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吹き抜けのある木造ピアノ防音室

昨年末に完成した埼玉県内の住宅地に建設された木造新築住宅に併設したピアノ防音室です。詳細は次のページをご参照ください。

薄い防音構造の木造ピアノ室

このピアノ室の目標は「近所に迷惑にならないレベルの防音性能を確保する」「部屋が狭くならないように薄い防音構造にする」「表層仕上げを無垢材にする」という3点です。

吹き抜けがあるので表面積が倍になる

二階まで吹き抜けているため、普通のピアノ防音室の2倍以上の表面積があります。ご希望のご予算に収めるためにも、出来る限りコンパクトで薄い防音構造が必要でした。

検討した結果、新築業者に新築段階で出来ることを依頼しました。天井裏と床下及び内壁に吸音断熱材(市販品)を充填することと、床下の束補強(増設)をオプションとして新築計画に加えてもらいました。

空間を有効活用することで、防音構造を薄くして、費用も抑えることが出来ました。

音響を重視した無垢材仕上げ

比較的広いピアノ室なので、近所への迷惑にならない程度の遮音性能を確保することは私の設計仕様では難しくはなく、重点は床の共振を抑えることと、天井と壁に使用する羽目板が季節ごとに収縮してあばれないようにするため、下地を補強することでした。床も同様に針葉樹の無垢材ですので、収縮することを考慮して補強しました。

昨年の完成から、現在に至るまで最適化された音響は変化なく、快適にピアノ演奏を楽しまれているようです。以下は、依頼者の感想です(原文のまま)。

『今の所、音響もちょうどよく、心地良く弾かせて頂いております。防音工事をして下さった大工さんも、ピアノが入った後にいらっしゃって外から音を聴いてみて、弾いていると知らなければ全然音に気付かないとおっしゃっていました。

室内にはそれなりに聴こえますが、騒音ほどではなく、家族のお昼寝の邪魔にならないレベルです。

また、12月になり、防音室に暖房器具を入れましたが、あの広さなのに暖房器具一つで十分な温度を保つ事が出来ており、部屋の気密性を実感しております。

これも全て、防音職人様に設計して頂いたおかげです。本当にありがとうございました。

防音工事の標準価格も教えてくださり、ありがとうございます。それに比べ、かなりの安価でとても質の良い防音室を造って下さって、本当に感謝しております。こちらこそ、一度も対面でのご挨拶を出来ないままで恐縮ですが、素晴らしいご縁を頂き、ありがとうございました。』

上記のように、昨年から緊急事態のため、施主(依頼者)とお会いする事ができず、すべてテレワークで業務を行いました。

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