商工会議所LOBO調査の結果(2024年7月)
2024年7月に実施された日本商工会議所のLOBO調査によると、全産業における景況判断指数(DI)は前月比▲0.1ポイントの▲16.3となり、全体的に横ばいとなりました。以下に各業界の景気動向をまとめます。
なお、詳細は、こちらをご参照ください。
1. 全産業の業況
全産業DI: -16.3(前月比-0.1ポイント)
消費の低迷とコストの増加が続き、業況は横ばいとなりました。先行きの見通しDIは-15.4と、慎重な見方が続いています。
2. 業種別の動向
建設業:
公共工事の堅調な推移が見られる一方で、民間工事の受注は不振が続いており、コスト増による厳しい状況が続いています。
DI値: 前月比改善(売上DI: -2.7)
製造業:
物価高や円安の影響により、企業の設備投資意欲が減退し、特に機械器具関係で悪化が見られました。
DI値: 前月比悪化(売上DI: -7.3)
卸売業:
食料品や日用品に対する需要減少や輸送費の上昇により、業況が弱含んでいます。
DI値: 前月比ほぼ横ばい(売上DI: -12.9)
小売業:
インバウンド需要に支えられ、百貨店では売上が好調でしたが、物価高による消費意欲の低迷が続き、全体としては力強さに欠けました。
DI値: 前月比悪化(売上DI: -12.2)
サービス業:
宿泊業は堅調に推移しているものの、生活関連サービスでは需要の伸び悩みが見られました。
DI値: 前月比悪化(売上DI: -6.9)
3. 地域別の動向
東北ブロック:
インバウンド需要が百貨店の売上を押し上げ、業況が改善しました。
北陸信越ブロック:
長引く物価高による消費意欲の低迷が続き、飲食店や卸売業で売上・採算が悪化しました。
関東ブロック:
公共工事が堅調に推移したものの、食料品関係での売上減少が影響し、全体的には横ばいとなりました。
関西ブロック:
物価高や国内観光需要の一服感により、飲食店などで業況が悪化しました。
九州ブロック:
建設業では受注減少が続きましたが、小売業ではインバウンド需要に支えられ、売上・採算が改善しました。
まとめ
全体として、コスト増の影響が各業界に広がり、景況感が依然として厳しい状況が続いています。各地域や業界によって明暗が分かれつつも、全体的には慎重な見通しが示されました。
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