見出し画像

リモートワークツールとしてのZOOMとMS-Teamsを比較して、改めて今感じた事。


あなたはZOOM派ですか?
それともMS-Teams派ですか?


リモートスタイルでの仕事が主流になってもう半年が過ぎました。

リモートワークでのライブ会議ツールとして一躍脚光を浴びた形のZOOMです。

「ZOOM飲み」なる言葉も現れるほど浸透して、いわゆるオンラインミーティングは「ZOOM」という固有名詞になるくらい認知度が進んでいます。

ZOOM初期画面

そのZOOMは、3月の終わりくらいにセキュリティーに関しての情報が出た事でアメリカや台湾などでは使用禁止という事態になり、代わりにWebex meetingMS-Teamsなどが使われる機会も増えてきました。

その頃、ZOOMが良いのかWebex meetingが良いのか、はたまたMS-Teamsが良いのかという話題が興味深く語られていました。

ZOOMのサイトとMS-Teamsのサイトです。

私も、その時(5月頃)にそれぞれを試してみて、自分の仕事のツールとして最適なのはZOOMだという結論を得ました。

まぁ、ZOOMのセキュリティー向上へ向けての取り組みがアナウンスされたこともあり、実際向上していると感じますし。


しかし企業によっては、ZOOMではなくMS-Teamsを使ってリモートワークをしているところも多いです。だから、ビデオ会議ツールもMS-Teamsを指定されることが多いです。


打合せに参加するだけであれば、ZOOMでもMS-TeamsでもWebex meetingでもあまり差がありません。まぁ、アイコンの位置とか参加メンバーの見え方などで少し戸惑う事は有りますが、そのあたりは慣れでカバーできる範囲です。

ただ、開催する側になると、プレゼンターのスポットライトビューなど「伝えるための工夫」は、やはりZOOMが機能的に一歩優位かなと感じています。


ところで最近集中的にMS-Teamsの無料版を使う中で感じた違和感があります。

それは、ZOOMとMS-Teamsはツールの設計思想が違うのではないかという事です。


結論から言うと、ZOOMは「そのビデオ会議を最高のパフォーマンスで開催するためのツール」ですが、MS-Teamsは「チームやプロジェクトでのやり取りをスムーズに共有するためのツール」です。

つまり、ZOOMとMS-Teamsを「ビデオ会議」という視点だけで比較する事にはあまり意味がないと思います。

ZOOMは「参加のしやすさ」や「ビューの切り替えの自由度」「ブレイクアウトルーム(小部屋)」などの機能で、ビデオ会議でのプレゼンターの工夫を引き出しつつ参加者との一体感を得やすい設計になっていると感じます。

ZOOM_画面共有


一方でMS-Teamsはその名前の通り「チーム内チャットによる情報の共有化と一覧性」が大きな利点であり、ビデオ会議はそれをサポートする機能の一つにすぎません。

Teams初期0830


誤解を恐れずに言えば、「ZOOMはオンラインミーティングのために最適化されたビデオ会議ツール」であり、その時(セミナー開催時)に最高のパフォーマンスを発揮させることを目的にしています。

一方、「MS-Teamsはプロジェクトを遂行するために最適化されたコミュニケーションツール」であり、時間軸での情報共有化と蓄積をもとにしたコミュニケーションツールなのです。


したがって、ZOOMでは「ビデオ会議(オンラインミーティング)をうまく開催する」ために様々な工夫がされています。つまりZOOMにおいて一番大事なのは「ビデオ会議をしている時(現在)」なのです。

しかし、MS-Teamsは「チーム(プロジェクト)の推進ログ(チャット)や作業状態を共有する」ためのシステムです。チャットの一手段として「ビデオ会議」があるわけですから、当然それらの開催ログも残せます。つまりMS-Teamsにおいて一番大事なのは「プロジェクト実行へ向けた連続的な作業コミュニケーションの共有化」なのです。


ZOOMは公開型でいろいろな人が参加する事を想定したオンラインセミナーに向いています。

風景0317_

講師やパネリストによるウエビナーもZOOMではよく使われる機能です。


MS-Teamsは会社や学校など、基本的にやり取りをするメンバーが固定されており、そこでの作業を効率的に実施する事が主体で、その一つをビデオ会議で行うという使い方に向いています。

MS-Teamsでもパブリックなチームを作ったりすることで、外部の講師を招いてのセミナーを開くことは可能です。
現在のバージョンではURLを相手(ゲスト)に送る事でビデオ会議に参加できるようになり、かなりZOOMの機能に寄せてきているように感じます。
ブラウザでのビデオ会議への参加でも通信の問題はあまり感じませんでした。

しかし、MS-Teamsの基本は自分の組織(チーム)の中に外部講師を招くイメージですから、ZOOMで想定する公開型のセミナーにとは少しニュアンスが違う感じがします。


有料版のMS-Teamsですとウェビナースタイルでのセミナー開催も可能だと聞いた事があります。
多くの企業はすでにWindowsの有料ライセンス契約をされていると思いますので、そうなると今回私が感じた事以上の使い勝手が良い方法があるのかもしれません。


最後にもう一度ポイントを整理します。

1.ZOOMとMS-Teamsを「ビデオ会議システム」の範囲で比べることにはあまり意味がない。
2.ビデオ会議などのオンラインセミナーやオンラインワークショップにおいて、主催者の工夫を引き出し参加者の満足度をあげる事を最優先するのであればZOOMが使いやすい。
3.チームやグループ内でのプロジェクト推進という時間軸での情報共有やチャット(コミュニケーション)の蓄積がメインで、その一つの手段として「ビデオ会議」をするのであればMS-Teamsが使いやすい。
4.ZOOMは公開型のセミナーやワークショップなど、いろいろな人が参加するイベントに向いている。(招待URLの管理などのセキュリティには十分注意が必要)
5.MS-Teamsは社内チームやグループでのプロジェクトにおける情報管理を優先した使い方に向いている。(MSアカウントを使ってセキュリティアップが容易)

以上、リモートワークのツール選びのご参考になれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?