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分☆析★白書 ~オレみたいになるな!しくじった事業の分析編~vol.3

第1部 コインランドリー

売上予測分析とデータ分析のために重要なこととは?の巻

Ωあらすじ

2017~2020年の間にコインランドリー店舗をオープンした。
しかし、2020年7月に撤退。
保有しているデータで分析したものの、
たいした分析ができないでいた。
データアナリスト視点からの分析に必要なこととは?

Ω今も運営していたら? 売上予測!

シンプルに回帰分析で売上予測してみます。

(★Dr.Sのためになる統計学入門)
  ☞線形回帰モデルとは、
   説明変数✗と目的変数yの間に
   y=f⒳の関数を当てはめる。
   直線で説明変数✗と目的変数yの
   値が最小になるようにする。(最小二乗法
   ※くわしく知りたい方はこちら→
    https://bellcurve.jp/statistics/course/9700.html

降水日数を説明変数とした単回帰分析

降水日数だけの単回帰分析だと
当てはまりがワルい。
決定係数が10%台では説明力がなさすぎる。。。

降水日数×気温を説明変数とした重回帰分析

気温の説明変数をくわえたら
説明力は約40%に。

売上=42063+4714×(降水日数)+(-1157)×(気温)+誤差

気象庁が発表する天気予報の数値をもとに
上記の式で売上予測が可能になった。

他の天気に関する変数でも回帰分析をしてみたが、
ほとんど決定係数の違いはなかった。

気温や降水日数、降水量など
気象データをもとに分析してみたが、
コインランドリー利用の要因にはなっているが
他にもありそうだ。

今回のデータ分析では
説明変数=気象データのみ。

悪魔の実のロギア系の能力か、
天候をも左右する斬魄刀で卍解するしか
売上をコントロールできない。( ノД`)

Ω分析のためのデータ獲得設計の重要性

もしvol.1からご覧になっていただいているなら、
すでにおわかりかと思いますが、
データ分析をするには
必要なデータを取得しないといけません。

つまり、
分析したいことを目的として設定し、
そのための獲得設計をすることが重要です。

画像は総務省統計局より

・1日あたりの売上
・来店人数
・ひとりあたりの購入数
・広告効果測定のための設計(店舗ごとに差があるのかetc)
・値引きによる販売個数の効果測定

など、展開されているビジネスによって
多岐にわたるかと思いますが、
事前/事後の効果検証の設計は非常に重要だと
統計学を通じて痛感しました。

Ωしくじり要因

くわしくは下記にて

【その1 事前調査不足】

出店しようと思った地域、商圏を
事前に無作為抽出で
コインランドリーの利用状況や利用する動機など
母比率の推定をすべきだった。

商圏は限られていることから、
超幾何分布、
負の二項分布(NBDモデル)

消費者個人の分布はポアソン分布
年間売上・利用回数を推測。

投資額の調整や得られたデータから
広告宣伝の戦術など細かい対策ができただろう。

予算は限られているが、ここはマストだった、、
当時事業計画の根拠にしたのは、
他社がまとめた2次、3次データ

このようなデータを安易に、
確証バイアスの状態で参考にしてしまった。

(★Dr.Sのためになる統計学入門)
  ☞確証バイアスとは、
   自分の仮説や信念に合う
   情報ばかり集め、矛盾したりする情報は無視、
   集めようとしない心理学的傾向。

  ☞チェリーピッキング
   自説や組織の決定を正当化するために
   都合のいいデータ・事象を集めること

【その2 初期投資額】

洗濯・乾燥器などの機械類は
すべて新品でそろえた。
※おもに日本では、
 AQUA(旧SANYO)/TOSEI/Yamamoto
 Speed Queen(米製)/DEXTER(米製)
 ELECTROLUX(スウェーデン)
 この6社のいずれかがコインランドリーに
 導入されている。

ここを8割近く中古品で揃えられたら、
・初期投資の機械類投資を減らせる
・事前調査や定点観測調査の費用捻出
・追加の運営費用
を賄えただろう。

【その3 設置機器の種類】

これまでの分析内容から
布団なども洗える大型洗濯機器
あと数台導入すべきだった。

初期投資の内訳で中古品を中心に準備すれば
導入は可能だった。
天気要因以外でコインランドリー利用を喚起する
(アンケートで回答してもらった利用者層以外
 に利用してもらうため)

【その4 データ計測投資】

コインランドリーはかなりアナログ店舗。
基本は現金だし、無人店舗だし、
POSレジのような機能は
洗濯機器にはない。
※今は後付けで、電子決済(paypay/Suicaなど)
 できるみたいです。

また、来店人数や一人当たりの客単価も把握しづらい。

このような消費者行動情報は、
データ分析には必須データなので
なんとか取得したいところ。

いまは防犯カメラAI(画像認識)で
性別・年齢層識別もできる
優秀なサービスも多くあるため、
利用金額の範囲内で活用したいところ。

ψ番外編ψ ~やろうとしていた構想~

コインランドリー事業では
単体で売上をあげていき、
採算取れるようになったら
店舗を増やしていき、
商圏シェアを拡大していこうと考えていた。

ただ、コインランドリーだけでは、
競合店舗と比較された場合(消費者から)
店舗の独自性を確立するのはむずかしい。

●洗濯機器の性能差はほとんどない
●店舗内装をオシャレにしても(カフェっぽい内装)
 投資対効果に見合うかが予測できない

つまり、benefit(消費者に対する便益)に
大きな差は生じない。

そこで、コインランドリーを利用して
待っている時間を有効活用して
有意義な時間を過ごしてもらえるような
オフラインマッチングサービス
を構想していた。

オフラインマッチングサービス構想
オフラインマッチングサービス 利用イメージ

コインランドリー店舗に独自性を持たせ、
『そのお店でしか受けられないサービス』
『地域の消費者ニーズに合わせたサービス』

1店舗当たりの商圏、消費者が限られるからこそ、
・リピート率
・1人あたりの顧客単価の向上
・地域活性化への貢献
などに繋がり、
独自性のあるコインランドリーとして
ブランドエクイティを確立できるのでは?と構想。

道半ばでしたが、
コインランドリー事業を通して
やってみたかったことです。

次回、第1部コインランドリー 最終回
今コインランドリー事業へ参入するなら、
どう考えて、なにをする??
の巻
ダテにしくじりしてねーぜ!

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