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私の中の柔らかい場所 13

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午後の日差しが傾きかけた頃に、モハメドが迎えに来た。

4駆の車で、砂漠の少し奥の方まで行くことになった。

昨日とはまた違った景色が眼前に広がっている。

見る限り砂だ。

仮にここで車を降りて歩いたとしたら、絶対生きては帰って来れないだろうな

なんて事を考えていた。

砂丘を何度も乗り越えて、車が停まった。

車を降りると、モハメドは薄手の絨毯を敷いて、

私に座る様に促した。

本当に遠くまできたものだなーと思いながら、

カメラのシャッターをきった。

気が済むまで写真を撮ると、カメラバッグにカメラを閉まった。

サハラ砂漠の細かな砂が入ると、精密機械に悪影響がある。

この機種はもう廃盤なので、砂漠ではカバーを付けて丁寧に扱っている。

モハメドはその様子を見届けると、当たり前の様に唇を重ねてきた。

思わず周りを見渡したが、勿論他に人はいなかった。

あっ、私達はそんな関係だったんだ。

改めてそれを実感した。

昨晩の夢の様な出来事は、やはり夢じゃなかった。

熱に浮かされた頭は余計な事を考えられず、

リヤドでプールサイドでうたた寝していた続きの様に、私はただ心地良さに身を任せた。

そしてただ自分の身体の感覚だけに集中していた。

彼の唇の感触に思わず吐息が漏れ、しかし頭では昨日彼とどんな事をしたか必死で思い出そうとしていた。

それを遮るかの様に、モハメドは

「I'm so hot 」と言い心地いい荒々しさで

私の身体に重なってきた。

すごく不思議な感覚だ。

彼の荒々しさも自然に受け止めてしまえるのだ。

数週間前までは、会ったことも無い私達なのに。

自分の要求がそのまま、モハメドの身体を通して

体現されてるのだ。

まるで私達は違う人間では無いかの様に、私の欲しいものを彼が与えてくれた。

自分の欲することが簡単に現実になっている。

夢か現実か分からないまま。

沈みゆく太陽が私達をオレンジ色に染めた。

砂丘と砂丘の丁度谷になっている場所に移動した。

自分の身体だかモハメドの身体だか分からない位に、私達は重なり解け合った。

大きな太陽が沈んでいく

少しずつ影が柔らかく

私達を更に柔らかく包み、一つにしていった。



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残り12日、、、段々緊張してきました。。。

現在108人の方にご支援頂いております。

ありがとうございます‼️

現在観光業に大打撃のモロッコ・サハラ砂漠‼️

一年以上収入ゼロ、国からの支援金一切無し

観光用のラクダが食肉に‼️

仕方なくラクダを売っているキャメルマンも多く、売る人が多いのでラクダ一頭の価値も下がってしまっています。

観光業がほぼ瀕死の状況からラクダの餌代を捻出するのが大変なので、多くのキャメルマンはサハラ砂漠をラクダの餌になる草などを求めて探し回っているとの事。
生まれた時から育てたラクダを手放す事、やはりラクダを売る事は彼らにとって出来るだけ避けたい選択肢の一つです。

去年、今年と降雨量は少なく砂漠の草も例年に比べるととても少ないです。
これから灼熱の砂漠は昼間は50度にもなります。

可能な限り多くのラクダとベルベル人を救う為に、皆様のご支援、応援、広報を引き続きよろしくお願いします🤲

https://readyfor.jp/projects/rakuda-help61670


#クラウドファンディング
#サハラ砂漠を救え
#savetourism
#ラクダ








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