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私の中の柔らかい場所 1

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あの肌がジリジリと焼かれるような太陽も
昼間の熱を蓄えた暖かく包容力を持つ砂のきめ細かさも
私の内側の柔らかい場所を押し広げる様に貫きやがて奥まで到達するあの感覚も

全てが遠い記憶の中にありながら、私の身体にしっかりとその感覚は刻み込まれ、時々私の中を狂おしくかき乱してどうにも困らせるのだ。


20数時間、ほぼ1日をかけてカサブランカに到着した。

今まで脳内になんとなく思い描いてきた広大な砂漠の地に向かい、今回やっと降り立つ事ができた。


油断すると眠気でふっと意識が飛びそうになりながら、ターンテーブルを囲む人々がなるべく少ない場所で、ふらつく足に力を入れ仁王達になった。
軽い目眩を感じながらも自分のスーツケースが出てくるまで目を凝らした。


ぽつぽつと日本人らしき人が数名いた。
若い女性の2人組。

一人旅らしい明らかに旅慣れた風情の30代位の男性。

こんな遠い場所でも、日本人を見るとなんだか安心する。

これから一緒に行動を共にするわけでは無いのに。


割と早めに自分のスーツケースが出てきたので、その日本人達より先に荷物を手にして最後のセキュリティチェックの列に並んだ。


夢に見たモロッコなのに、あぁこれから旅がはじまってしまうんだ、、、と少し不安になった。




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