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満中陰法要で準備するものとは?返礼品と僧侶へのお布施について。

 お葬式の際、いただいた香典に対して返礼品の粗供養をお返しますが、満中陰法要でも同様に準備をします。

粗供養と満中陰志

 粗供養は法要の時にいただいたお供えや香典のお返しで、満中陰志は葬儀・告別式でいただいたものに対して、忌明けにお返しするものを指します。満中陰法要の日に参列者への香典返しの品物を渡す場合は、法事の返礼品として粗供養を1品、満中陰志を1品で準備をします。満中陰志に香典返しのお礼状(挨拶状)をつけておくと、受け取る人に渡されたものが香典返しだということが分かりやすいでしょう。

粗供養や満中陰志の内容

 粗供養も満中陰志も「不祝儀」なので、後に残らないように「消えもの」と呼ばれるものを送るのがマナーです。「消えもの」とは、消耗品のことで、使うと減るものや、食品が挙げられます。お茶やコーヒー、調味料、椎茸などの食品や、タオルや洗剤などの日用品がよく選ばれます。中でもタオルは「悲しみを拭い去る」、飲食物は「悲しみを食い消す」、洗剤は「悲しみや不幸を洗い流す」といった意味合いで、現在でも人気がありますが、カタログギフトを利用することも多くなってきました。高齢の方が多いなら、重いものは避け、遠方から来る方が多いなら、あまりかさばらないものを選ぶなど、参列してくださる人への配慮も忘れないようにしましょう。肉や魚などの生臭物、お祝いに使われるお酒などはタブーです。

金額の相場

 相場としては、およそ3,000~5,000円程度で準備をする方が多いです。夫婦で出席している方から1つの香典を頂戴した場合には、粗供養も一つお返しします。親子で出席されていると、それぞれ別々に香典をいただくことも。その場合は、粗供養もそれぞれにお返しすることになります。また、満中陰志の場合は、いただいた香典の金額の半分から三分の一程度準備をします。

熨斗紙の付け方

 熨斗紙は外熨斗で、上側に「志」や「粗供養」、四十九日法要の場合は「満中陰志」と入れて、下側には「苗字」か「苗字+家」、「フルネーム」を入れるようにします。水引は「黄白」の結びきりのものを使用します。

※一部では黒白の結びきりの水引のものを使用する地域もあります。また、蓮の絵が描かれているものは仏教のみでしか使用できないため、注意が必要です。

お渡しするタイミング

 会食がある場合は「会食がお開きになる前」に渡すようにし、会食をしない場合は、法要後にお渡しします。欠席された方から、香典やお供えを別途自宅に送っていただいた場合には、粗供養の品を宅配で送ることでお返しをします。

 読経をしてもらった僧侶には、法事のお返しを通常はお渡ししますが、地域によっては粗供養分のお布施を多めにして、法事の粗供養は渡さないということもあるようです。わからない時には確認をするといいでしょう。

満中陰のお布施

 もうひとつ、年忌法要の際に忘れてはいけないものは、お越しいただいた僧侶へのお布施。お布施とは、読経をしていただいたり、戒名を付けていただいたお礼として僧侶に渡す金銭のことを指します。葬儀では、読経料や戒名料として、法事・法要であれば、読経料やお食事代としてお布施を僧侶に渡します。

 満中陰法要でのお布施の相場は、3~5万円と言われています。葬式で渡した金額の10~20%くらいをお布施に入れることが多いようです。また、お布施とは別に、お車代やお膳料の用意が必要になることもあります。

お布施以外にお渡しするお金

お車料
 自宅に僧侶を招いて法要を行う場合、お布施に加えてお車料が必要です。一般的には5,000~10,000円。お車料は、僧侶の移動距離から計算することもできますが、あくまでも感謝の気持ちであることは忘れないようにしましょう。また、宿泊を伴う法要の場合、宿泊の費用も必要です。

お膳料
 法要後に会食が予定されており、僧侶が欠席する場合のみ必要です。会食を行う場所にもよりますが、5,000円~10,000円が相場です。

開眼供養を行う場合
 開眼供養を満中陰法要と同時に行う場合、お布施とは別に1~5万円を準備しましょう。開眼供養とは、墓石に故人の魂を宿すための儀式です。新たにお墓を建てるとき、もしくは改葬するとききなどに行われます。

納骨式を行う場合
 お墓に遺骨を入れる納骨式を、四十九日法要と同時に行う場合には、別途3~5万円必要になります。

 ※開眼供養・納骨式をどちらも行う場合は、満中陰法要のお布施とは別に3~5万円準備しておきましょう。お布施に加えても、個別にお渡ししても問題ありません。

御布施袋の書き方

 お布施を包むのに、奉書紙(大切なことを伝える和紙)を使うのが伝統のようです。僧侶への最大限のお礼をお伝えすることができます。どうしても奉書紙を準備できない場合は、白い封筒を用いますが、郵便番号の枠のような印字のない無地の封筒を選ぶようにしましょう。
 また、遺族に対するお悔やみを示すものではなく、僧侶への感謝を表すお布施には、奉書紙・白封筒に関わらず水引は必要ありません。お布施袋は、文房具店やコンビニでも購入できます。香典袋や不祝儀袋ではなく「お布施袋」を選びましょう。仏教のお布施は、封筒の上半分にお布施、またはお布施袋と書きます。地域によっては、御礼や御回向料と書くことも。(浄土真宗の場合は、御礼・御回向料は使いません。) 売っているものの中には、袋そのものに「お布施」と書いているものもあります。また、お布施の金額によって入れる袋のタイプが異なります。封筒タイプのものであれば、数千円~1,2万円程度、当折りであれば、3~10万円以上を包むのに適しています。

 中袋(お布施の紙幣を入れる袋)がついている場合や、そうでない場合がありますが、中袋で包んだ後、上袋で包むのが一番丁寧な方法です。しかし、中袋がないからと言って、白い封筒を二重にして使用するのは、「不幸が重なる」ことを連想してしまうのでマナー違反となります。

中袋の書き方

 表側:中央に縦書きで金額を書きます。旧字体の漢数字を使用。
 裏側:左下に差出人(施主)のフルネームと住所を記載します。
※あくまでもお布施は僧侶への感謝を伝える物なので、あえて金額や住所は書かないという選択肢や、寺院によってはなくても良いという場合もあります。

 また、中袋は見やすいことが大切です。使い慣れない筆で書くと字が読めずに金額がわからないなど、後々困る可能性が。中袋については、ボールペンを使っても失礼にはなりません。中袋のないお布施袋の場合は、濃い墨の筆ペンで裏面の下段に住所・名前・金額を書くようにします。

※旧字体の漢数字
壱(一)・弐(二)・参(三)・伍(五)・陸(六)・漆(七)・捌(八)
拾(十)・百(そのまま)・仟(千)・萬(万)
圓(円)
※四・九は死・苦を連想する忌み数字であるため、使用しません。

お札の入れ方

 お札は新札(もしくはできるだけ綺麗なお札)を準備しましょう。封筒には出したときに表面から顔が最初に出るようにします。香典とは向きが逆なので注意。香典の場合は、新札はマナー違反になりますが、お布施は僧侶へのお礼なので、古いお札では失礼に当たりますのでこちらも注意が必要です。

 いかがでしたか?お葬式後の満中陰(四十九日)法要でも準備することはいろいろあります。準備や流れについてはこちら↓↓↓


イラスト/ちくわ

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