見出し画像

白血病と移植

~冒頭~

私事ではありますが、2020年3月から白血病の治療を始めました。
そして同年8月に移植手術を予定しております。
白血病は血液のがんです。
「そんで何するの?」って思いません?
がん細胞をいなくなってもらわないと困ります。
そのため、化学療法や放射線治療などがありますが、
ここでは造血幹細胞移植を取り上げてみます。
というか自己勉強を含めて調べながら書いていきます。
どうぞ、お付き合いの程、宜しくお願い致します。

~なぜ移植が必要なのか?〜

血液細胞は、骨の中にある「骨髄」という組織でつくられます。
骨髄中には、すべての血液細胞の基になる「造血幹細胞」があります。
造血幹細胞は、骨髄の中で分化し一人前の機能を持った血液細胞に成熟したあと、血液中に送り出されます。
白血病に限らず、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などは血液癌の一種であり、造血幹細胞が血液細胞に枝分かれし成長する過程で、突発的な遺伝子異常や特殊なウイルス感染などが原因で、がん化(悪性化)したものです。
血液がんは一般的に他のがんに比べて、抗がん剤治療や放射線治療が聴きやすいとされますが、これらの治療だけでは疾患のタイプによって根治出来る可能性が低く、治癒する可能性を高める為に同種造血幹細胞移植を行った方が良い場合があります。

私の場合は、この疾患タイプです。初期の骨髄検査から再発の可能性が高い事がわかり、移植を前提とした化学療法を実施していきました。移植手術により根治を目指しています。

~移植の治療法と危険性~

造血幹細胞移植は自分自身の造血幹細胞を事前に採取し、前処置後に移植する自家移植と、ドナーさんから造血幹細胞を採取し、前処置後の患者に移植する同種移植というものがあります。
病気の根治を狙う非常に強力な治療法ではあるものの、強い副作用や合併症による死亡などの問題もありますが、それを上回るメリットを期待して行う治療法です。
その為、誰でも出来るわけではありません。
同種移植の場合は造血幹細胞を提供するドナーさんがいること。
患者自身に十分な体力があること。
高齢者でないこと(年齢の上限は病気や移植法により異なる)。
などが挙げられます。

~HLA(白血球のタイプ)~

血液型ってありますよね。
あれは赤血球のタイプです。
造血幹細胞のドナーさんを見つけれためには白血球のタイプ(HLA)が適合していれば移植が可能です。
なので、血液型が異なっていても可能性があります。
HLAはA座、B座、DR座の3座について、それぞれ両親から受け継いだ型が適合するかを調べます。(骨髄バンクからの移植C座も重要であることが分かっています。)
兄弟間でHLAが適合する確率は25%(一卵性双生児の場合は100%)
両親や親せきでは1%以下、他人同士では数百~数万人に1人の確率で適合すると考えられています。

ただし、医学の進歩もあり、HLAの一部不一致での移植に関しても対処療法が進んでおり実施されております。

~ドナーさんの探し方~

①患者の家族(特に兄弟)からHLAが適合する人を探します。
検査方法は血液検査などで調べます。

②ドナーが見つからない時には骨髄バンクを利用してドナーを探します。
日本骨髄バンクでは、ドナー候補者と患者との仲介を行っており、ドナーを探し始めてから移植するまで、おおよそ3~6カ月かかります。

~造血幹細胞移植の種類~

移植の種類は全て同じではありません。

・骨髄移植
以前から実施されている一般的な方法です。
ドナーさんは全身麻酔をかけられた後、うつぶせになり骨髄を採取します。
腰のあたりの、骨盤の後ろ側にある骨(腸骨)の中にある骨髄を採取します。
腸骨の色々な部位から何十回か採取して十分量を確保します。
おおよそ2~3時間かかります。
ドナーさんは採取後の痛みなど身体的負担が多くあります。

・末梢血管細胞移植
ドナーの末梢血から造血幹細胞を採取して移植する方法です。
ドナーに対して、G-CSFという白血球を増やす薬を投与すると、造血幹細胞が骨髄から血液中にあふれ出てきます。
静脈から血液を取り出して造血幹細胞を採取します。
残りの血液は体に戻します。十分な造血幹細胞が得られるまで、最長で3日間繰り返します。
ドナーさんにとってG-CSFの長期的な安全性が十分に確立されておらず、血小板の減少の危険性があります。
また、患者にとって合併症(慢性GVHD)の危険性が増加します。

・さい帯血移植
赤ちゃんの出産後に、へその緒や胎盤に含まれている造血幹細胞を採取して移植する方法です。
さい帯血は採取量が決まっている為、患者にとって十分な量を確保できない可能性があり、ドナーさんの負担はかかりませんが、患者にとっては、生着不全が多く、移植後生着するのが遅く、感染症の危険性が高いとされていますが、凍結保存が出来ることとHLAの不適合があっても重症な合併症(GVHD)が起こりにくいとされています。

~造血幹細胞移植の流れ~

・前処置
化学療法や放射線療法により悪性の血液細胞を極限まで減らします。
この時、正常な血液細胞も破壊されます。

・造血幹細胞移植
健康な造血幹細胞を点滴して移植します。

・生着と造血機能の回復
血管から骨髄に流れ着いた造血幹細胞は骨髄に生着し、やがて造血機能が回復します。
新たに作られた白血球は、前処置で減らしきれなかった病気の血液細胞と免疫力で戦います。

造血機能は数週間である程度回復しますが、自分の血が人の血に生まれ変わるということ。
その後、合併症が生じます。

~生着不全とGVHD~

生着不全とは移植した造血幹細胞が体に住みつかない合併症です。
移植後3~4週間たっても造血機能が回復しなかったり、いったん回復しても再び少なくなってしまった場合、生着不全とみなします。
生着不全を起こした場合、感染の予防とG-SCFの投与を行い、その後、再移植を検討します。

GVHDとは移植時に混入したドナーの白血球や、移植した造血幹細胞から分化・成熟した白血球が体を攻撃する合併症です。
GVHDには急性GVHD(移植3カ月以内に発症)と慢性GVHD(移植3カ月以降に発症)があり、各々の症状があります。

~末尾~

このほかにも晩期障害や再発の可能性などもあります。
私の場合、移植をしなければ再発の可能性はさらに高くなります。

自分が行われる治療と向き合う時に大事なことは
自分に対するメリットとデメリットを天秤にかけることです。

私は3歳と5歳の子どもがおり、成長をまだ見ていきたいと思っています。
妻は私以外の男性と簡単に再婚できるタイプではないでしょう。(のはず。。です。。、多分)
再発はせずに根治することを私自身が一番望んでおります。
なので、デメリットが勝ることはありませんでした。
病気と対抗する精神力があれば、現状の危険性と向き合い、
心身ともに戦う必要があります。
さてさて、治療がうまくいくでしょうか?
いきます、いきます。
信じる者は救われる。

そう自分に言い聞かせて締めさせて頂きます。