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葬儀費用は確定申告できる??葬儀費用の確定申告についての記事

家族または親族がなくなった場合、お通夜や告別式、火葬や納骨など一連の葬儀を行います。近年では少子高齢化に伴い、葬式自体も簡素化しており昔のように派手な葬式は行われなくなりました。

ですが、葬式を行う場合手続きなどの費用がかさむことが多く、しかもゆっくりと考える暇がないため、気が付くと莫大な金額がかかってしまうこともあります。

さらに故人に遺産がある場合、相続する人にはすべて相続税がかかってきます。葬式代に加えて相続税がかかってしまうと精神的な負担のほかに金額的な負担も増してしまい、不安に思うこともあります。

ですが、場合によっては確定申告によっていくらかの控除を受けることが可能になります。

この確定申告の場合、医療費控除のように一般的に2月ごろから行われるものではなく、相続税に対しての確定申告になります。

相続をした場合、その金額に応じて税金を支払う義務がありますが、葬式において必要不可欠な経費に関しては控除されることが多く、この控除は葬式の費用を支払った人が受けることができます。

もし遺産を相続した人が4人いた場合、この4人すべてが葬式代を折半とし、それぞれ葬式代を支払った場合は4人全員が相続税から控除されます。

なお相続税の確定申告の場合期限が設けられており、相続が発生をしてから10ヶ月以内と定められています。

そのため通常の申告の時期に葬式に関しての申告をまとめて行うことはできません。

意外と葬式を執り行うと忙しさから日にちが経ってしまい、申告をするのを忘れてしまうことがありますが、このようなことが起こらないようにするには、しっかりと記録をすること、さらにレシートや領収書を丁寧に保管しておくことが大切になります。

控除に関しては、葬式すべてが控除の対象となるわけではなく、対象外となるものもあります。

間違えやすいのが香典返しと会葬御礼品の扱いであり、会葬御礼品は対象となりますが、香典返しの場合は対象から外れてしまいます。

同じ意味合いを持つものではありますが、相続税の取り決めによってきめられていることであるので、間違えないようにしなくてはなりません。

なお参列した方からいただいた香典は課税対象とはならないので控除の対象外となり、葬式にかかった費用から香典の合計額を差し引き、余った分を遺族で分配したとしても問題はないです。

トラブルを防ぎスムーズに申告するためにも、葬儀にどのくらいの費用がかかったのか、だれが負担をしたのか、香典はいくらだったのかを明確に整理しておくようにします。

葬儀費用の相場はどれくらい??

葬式に関する費用に関しては、地域差や故人の社会的立場、故人や遺族の考え方によって異なってきます。

葬儀に関しての費用の総額は全国平均で130万円程度となり、年々下がってきている傾向があります。

これは家族のみで行う家族葬が浸透してきていること、葬式を行う際に葬儀会社にすべて任せるのではなく、自分で決めて深く検討する人が増えてきていることがあげられます。

終活が注目されたことも影響しており、より自分らしい最後を迎えたいと生前から計画している人もいます。

なお、費用の相場は地域差が大変大きく、2019年に葬祭関係の会社が調べたところ最も多くかかったのが北関東で160万円、最も少ないのが沖縄で80万円となっています。

中部地方も昔から盛大に行う傾向がありますが、158万円と北関東とさほど変わりはありません。

県においては最も高いのが石川県で182万円、最も安いのが沖縄県で80万円でした。

葬儀に関しての費用はどういった形式で行うかによっても異なります。

葬式には一般葬や家族葬、一日葬や直葬などの4つの形式があり、一般的な葬儀である一般葬においては全国平均で165万円となっています。

おおよそ100万円前後ほどかけた人が多く参列者の数によって差が生じているのが現状です。

家族葬に関しては本当に親しい人のみで行いますが、全国的に見て113万円ほどと一般的なものと比べて大差はありません。

安い人で50万円ほどであり100万円未満の人が40%を占めているので、若干抑えられています。

これは参列者が少なく飲食に伴う金額が減少していること、会場自体も小さくて済み、葬祭会社のスタッフの人員もさほど必要ないということが関係しているためですが、逆に香典なども少ないため持ち出す分の金額は多くなる傾向があります。

