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映画レビュー#1『どん底作家の人生に幸あれ! 』~The personal history of David Copperfield~

長い間温めていた映画『どん底作家の人生に幸あれ!』やっと見ました。
公開当初から予告でその映画の世界観のカラフルさが際立っていたのでいつか見たいとは思っていた映画の一つでしたが、いざ見始めると、なかなかストーリーが頭に入ってこず、一旦、鑑賞中断したりの繰り返し!
なぜ頭に入って来なかったかという言い訳を言わせてもらいますと、この物語は19世紀の英国を生きていた文豪、ディケンズの小説だということだけ知っていました。(当の小説は読んでおりませんが。)
しかし、主人公のコパフィールドが、映画『スラムドック$ミリオネア』から活躍が目まぐるしいインド系のデヴ・パテルの登場で、「コパフィールドってインド系移民のお話なの?父親がインドの人?」と真面目に考えてしまし、ストーリーより、頭の中は疑問だらけになってしまったのです。
そして次々に出てくる登場人物も様々な人種が混ざっているので混乱。。。自分の頭の固さが露わになりました。
しかし、やはりその映像の世界観は私好みでした。
19世紀の品が良くて、手の込んだ洋服を身につけている登場人物たち、浜辺には逆さにした船がファンタジー溢れるお家になっていたり、使われている小物、食器もそれぞれカラフルだったり、味があるものばかり、登場する俳優たちのコミカルな演技にも惹きつけられます。そして緑の草原のシーンなどは太陽の光の当たり具合が心地よい。
そんな映像美に惹かれて見取れていたので、今度は登場人物のセリフなど聞いてない状態です。。なので物語も頭に入っていない(^_^;)
そんなこんなで少しずつ、休み休み鑑賞しておりました。
そしてついに物語の終盤になってくると、なんとなく、この映画の要領がわかってきたのかもしれません。
それからのラストシーン!「この映画大好き!」って思いました。
安心感と爽快感で目元、口元が優しくなりました。デイヴィット・コパフィールドの成長物語ですが、まだ小さい時に継父から家を追い出され、一人でロンドンへ行って瓶工場で働かされてたりしましたが、多くの人との出会い、経験を積みます。「終わり良ければ全て良し!」そう感じさせてくれる優しくてコメディ要素の多い映画ってそうそうないのでは?と思いましたね。
それまでぼーっと鑑賞していましたので、改めて始めから再鑑賞。
そしたら登場人物たちの動きもセリフも味のあることあること。
ぼーっと見ていたので全く気付かなかったようです。
それからは何度見ても楽しい映画です。何しろ、映像美に登場人物の魅力、セリフ、バックを流れるオーケストラの音楽、全てが完璧に私好みだと思いました。
中でも際立って好きなのは個性溢れるセリフですね。
どうしたらそんな奇想天外な面白いこと思い浮かんで言えるんだ?って思っちゃいます。個人的にはロンドンの下宿先のミコーバー夫人は登場もセリフも少ないほうでしたが、一言一言に面白みがあると感じました。
そして主人公が子供の頃から大切に集めている比喩や言葉たちがこの映画の要でもありますが、ディケンズの小説では登場人物たちはそれぞれ、どんなセリフを言っているのなのか確かめてみたくなりました。しかし、文庫本で4巻ほど続く小説です。
映画ならではのコミカルな要素も強いかもしれませんが、小説の中の言葉から想像を広げて、コミカルなセリフにしているのかと想像します。
脚本、映画監督でもあるアーマンド・イアヌッチさんのお名前聞くのは初めてでしたが、ぜひ他の作品も観賞させていただきたいと思います。
ちょっと元気ない時に見ても力を取り戻させてくれる映画ではないでしょうか。見れば見るほど細かい演出にも気が付き、新しい発見がある。まさに噛めば噛むほど味が出る映画でした!
ありがとございました!!


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