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音響設計の専門家が流用した吸音材

取引先のベテラン建築士(同業の防音設計担当)が、ある有名な女性ヴォーカリスト(すでに引退)の録音用のプライベートスタジオの防音設計を依頼された時に、彼女の取り巻き連中の「自称音響設計の大家」と言われる人物が邪魔をしました。

当初の防音設計ではロックウールを指定していたにも関わらず、急にグラスウールに変更されたのです。完成後に所定の防音効果が足りなくて、大分揉めましたが、最終的には施主側の判断で、当初のロックウール仕様に改修されて、無事に想定通りの防音性能を確保されたと聞きました。

彼ら(自称専門家)の知識には、ロックウールどころか吸音ウール・ライブウールの効果・性能も全く存在していないのです。

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音響の専門家の知識は古い

私に言わせれば、音響設計や調律が専門の業者・技術者は、知識が古く、吸音材はグラスウールとフェルト材(カーペットの下地材など)しか使っていませんでした。

ところが、○○○方式という本を出版した音響の専門家が、私の相談者の情報を元にグラスウールの設計仕様を全部「吸音ウール」に変更したそうです。私の相談者が情報を漏らしたのです。※ある大手メーカーの類似品で施工したようです。

なので、私はその相談者とは契約しませんでした。信用できないからです。自称専門家が出版している書籍とは、そんな程度のものが多いです。

単純に吸音率を比較するとロックウールのほうが性能が少し上ですが、耐久性は吸音ウールのほうが優れています。※私の室内に放置されている吸音ウールは26年以上劣化していません。→吸音ウール

この製品のオリジナルデータ(実験資料)は私と上記の取引先の建築士しか持っていません。それは彼が会社を辞めて独立する時に、後任者に引き継がなかったためです(笑)。いい加減な会社(メーカー)でしたから。

吸音ウールの安全性

吸音性能は重要な点ですが、DIYなどで室内に露出させて活用するには、人体に無害である必要があります。

上記のオリジナルデータでは、有害物質は検出されず、私の契約者のご家族(アレルギー・喘息)にも、数日間触っていただきましたが、大丈夫でした。契約者は、循環器系の専門医です。

この吸音ウールは、約26年間の使用実績があり、後発の類似品と比べて十分な根拠があります。

製品一つをとりあげても、このように専門家と言われる技術者は、個人差が大きく、知識・経験も実績も異なります。

音響設計マニュアルそのものが、グラスウールで説明しているので、遮音設計マニュアルと同じで、情報が古すぎるのです。

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