一日葬はお通夜を省いてしまい、葬儀や告別式、火葬までを1日で行ってしまう方法です。

この場合においても家族など親しい人のみで行われており、費用は57万円ほどであり、一日葬を行った人の半分以上は50万円未満でした。

さらに直葬の場合はお通夜や告別式、を省略してしまい、火葬のみを行う方法であるので30万円前後となっており、ほとんどの人が50万円以下です。

これはすべての葬式の行事を会場を使用して行わないこと、それに伴い飲食や接待費、会場費や寺院などに支払う料金が発生しないことが理由としてあげられます。

確定申告を行ったとしてもさほど控除されないので、どのくらいの料金をかけたらよいのかを考えることが大切です。

葬儀費用は確定申告できる??

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葬儀費用は確定申告をすることによって相続税から控除されることがあります。

ただしすべてのかかったものについて控除することができるのではなく、葬式を執り行うのに際して、どうしても必要なもののみとなります。

具体的にはお通夜や告別式においてかかった料金や通夜振る舞いやお斎など会食料金、寺院に支払うことが多いお布施や戒名料、お車代、火葬や埋葬を行う上でかかったものや遺体の搬送料、医師によって発行される死亡診断書の発行手数料、葬式において参列もしくはお焼香に来てくださった方へお渡しする会葬御礼品、お手伝いをしてくれた人への御心づけなどが該当します。

通夜振る舞いやお斎などの会食に関しては、食事だけでなくお茶などの飲み物やお菓子の費用も含まれます。

これらのものはどのお店で購入しても対象となっており、コンビニエンスストアで購入しても大丈夫です。金額が意外とかかるのが寺院に対してものであり、読経やお布施、お車代や御膳料、お寺の本堂で葬式が執り行われた場合は利用料などがかかります。

遺体の搬送に関しては個人で行うこともありますが、葬儀会社から火葬場までの搬送に料金が発生します。

互助会などにあらかじめ入っている場合は全て料金の中に含まれていることが多いので、確認をすることが大切です。遺体の搬送、安置に関しても葬式前に行うことではありますが、必要不可欠なことであるため控除対象となります。

これらを費用としてみなすには領収書やレシートが必要となりますが、寺院にお支払するお布施やお車代、さらにお手伝いをしてくださった方へのお心づけの場合はお渡しする際に領収書などは発行されません。

このような場合はノートなどにいつ、誰に、どのくらいのものをお心づけとして渡したのかを記すようにしてください。

日本の場合、人が亡くなるとさまざまな手続きが必要となり、そのたびに文書代などがかかってきます。

公的機関では領収書が発行されますが、どの文書に対して出されたものかまでは記されていません。

メモ程度でもよいので、どの書類に対してかかったものなのかを明確にすることが大切です。

なお、地域によっては遠方から来る親戚のために交通費や宿泊費を出す場合があります。

このようなケースにおいては対象となるのかならないのか判断が難しいため、事前に税務署などに確認をすると良いです。

対象となるのはあくまで葬式を執り行うのに際して必要なものとなるので注意が必要となります。

葬儀費用、確定申告の注意点

葬儀においてかかった料金に関しては、一般的な確定申告ではなく相続税としての申告となるので期限が設けられており、相続が発生してから10ヶ月以内に行わないとなりません。

さらにすべてが相続したものや金額から控除されるわけではなく、該当しないものも多数あるので見極める必要があります。

確定申告の注意点として、香典返しは基本的に控除の対象とはなりません。

これは香典返しは香典をいただいた方に対して個人的にお礼をするという意味合いになるためです。

似たようなものに会葬御礼がありますが、会葬御礼の場合は香典を持参したかどうかに関係なく参列をしてくださった人に対してお渡しするものであるので、必要とみなされており控除対象となります。

