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オンラインツールの矛盾について考えてみました。

Covid-19の影響でセミナーやワークショップが軒並みオンライン化されています。

オンライン用のツールとしてはZOOMが広く知られていますので、「ZOOM飲み」として体験している方も多いのではないでしょうか?

そのZOOMでは、急激なユーザー増の影響でセキュリティーの問題などが出たのは記憶に新しいですね。


一方、企業ではCisco Webex MeetingやMicrosoft teamsなどが使われています。

オンラインツールで肝になる「セキュリティー」と「使いやすさ(操作性)」の問題について、TRIZという特許分析で得られた問題解決理論で考えてみました。

TRIZとは(簡単に)

TRIZとは、世界中の特許の分析結果から構築された理論です。
旧ソビエト連邦時代の海軍特許審査官であったG・アルトシュラーが「優れた発明に至る思考には類似性がある」という事を発見し、1946年から1985年の約30年間で基本的な仕組みが作り上げられました。
その時分析された特許の数は最終的に250万件に及ぶと言われています。
リンクをご参考ください。

https://note.com/souchido/n/nc9762f21d949

TRIZには3つの特徴があるのですが、その中で「矛盾」の考え方が特徴的です。
問題は多くの場合「矛盾」をはらんでおり、優れた特許はそれらの矛盾を鮮やかに解決している事から、その矛盾克服という切り口でまとめられたものです。
それは矛盾解決マトリックスと呼ばれ39個の特性パラメータの表になっています。
実際に解決のアイデアを出すヒントは「40の発明原理」と呼ばれています。

TRIZは特許から得られた理論ですから、これまでは製造業の問題解決に使われてきました。しかし近年は製造業以外への適用例も研究されています。

特にシステム分野での研究が盛んで、「システム問題の矛盾マトリックス」も作成されており、それを今回は適用してみたいと考えています。


オンラインツールの矛盾

最近のZOOM以外にも、過去にセキュリティーの問題が報道されたことがあります。

Facebookやamazonなど、セキュリティー問題は情報化社会では避けては通れないものです。

その昔、私がまだ大手制御機器メーカーの会社員だった1990年代の初めの頃は、パソコン通信など情報化社会の黎明期でした。

通信速度の遅さはさておき、あの時代はそういうオンラインでつながれることの驚きが大きかったと記憶しています。

時代は流れて、今はSNS全盛期。
最近のCovid-19の影響で、打ち合わせなどはすべてオンラインでやるという事が急速に広がりました。

もちろんその前から企業の拠点間ではTV会議システムがありましたが、一つの企業の中で完結していました。

しかし、一般社会に普及するまでには至っていなかったように思います。

なぜか?

セキュリティーに対しての担保が難しかったからです。

Covid-19でオンラインが一気に身近になったきっかけはZOOMです。

誰でもが気軽につながれる事の気軽さは魅力ですね。


そのZOOMでセキュリティーの問題が発覚したのが3月。

その時に思ったのが「セキュリティー」と「使いやすさ」ってやっぱり矛盾するのだという事です。


矛盾解決へ向けたヒント=発明原理

TRIZの特徴の一つが矛盾解決です。

「何かを改善しようとすると別の問題が発生する。」と言うのが矛盾の定義です。

その文脈では「セキュリティーを高めようとすると使い勝手が悪くなる」というのが典型的な矛盾だと気づきます。

TRIZの矛盾解決マトリックスでそういう矛盾の解決のヒントがあるのか探してみると…。

ありました!

オンラインツールの矛盾


発明原理で考えてみた+これからのアイデア

10の「先取り作用原理」は、あらかじめセキュリティー問題が起きないように対策をしておこうという事です。

例えば、通信キーなどを準備しておいて、それでしかミーティングに入れないようにする。
ハッカーが入ってきても良いように「待機室」を準備しておく。
と言った事が浮かびます。

3の「局所性質原理」は、通信の送り手と受け手とで情報とか環境とかの性質を変えたらどうかという事です。

例えば、通信速度を一定にするのではなく、一部の速度を間延びさせる。
使い勝手を送り手(ホスト)と受け手(参加者)で変える。
使用頻度によって、セキュリティーや使い勝手も変化させる。
などの事が浮かびました。

13の「逆発想原理」は、これまでとは考え方や条件を逆にしてみるという事です。

例えば、流出させて困るような情報はあらかじめ流さないようにする。
すべてをオープンにすることで情報量を増やしてハッキングを無意味にする。
などが浮かびますね。

25の「セルフサービス原理」とは、これまで廃棄していたモノを利用するとか、自動的に問題が無くなるようにすると言った事です。


オンラインツールを使った打ち合わせで捨てていたものって「物理的な距離」ですかね?
ハッキングという問題そのものを無くするというのは「情報の価値を無くす」という事ですかね?


まだまだ自粛が続くようです。

こんなTRIZ的な思考法を学ぶのも役に立つのではと思います。

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