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己を知りたいなら友人に3000円分本を買ってもらえ


願望

全人類共通の欲望から失礼します、相馬遊馬といいます

自分自身を完全に支配下に置きたくないですか?
ままならないことばかりのこの世界、せめて自分ぐらい自分の思い通りになってほしいというのは“自分”を持つ全てのものの願いでしょう

しかし自分は自分の思い通りにならない
思い通りに動かせるなら今頃就職していたし、今も真面目に就職活動をしている
この記事もオモコロ杯の締め切り当日23時に書いているようなことにはならなかったはずです


何故思い通りにならないのか
それは「己を知らない」から


何かを思い通りに動かすためには、まずそれ自身を知ることが重要と言います 自分にしたってそうに違いありません

なら「己を知る」ためにはどうすればいいのか
本日は皆さんに「己を知る」ための画期的な方法をご提案します



本日の主張

突然このような提案をされても信じる気にはならないと思うので、
まず、この提案を思いつくに至った経緯をお話しします



調べてみると考えていたものと違ったけれど気にせず続けていきます
道徳か倫理か何かの授業でやった記憶がうっすら

自己分析なんかに使われる「ジョハリの窓」において、自己は4つに分類されています
右側二つが「自分の知らない自分」なわけですが、いきなり全てを知ろうとするのはいやしんぼ
今回知ろうとしているのは右上「他人は知っているが自分は知らない自分」です

ならそれを知るために何故「友達に本を選んでもらう」のかと言えば、
きっかけになったのはこのようなツイート



Twitterを長くやっている皆なら一度は見たことのある内容のツイート

「本棚を見るとその人が分かる」
Twitter上で手を変え品を変え何度も言われているこの主張を採用し、更に一歩踏み込みます

本棚→自分 と接続するのなら、
自分の選ぶ本→自分 とも言える

それなら、
他人が自分のために選んだ本→その人の見ている自分 と言えます!
完璧な理論ですね

幾ら完璧な理論といっても実例を見なければ皆さん納得できないと思います

今回は私自身を対象に、それぞれ私の違う面を見ているだろう他人
――もとい、友達3人に「3000円で本を選んで欲しい」と頼んでみました
3000円という値段には何の根拠もないです。何となくキリがいいからというだけで決めました (なんで3000円ってキリがいい扱いされているのだろう?)


というわけでさっそくやっていきたいと思います!!!




友人Aの場合

友人Aの紹介

まず先陣を切るのは友人A!
Aは今回参加してくれた友人のなかで一番付き合いが長いので、私のことを良く知っているはず!
これは期待が持てますね

地下1階から地上7階まで全部本屋

そして今回舞台となるのは西日本で一番クソデカと言われている書店
MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
これなら「思っていた本があったけどなかった……」なんてことも起こらないはず!

Aはどんな本を選んでくれるのでしょうか!


颯爽と本屋へ向かうA
思ったより早かった
颯爽と本屋から出てくるA

出てきました
見えづらいですがその手にはしっかりとジュンク堂の袋が握られています

A:2冊買ったけど、いいほうと悪いほうどっちから聞きたい?
私:洋画エアプ?
A:じゃあ傷つくほうと癒されるほうどっちがいい?
私:私の渡した3000円で私を傷つけようとしないでほしい
A:じゃあ傷つくほうからで



傷つくほう

A:コミュニケーション能力を付けたほうがいいと思う
私:傷ついた
A:いやほんとにどうにかしたほうがいいよ 社会に出よう
私:面白みとか何もなくただ傷ついたな 傷つき損だな
A:ではそんな傷ついた貴方にこちら



癒されるほう

A:傷ついた心をこれで癒しつつ、これでイラスト練習して私の使いやすいLINEスタンプ作って
私:汝の欲?

A:文庫コーナーに行ったら思惑通りだなと思って行かなかった
私:なんで仮想私と戦ってるんだ?



