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新しい需要層と防音相談

2020年から発生した緊急事態によって数年間はステイホーム需要の急増などライフスタイルや業務・勤務形態に大きな変化をもたらしました。
私の専門分野の業界にも需要層の変化が起こり、テレワークやウェブサイト構築・運営を含めた防音相談のスタイルも変化しました。
大手防音業者の対面による相談会は大半が休止になり、電話相談やメールでの対応が増えました。

一方で、ChatGPTなどAIシステムの開発のレベルアップにより、今まで大半の専門業者がモデルルームで行ってきた相談会の対応レベルであればAIによるチャット形式のQアンドAで十分と考えられるようになりました。
要するに金太郎飴のような回答であれば、優れたChatGPTを活用したほうが効率的であり、誇大広告も誤回答も抑えることが出来ると考えられます。
PC・タブレットを各担当者に1台ずつ持たせて、出先でも自宅でも業務を行うことが出来るため、大きな会議室も執務スペースも不要であり、モデルルームも音響・防音体験のみの活用に限定出来るわけです。

防音職人の場合は、「上記の一般的な対応レベルでは解決できない案件」に特化して防音相談や防音設計を約20年間行ってきました。
業務スタイルは、電話・メールおよびウェブサイト・ブログです。契約案件の多くを地方の現場が占める私の業務内容は、上記のようなライフスタイルや業務スタイルの変化に左右されることなく、約20年前からテレワークのようなスタイルで多くの契約現場をこなしてきました。

新しい需要層の開拓と防音相談

しかし、需要層に新たな変化が起こり、昨年から新しい業務メニューの可能性検討に取り組んできました。
昨年から今年にかけて延べ約1年間で、有料コンテンツとサラウンドスピーカーの音響実験や提携先の現場音測定、相談者・契約者の体験情報を勘案して、やっと防音対策と音響対策の概要が理解できました。
そして、音楽アレンジ録音・動的プラットフォームやプログラム構築の仕事場環境(主に自宅併設型)などに対応した提案が出来るようになりました。
*スピーカー・PC・大型ディスプレイ・スクリーン・アンプ・音響板・吸音板、床と壁の防振対策など。快適な仕事部屋づくり。
*夜間のテレビ会議システム対応に対応できる在宅業務スペースの構築など

来年から新しい需要層を積極的に掘り起こすためのウェブサイトやブログ対応を準備中です。

ついに、私の原作アニメ・グラフィックデザインの趣味と本業(防音相談・設計)がリンクしそうです・笑。今まで投じた経費が無駄にならなくて本当に良かったと思います。
想定需要層は「RPG・原作アニメ音楽クリエーター、アニメーター、プログラマー、ウェブデザイナー」及び「自宅に併設する小規模な音楽レッスンスタジオ(ピアノ・声楽を含む)運営者」です。
*すでに、昨年から今年にかけて、業界関係者から数件ほど契約をいただきました。

基本は変わらない防音設計とコンサルティング

営業スタイルや防音相談のメニューが増えても、本業の「防音設計・防音工事サポート」の中身は変わりません。
防音の原則である「遮音・制振・吸音」という3つの機能のコンパクト設計手法は、どのような現場であっても考え方は同じです。
違うのは現場に応じた防音構造や付帯する造作(音響板などDIYツールを含む)の中身です。

ただし、今まで以上に微妙な音響機器や録音機器の周波数特性および仕事場における騒音軽減を考慮した対策が必要になりますので、依頼者との情報交換に時間を掛ける必要があります。
利益を重視する大手専門業者には対応しにくい「新しい需要層」が増えると思います。それに小規模な仕事スペースや音楽練習室・録音室に対応できるコンパクト防音設計のノウハウと実績がなければ無理だと思います。

専門業界は棲み分けを前提に色々な専門業者が共存すれば良いと思いますので、相談者は自分の希望に適合する専門家・業者を「防音相談」の段階で見つけることが出来れば良いでしょう。
*マンションの仕事場リフォームの話はまた別機会にご紹介する予定ですが、最近の無理な相談が増えていることが気になります。マンション生活防音は私の業界では最も難易度の高い案件であり、無料相談は論外です。

しばらくは、木造建物の防音相談・コンサルティングに集中したいです。

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