より相続税の控除を考える場合は香典返しではなく、会葬御礼品をお渡しするようにします。

このほか墓地や墓石の購入、彫刻料、初七日法要以降の法要に対しても対象外となります。

墓地や墓石の購入は葬式に関しての費用ではなく、その後に発生するものであり石材店に支払う金額も対象外です。

納骨は葬式の一環と考えられることもありますが、納骨は一般的に四十九日法要で行われることが多いので納骨に関する料金も該当しません。

なお初七日法要は近年では葬儀とともに合わせて行われることが多いですが、厳密には法要の分は除外されます。該当するとは限らないので注意してください。

国税庁においては香典返戻費用や墓碑及び墓地の買入費や借入料、法会に要するもの、医学上や裁判上特別な処置に要した費用は対象外として記しています。

つまり、遺体の搬送自体は確定申告の対象となりますが、なんらかのことによって解剖などを行った場合はその解剖に関しての料金は費用として認められないことになります。

さらに一般的な会社員が壮大なお葬式をした後、さらにお別れ会も壮大に行った場合、は社会通念上において相当と認められなくなるので、超過してしまったものに関しては認められませんし、しのぶ会やお別れ会も該当しないことが多いです。

しのぶ会に関しては葬式に参列できなかった人がのちに行うものですが、感染症などの理由によって火葬のみとなり葬式が行えず、後日行った場合においては認められることもあります。

ですが、葬儀を行った日に別の場所で会食会を設けた場合は、該当となりません。

費用として考えるのであれば葬式を行った場所で会食会を設ける必要があるので注意が必要です。

葬儀費用、確定申告のまとめ

葬儀に関しての費用は確定申告を行うことによって控除されることがあります。

この場合の確定申告は2月ごろから毎年行われる医療費控除などの申告ではなく、相続税に対しての確定申告となるので、期限が設けられており、相続をしてから10か月以内に申告をしなくてはなりません。

控除対象となる費用には、葬式を行うのに際して必要なものが該当しており、葬儀会場の料金や会食費、会葬御礼に関する品物料金や、僧侶への読経料や戒名料、近所の方など手伝ってくれた人へのお心づけ、死亡診断書やお車代、ご遺体の搬送料などがあげられます。

費用と認められるためには、しっかりと領収書を残しておくことが大切ですが、お心づけや僧侶への読経料などは領収書が発行されません。

このような場合は日付と金額、お渡しした人の名前をきちんと記しておくようにします。

また、通夜など飲食の際に飲み物が足りなくなったなど買い足すことがありますが、この買い足した分も控除対象となります。

葬儀会社が用意したものでなくてもコンビニエンスストアで購入したものも該当するので、必ずレシートを保管するようにしてください。

逆に相続税の確定申告を行ったとしても、控除対象とならないものに、香典返しや解剖料、法要や法会、墓地や墓石の購入または借り入れがあげられます。

香典返しにおいては香典を頂いた方にお礼と感謝の気持ちを込めてお渡しするものであり、会葬御礼品と似ていますが、香典返しは控除対象とはなりません。

これは香典自体が課税対象となるものではなく、遺族や故人に対して差し上げたものであるという認識のためです。会葬御礼品の場合は参列した人が香典を持参した、市内に関わらずお渡しするものであり、意味が異なります。

そのため葬式の総合計からいただいた香典費用を差し引き、余った分を相続人で分け合ったとしても、香典自体は相続しているわけではないので問題はありません。

確定申告において控除されるためには会葬御礼品としてお渡ししなくてはならないので注意してください。

また葬式をした日であっても、違う会場で会食会を設けた場合は対象外となります。

さらに初七日法要に関しては、近年簡素化してきており葬儀の際にまとめて行われることが多いです。

厳密には初七日法要は控除対象外となり、葬式の費用として認められません。

ですがケースによっては認められることもあるので、わからない場合は税務署などに相談をすると良いです。

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