Aの選んだ本

というわけでサウナのような選書でした 整ってはいませんが

この選書からは私の傷ついているところを見たい、便利なLINEスタンプが欲しいというAの欲しか見えてこないような気もしますが、私の理論が間違えているわけないので気のせいだと思います
コミュニケーション能力がないというのは既に自分も知っているところとなりますので、今回の趣旨とは外れますが、惜しいところを行っていますし、方向性としては間違っていません


分かりやすい結果は出ませんでしたが、これも貴重なデータ
全ての結果が出た後、見返して分かることもあるでしょう
友人A、ありがとうございます

では、気をとりなおして次に行こうと思います!




友人Bの場合

友人Bの紹介

続きましては友人Bになります
文学部出身の日本文学好きということで、その選書能力にはかなり期待が持てます ワクワクですね


渡した3000円を生のまま持っていく友人B

ちなみに舞台は近所の本屋です。
無職やってると外に出るのが億劫で仕方ない……本当に……


その間私は漫画コーナーの試し読みを読みつくしていました
出てきた

B:ごめんまだ一冊も決まってない 一旦休憩していい?
私:なるほどね……(どう反応すればいいか分からないときの相槌)


というわけで休憩に入りました
思いがけず紹介文の「遅刻前提で動く」に説得力が増すことになりましたが、これもまた一興


これはおいしかった昼ご飯

無職のくせに+100円で卵かけご飯にしました 許せ



昼食前より覚悟の決まった背中

一時間ほど休憩して再チャレンジ
駐車場の無料時間の問題などもあるので、あと一時間程度で決めてもらえるとありがたいと思いながらその背中を見送ります


ギリギリでいつも生きていたい そうだろ?


買った本を生のまま持って出てくる友人B

B:お待たせしました
私:お疲れ様です では拝見


B:これで私にお菓子作って
私:汝の欲?
B:それで次は……


谷崎潤一郎/細雪(上):https://sp.shop.tsutaya.co.jp/book/product/9784101005126/
若草物語はリンク、細雪は代替テキストのほうにリンクを載せています

B:お菓子と言えば姉妹
私:論理が飛躍してない?
B:入口が児童コーナーだったから一冊は児童書を買いたかったんだよね

ほんとだドラえもんがいる

私:え? じゃあ結局入ったところから順番に本選んできたの?
B:そうだけど

約2時間悩んでやけっぱちになっている気配がしますが、最後の一冊の紹介です


私:……これもお菓子繋がり?
友人B:いや、今日ずっと「スタバのバナナシェイク飲みたい」って言ってたから
私:何気ない発言を伏線にされてしまった

Aの前例があったため害意を疑ってしまいましたが、そんなことはなかった 有難い話です

友人Bの選んだ本

Aのときよりも更に「私」から離れていったような気もしますが、私の理論が間違えているわけがないので、多分後で見返したら全てがつながるようになっているのだと思います 多分
友人B、ありがとうございました


予算は3000円

あと帰ってからレジ袋に入っていたレシート確認したらハチャメチャに予算オーバーだったので今度会ったときお金渡します ありがとね


それでは遂に最後の一人!
元気をだして行きましょう! 




友人Cの場合

友人Cの紹介

友人Cは都合が合わなかったため宅配での参加になります
オモコロチャンネルを私に勧めたエピソードからも分かるように、非常にセンスのいい人物 これは期待が持てますね ドキドキです

ではさっそく届いた箱を開けていこうと思います

企画を説明した2日後に届いた

デカくね?


デカいカッターナイフと比べてもこの大きさ

これ本当に本が入っているのでしょうか
異様に軽いこともあり、不審物を送られた可能性が脳裏を過ります


……あ!




やりやがった!!!
なるほどこうきましたか(どう反応すればいいか分からないときの相槌)

考えてみれば3年ほど前に「マジックできるようになりたい」なんて話をした覚えがあります 私のことを考えての選書には違いありません
何気ない会話を覚えてもらっている、これほど嬉しいことはないじゃありませんか やったね



ハローキティ好きって話をした覚えはないぞ!!!!!
ちっこいがま口ってこの年になるとびっくりするぐらい使い道が思い浮かばないね 何?



