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木造軸組在来工法のピアノ室と防音設計

新築計画においてピアノ音楽室(防音室)を併設する場合、最も重要なのは建物の工法です。

ピアノ室には、多くのプロピアニストが指摘していように、木造軸組在来工法が音響的にも最もマッチします。

通常の壁内の通気胴縁や床下換気(基礎パッキン)・大引・束の軸組工法が「音響・防音効果」に最適であり、将来の建物メンテやリフォームを含めた改修などに柔軟に対応できます。※ツーバイ工法に比べて、軸組工法はリフォーム・改修による耐震補強もしやすく、段階的かつ部分的な構造体の交換にも対応できるのが特長です。

また、軸組工法は、普通の居室をリフォームして防音室に改造することが、最も容易です。

木造軸組工法は、ピアノなど楽器演奏時に、建物全体で音響効果を体感できる建物として、ピアニストなどプロ演奏家にも好まれています。

防音職人では、ピアノ及びヴァイオリン、チェロなどの楽器防音室を新築する際には、伝統的な木造軸組在来工法を推奨しています。

木造の防音設計と相談業務

昨年度(2021年度)から、地方の現場を含めて、新築を担当する建築士の支援業務として、「音響・防音設計と建築工法のコンサルティング」および「必要な防音材の現場納品」を、新築の基本設計段階から実施設計、工事完成まで、ご要望に応じて契約してサポートしています。

木造のピアノ防音室に限らず、施主の工作室などワークスペースやオーディオ・シアタールームなど、新築住宅に併設する音楽室や仕事場の防音設計を担当しています。

特に新築では、使用する断熱材や一般的な建築材の活用を含めてトータルで、相談業務を行っています。建物補強や音響調整、防音効果など総合的な快適性を十分考慮して計画を検討しています。

昨年は、建築士から直接ご契約をいただいた複数の案件があり、うち1件が昨年の秋に完成しました。施主も費用対効果が高いと非常に喜んでおられました。

残り2件は春から夏の完成を目指して、1件が工事中で、もう1件が実施設計まで進んでおり、私の防音設計の説明図も、建築士からの連絡があり次第、着手します。

DIYによる木造防音室のサポート

一方、アマチュア音楽家に好評だったのが、新築業者への防音対策の指導と、施主への防音材提供及び施工説明図作成業務です。

必要に応じて施主が自分で防音材を活用して施工したり、知り合いの大工職人と一緒に防音施工を行うなど、費用を削減しながら、所定の防音性能を確保できました。工事の総額は、専門業者の約半額で済みました。

このように、日曜大工レベルから、比較的簡易なDIY作業によって、音響から遮音効果のレベルアップまで、ご予算に応じて対応することができました。

2022年も同様に、施主および建築士への「支援業務・防音相談」に力を入れていきたいと思っています。

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