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知らないと恥ずかしい?お通夜の流れやマナーを解説。

 お通夜ではどんなことをするのか、どんな準備が必要なのか知っていますか?今回はお通夜について、また参列する際のマナーについてお話しします。

お通夜とは

 お通夜とは、葬儀・告別式の前夜に、遺族・親族と、故人をよく知る人達が集まり、故人と最後の夜を過ごす儀式のことを言います。昔は夜通しで行っていたことから、通夜と呼ばれるようになったそう。邪霊の侵入を防ぐため、夜を徹して付き添い、線香とろうそくの灯を絶やさずに故人を守っていたようです。

仮通夜と本通夜

 もちろん、宗教や地域文化によって異なりますが、本来は亡くなった当日の夜に、自宅に親族だけで集まって仮通夜をし、翌日以降に一般の弔問客を迎える本通夜を行っていました。現代でよく言われる「通夜」とはこの「本通夜」のことを指します。対して「仮通夜」は家族で過ごす最後の時間として、故人と一夜を過ごすことです。僧侶を招いて、読経してもらうこともあります。それが近年では、自宅ではなく葬儀社の専用施設で安置する形が増えてきたため、仮通夜は減ってきました。本通夜には、会社関係や友人知人のような弔問客が増え、午後6時前後から、1時間半から2時間ほどで行う「半通夜」と」呼ばれる形式が一般的になっています。コロナ禍において、この本通夜も省略し、一日葬とすることも多くなりました。通夜がないことは、喪主と遺族が話し合って決めたことであれば、基本的には問題ありません。しかし、菩提寺とのお付き合いがある場合は、ご家族の意向として、きちんとお話をしておく方がいいでしょう。

通夜の流れ

受付

 受付では芳名帳にお名前を頂戴し、香典を参列者から預かります。近年芳名帳はカードタイプにしている葬儀社もあります。参列者が供花の注文をしている場合は、その精算をすることも。寒い時期には上着を預かることもあります。通夜開始の30分ほど前から受付できるようにするのが一般的ですが、葬儀社によってスケジュールや受付方法が異なりますので、式場スタッフの指示に従いましょう

開式から焼香まで

 通夜開始の時間になると、葬儀社の司会担当からの呼び込みで僧侶が入場し、読経と共に焼香です。喪主から始まり、遺族・親族と血縁の深い人から順番に行います。一般の参列者(葬儀関係、友人知人等)の焼香の後には、僧侶から法話や説教がある場合もあります。

通夜終了時には喪主の挨拶

 僧侶は読経、法話(ない場合もあります)が終わると退席します。遺族はその場でお辞儀をしてお見送りし、退席したら喪主から参列者へ挨拶します。参列への感謝・故人の生前や病気療養中の厚情に対するお礼を伝え、通夜ぶるまいの席にお誘いしましょう。

喪主は弔問客の対応も

 焼香が済んだ参列者に会葬礼状や返礼品を渡し、通夜ぶるまいがある場合は、焼香を終えた参列者を別室へ案内します。弔問客にお食事を振る舞い、弔問への感謝を伝えましょう。故人との思い出を語り合い偲ぶことで、供養になるとされています。弔問客は随時解散という形が多いですが、喪主の挨拶にて終了です。

通夜参列時のマナー

服装

 お通夜に参列する際のマナーは、基本的に遺族も会葬者も同じですが、遺族であればできるだけフォーマルなものを選びましょう。

急遽喪服が用意できない場合

男性
 ・
ダークスーツ
      (光沢や柄のない、落ち着いたもの)
 ・白いワイシャツ
      (色柄ものは避けて)
 ・黒ネクタイ
      (ネクタイピンを付けるのであれば、色柄が目立たないもの)
    ・アクセサリー類は基本的にはつけず、眼鏡や腕時計も落ち着いたものを選ぶようにしましょう。

女性
 ・ダークスーツか
      黒のワンピースやアンサンブル
 ・白いブラウスor黒いインナー
      (男性同様に色柄ものは避けましょう)
   ・靴(ヒール)はサンダルやオープントゥではなく、普通のパンプスにします。
    ・アクセサリーを付ける場合は、一粒の涙を表す真珠のイヤリング、一連のネックレスを。     
    ・ネイルについても、マニキュアをしていないことが望ましいですが、ジェルネイルのようなすぐに落とすことが難しい場合はレースの黒い手袋を着用するのも一つの方法です。

 男女ともに小物やコートは「殺生」を連想する革製品や毛皮のものはよくありません。全体的に黒で統一し、色柄や光沢のある素材は避けましょう。ハンカチは白無地か、黒いフォーマルなものを、雨の日には黒や灰色など地味な色の傘を使いましょう。

お悔やみの言葉

 お通夜のときに使う基本的な言葉として「ご愁傷様です。」または、「お悔やみ申し上げます。」などが挙げられます。故人を亡くしたことを嘆き悲しむ気持ちと、遺族を心配する気持ちが込められた言葉です。「死んだ」や「死亡した」のような直接的な表現は避けて、「ご逝去なさった」、「旅立たれた」に置き換えるといいでしょう。また、「くれぐれも」、「再び」といった繰り返しを避けます。亡くなった人がご高齢の場合、「大往生」を使用するのはマナー違反なので気を付けましょう。

通夜に参列できないとき

 訃報はどうしても突然入るもの。事前にわかることではありません。遠方にいることもあるでしょうし、都合がつかないこともあり得るでしょう。やむを得ず、参列が出来ない場合には、必ずその旨を連絡します。行けない理由や、お話したいこともあるかもしれませんが、葬儀の準備でご遺族も忙しくしている頃です。手っ取り早く感じてしまいますが、メールでの連絡はあくまでも略式の方法なので、注意が必要です。

 加えて、近年の通夜は、前述のとおり一時間半程度で行うことが多く、夜通ししているわけでもありません。遺族が自宅に帰っている場合など、葬儀社によっては夜間に施錠をしていることもありますので、通夜の時間に間に合わない時には必ず連絡をしましょう。

 また、たとえ欠席であっても、お悔やみの気持ちを伝えたい場合は、弔電を送るのも一つの手段です。様々な会社で取り扱っているので、電話やインターネットから申し込みするといいでしょう。供花や供物を手配するのも一つ。お家によって、内容を統一、辞退していることもあるため、お花屋さんに直接注文をせずに、そのお家が供花・供物をお受けになるのか、葬儀社に確認をした方が無難です。香典を渡したいときには、参列する人に預けるか、現金書留で送りましょう。

 お葬式は日常に体験するものではありませんし、身近な人の万が一を考えるのは憚られることでしょう。元気な今の一分一秒はとても大切な時間。しかし、最後のとき、残された時間もこの上ない貴重な時間ではないでしょうか。旅立つ側にも、見送る側にも、悔いが残らないよう、準備できることはしておきたいものです。


イラスト/ちくわ

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