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チームワークが高まる話し合いの進めかた④-抵抗/摩擦の洗い出し-(伊藤)

こんにちは、SOUNDコーチ養成講座・講師の伊藤隆慶です。
(自己紹介はコチラ

本記事では、「SOUNDメソッド®」のSTEP4:Negative Checkによって、話し合いで決めるアクションの、実行性の高め方を説明します。
テーマは「抵抗/摩擦の洗い出し」です。

※「SOUNDメソッド®」は、以下の「S、O、U、N、D」の5つのステップで進めていく、話し合いの手法です。


「SOUNDメソッド®」の各ステップ
©Authentic Works inc.

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1.決まったアクションが進まない

STEP3:Understandで、ある程度のねらい目が見えてきたら、具体的なアクションが決まって順調に進みそうです。
ところが、難しいテーマであればあるほど、ねらい目への取り組み自体がチャレンジングであり、実際に進めていくとうまくいかず、アクションが実行されない、実行できないことがあります。
加えて、話し合いで見えてきたねらい目に対して、気がかりや気おくれを感じているメンバーがいる場合、いざ日常に戻るとそのメンバーの後ろ向きの姿勢や行動が取り組み自体を進めにくくすることもあります。

以下、アクションが実行されない時に、起きやすい要因の一例です。

  • 話し合いに出席していなかった役員や他部署のメンバーとの合意がとりつけられない

  • 取り組みを推進するメンバーが日常業務やトラブル対応に追われて、ずるずると着手できない状態が続く

  • 取り組みには賛成しているものの、取り組み自体の難易度が高いことでメンバーの腰が引けてしまいコミットメントが生まれない

会議やミーティングの後も、決まったアクションが実行されやすくするには、状況や環境、メンバーの内面で起こる阻害要因になりうることを洗い出しておく必要があります。

ここからは、理想の実現に向けたねらい目に対する、抵抗・摩擦の洗い出しの進めかたをご説明します。

2.進めかたの解説(STEP4:Negative Check)

「SOUNDメソッド®」の中では、4番目のステップとして、抵抗/摩擦の洗い出しを“Negative Check”としています。

(1)アクションを妨げる要素を洗い出す

理想の未来に向かうねらい目が見えてきたら、具体的なアクションを実践していくにあたり、気がかりとなること、予め考慮に入れ対処しておいた方が良いこと等について共有します。
理想の未来やそのねらい目を話し合ったことで自然に生じうる「前進しなければならぬ」というプレッシャーに対する心理的抵抗を緩和できるように、気がかりや思い煩いを共有することで、心理的安全性が高まるように働きかけます。
さらに、抵抗・摩擦要因を挙げて、その後のアクションを考える時に打つべき先手を盛り込むことで、アクションの精度を高め、先回りした対応が可能になるように促します。

(2)実際の事例

私がミーティングのファシリテーションを行う時に立ち会う場面として、STEP3:Understandの「構造とねらい目の見極め」を話している際に、消極的な意見やできない理由を話される人がいます。
話し合いの場が盛り上がっている中で、ともすれば、水をかけるように捉えられてもおかしくない状況です。
一方で、ネガティブや後ろ向きに聞こえる発言が、実は従来から考慮されていなかった、打ち手を妨げている要因の一つになっていることも少なくありません。

このような時は、一旦出された意見に対して議論せず、具体的なアクションを考える際に考慮しておきましょう、としてホワイトボード等にメモしておきます。
単に後ろ向きの発言として捉えるのではなく「出てきた内容をクリア、考慮すれば、アクションが実行しやすくなる」といったような、新たな観点を話し合いのメンバーに提示していきます。
そして「抵抗/摩擦の洗い出し」のステップに移ってから、他に考慮した方が良いことはないかを含めて洗い出すようにします。

(3)“Negative Check”で注目する観点

“Negative Check”は、別記事の“Status”と異なり、個人のバラバラな観点からの気がかりや問題意識ではなく、私たちが理想としている未来に向けたねらい目に対して、より行動や変化を進める観点から考えられる抵抗や摩擦の要因を話し合います。

【参考】STEP1:Statusの解説

同時に、この場はネガティブな話も含めて話せるという心理的安全性と、自身も一歩踏み出して取り組もうとする当事者意識が高まることを意識します。

3.まとめ

本記事では、SOUNDメソッドのSTEP4:Negative Checkによる、話し合いの進めかたを説明しました。
実践のポイントは以下の3つです。

  1. ネガティブな意見を出せる余地を残して乗り切れないメンバーの当事者意識を高めるようにする

  2. 理想の未来に向けた取り組みに対する抵抗・摩擦要因であることを意識する

  3. 現実的に打つべき先手を盛り込むことでアクションの精度を高めていく(次のSTEP5:Driveに続く)

今回の記事は以上です。
チームで話し合われたアクションが実行されない、継続されないことが繰り返されている際に、ぜひ活用してみてください。

4.参考リンク

話し合いをサポートするツールや、より深く学びたい方は、あわせてコチラもご覧ください。

《SOUNDカードWEBページ》
https://www.soundmethod.jp/

《SOUNDカードのメディア紹介》
『カンニング竹山の一番研究所(2024年1月20日放送回)』
https://www.youtube.com/watch?v=e8-hApeMi1o&list=LL&index=2

《SOUNDコーチ養成講座(初級編)》
https://www.authentic-a.com/sound-coach-basic

《SOUNDコーチ養成講座イントロセッション》
https://www.authentic-a.com/sound-coach-intro

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