は~~~ん、なるほど(どう反応すればいいか分からないときの相槌)

ミステリが好きという話をした覚えはあるので、これを機に見るのもよいよということでしょうか 普通に嬉しくて太字にするところもありません

しかし、どれも一冊だけでも楽しめるものを選んでくれているところから
細やかな気遣いが見えますね
やんちゃするところはやんちゃする、しないところはしない
人間性の見える選書です



話がちげぇじゃん!!!
ムーミンのピースしか作れないのか……と思ってよく見たらムーミンのピースを作るだけでも3号まで必要らしい ひどい話だ

まあ、スターターキットということもあり、針が3本ついていますし、布は布に違いないので、使い道はあります うん
全く使えないものは送らない そんな細やかな気遣いが見えますね



これに関してはマジで感情がない。
私と電車の接点が通学に使っていたことと幼馴染が鉄オタだったことしかない。
中学卒業以来幼馴染とも接点がないし
幼馴染は(多分)乗り鉄で、部活関係(同じ部活だった)で遊びに行ったときに
全員に「静かにして」と言い放ち携帯で走行音とアナウンスを録ろうとしていた
全員で音を出して邪魔した
あのときはごめん
でもあのときはあれ以外できなかった
それはきっとお互いにだ
双方の中学生特有の何かしらがぶつかり合っていて火花を散らしていた
もし、今同じ状況に置かれたら
私も気を使って離れるだろうし、
君も鉄道に全く興味のない人たちと行動を共にしているときに
日常的に使っている電車の音を録ることはないだろう
どうだい? 少なくとも私はそう変わった
変えられた、と言っていいかもしれない
これは成長だろうか
ともかく今の私はこうある
その事実だけがある


次が最後の一冊のようです!
何だかんだ言って全く使い道のないものはなかったので、これをどう活かすかは私次第ということでしょうか



え?

は?

こういうのって普通創刊号はそれだけでも分かる部分が付録だろ?
どこだよこれ?

何?

1690×1.1×(110−1)=202,631(円)

やりやがったな!!!!!!!!
お前絶対“オチ”を担おうとしてるだろ!!!!!!!!!!!
コラ!!!!!!!!!!!!!お望み通りにしてやったぞコラ!!!!!!!!!!

Cに意図を問いただしてみたところ、オチになりたかったと白状しました だろうな

他にも、

  • 新しい趣味を見つけて欲しかった

  • 全く知らない・興味のない趣味の本が送られてきたらどうなるのか知りたかった

  • 創刊号だけいっぱい買ってみたかった

  • DVDやグッズなどがついてお得だと思った

という理由が送られてきました。C、若干私のこと叩くと音が出るおもちゃだと思ってない?


友人Cの選んだ本

というわけで、ディアゴスティーニ創刊号6種セットでした
物は手に入りましたが、反面虚無を手にしたような気もします
友人C、ありがとうございました

計算してみたのですが、残り全てを集めるには835,861円かかるようです



本についていたメッセージ

せっかくのメッセージなので画像をつくりました



何故湘南美容外科クリニック?




まとめ

というわけで全てが出そろったわけですが、ここから「他人は知っているが自分は知らない自分」が分かるということで えー……どうしよう……



取り敢えず主観に基づいて本を分類してみました
ここから分かる「他人は知っているが自分は知らない自分」

それは……




なんか作ってる人

なんか作っている人だと言うことです
また、この作るものの一貫性のなさからは、自分が芯の定まってない人間だということが分かります

完璧な他己分析ですね!




いかがでしたでしょうか?
上記実例も踏まえて、友達に本を選んでもらえば己が分かるという提案の正しさがより伝わったと思います

この方法を使えば、自分を直視したくないがしなければいけないという人も少し遠回りで自分を見れますし、純粋に友達に本を選んでもらえるのは嬉しいです 友達の時間のなかに自分のことを考えている時間があるっていいよね!

更に、同じ行動を複数人にとってもらうことで、友達自身を知ることに繋がったのではないでしょうか

皆さんもやってみるといいと思います

友達がいない人はごめんね!

それではさようなら


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