、必要に応じて施工要領などのアドバイスもサービスで行っています。なんでも売れれば良いという考えは持っていません。
ユーザーの目的やリクエストに必ず配慮します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?