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音楽発表会

小学4年の音楽発表会の時、
先生は「やりたい楽器に手を挙げなさい」と言った。
私はオルガンに手を挙げた。
オルガン担当は4~5人いたが、
ピアノ教室で習っていないのは私だけだった。

「左右で違う動きをするなんてできるのかな・・・。
でも一生懸命練習すればできるかも知れない。
チャレンジしよう!頑張ろう!」
と不安を持ちながらも、当時の私は素直に前向きだった。

その日の放課後オルガン担当が集められ、
楽譜の一部を弾いてみるように促された。
私以外の人はできた。
私は「片手しかできません」と言った。
すると先生が「草花ちゃん、オルガン辞めたら?」と小声で言ってきた。

ショックだった。
小学校の音楽発表会なのに。
小学校で習ったことを発表する会じゃないの?
なんで学校以外でピアノを習っている子しかダメなの?
ピアノを習っている同級生の前で言われた恥ずかしさと怒り。
でも当時の私に先生に反抗するという知恵は無かった。

「はい」と答え、木琴を担当することになった。

多分、母に話したのだろう。母が木琴を買ってきてくれてた。

木琴

簡易な物だったし、安物だっただろうけど、裕福でもない家なので
買ってくれたことが意外だったし嬉しかった。
きっと母も悔しかったんだろう。

今でも思い出すと胸がチクンとする。
「草花ちゃん、片手ずつ練習していこう」
「一緒に頑張ろう」
「どうしても両手が難しかったら、片手でも良いよ。
左手はオルガンに乗せておこう」
って言って欲しかったなと、今になって思う。

当時も学校の先生の仕事はブラックだったのかな。
忙しくて、そんな私に付き合う時間も気力も無かったのかな?

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