[米国株の高配当銘柄投資]をそろそろやめようと思う

まあ、わかっていたことですが、米国株の高配当銘柄への投資、はっきりいってつまんないです。成果になってません。むしろお荷物です。

年間配当利回り7%を冷めた目で改めて見てみろ!

年間、というからには、その銘柄をガチホしていることを意味します。たとえば100ドルの株1株を年間7%の配当、ということになると、「たったの7ドル」。日本円換算で700円ちょっとしか手に入りません。10万円の投資家でも7000円です。2日くらい日雇いやるとあっという間に抜かれる成果です。

年間700円の不労所得でうれしいか?

うまい棒が大好きな人は舌がマヒするほどうまい棒を手に入れられるのでうれしいでしょうけれど、わたしはちっともうれしくないです。その他の人は知らん。

生活費レベルで7%が効いてくる資産キャップは?

高配当投資家がよく使う節回しで、「年収●●●万円を配当で稼ぐ」という理論が効いてくる資産キャップはどれくらいか、というと、逆算すればいいわけで。たとえば配当だけで年収200万円ほしいな、となったら、税金分を差し引くと(確定申告除く)、計算式はこうなるはず。

資産A × 8% ×(1-配当課税20%)=200万円

資産Aは、逆算して、

200万円÷80%÷8%=3125万円

となり、

3125万円必要、ってことです。

まあ、投資家として資産が増えて面白く感じるようになるのが、おそらくこの半額くらいから(配当年間収入100万円)でしょうから、配当銘柄がなんだかんだいうのは、最低でも資産が1500万円になってから本格化するのが正しい、というのが私の考えです。(実際に高配当をうたう人たちの資金規模はこのくらいの人が多い)

これは最初の頃にも書いた記憶が。

金融相場が始まった最近なら、何でも言えるし何でも成果になる

コロナ禍相場なのと、余ったカネがわんさと市場に流れ込んでいる金融相場の今、高配当をうたっていても成果になることはなりますよ。だから1年後とかに「何言ってんだ」とか言われるかもしれませんが、資産伸び率でいうと、たとえばテスラやアップルの一点突破をしている投資家にはまったく歯が立たないです。

比べるのもなんですが、相場サイクルに応じたトレード設定が重要で、今はグロースの第二派の仕込みどころでしょ、と思う次第で。

マネーサイズをとにかく大きく

わたしが1年で資金6倍を達成したとき、最初に心がけていたのは投資資金100万円から本番、ということでした。当時は日本株の単元株制度の壁があったので、1銘柄20万円以上つっこまないといけなかった時代背景もあります。が、そのくらいつっこまないと資金は増えないのです。

米国株は、1株から買えるので参入がしやすいですが、それなりの成果を実感するためには、単元株くらいのロットを1銘柄に対して保有しないと意味がない、ということにも気づいてほしいです。

11.99ドルで買った株が10ドルちょっとになって下落率18%近くになってますが、保有は30株なので負けはそれでも50ドルくらい。「うぎゃーーーーー!」というレベルではないんです。逆に18%も上昇しても、50ドル程度のゲインしか得られないのです。

短期で株価が2倍、3倍になる、というのは奇跡に近い

株価が短期的に●●倍になる、というチャンスはめったにありません。誰もが勝てるチャンスは暴落の反動戻し相場。コロナ禍の3月から5月がまさにそれでした。この時期は特定の銘柄に集中投資して資金を増やすべきでした。わたしは資金がその時までにまにあわずほぞを噛む思いでした。

10万円投資家が、資金のうちアップル1株買って資産が2倍になった!と言っても、たとえば20年5月1日終値289ドルで買ったら、今はだいたい1.7倍ちょっと。日雇い2日がんばれば軽く抜き去る成果です。しかし全力出撃で3株か4株買っていたら、月給に対する自分の小遣い分くらいの稼ぎになっているわけで。

100歩譲って高配当銘柄を持つとしたら

20%下がっても「うぎゃーーー!」ってならない程度のキャップを保有するのが妥当でしょう。そこで高配当クンや資産管理クンたちが言う、「資産に対して●●%」程度の保有。1銘柄に対して4%くらいが妥当でしょう。

わたしは30万円規模でやっているので、4%だと12000円くらいです(為替差損があるので「約」を入れている)。

たとえば所有銘柄の中でクソな成果になっているPBCTは30株も持ってしまっていますが(購入12.99ドル。今日現在10.45ドル。資産マイナス46.2ドル)、妥当レベルでは10株です。これだとマイナスは15.4ドルなので表参道でのランチを1回なくせばいいレベル。5.4ドル/1Qの配当ですが、1.8ドル/1Qに減ります。が、雀の涙を比較してもしょうがない。

AT&Tは29.65ドルで10株保有してますが、妥当ラインは4株。5.2ドル/1Qの配当、2.08ドル/1Qに減額です。これまた雀の涙比較でくだらない。

値動きしない銘柄に何か月も資金を縛られているのならば、誰もが知る銘柄を買った方がまし、でした。この資金の縛りのせいで、マイクロソフトやズームの押し目に割く金がなかった。くやしいーーーーー。

資産形成3要素

アメリカ株は、株主優待がないので、株主還元策がよりシビアできっちりしている印象です。予想EPS、予想利益&売上高、良好なガイダンスがクリアできていれば正義。さらに、以下の3つが充実していると株価は上昇傾向になるね、とわかりました。

・配当
・M&A
・自社株買い

高配当銘柄投資は、この配当にのみフォーカスした局地戦理論で、自社株買いで株主価値を濃厚にし、M&Aで業績の急激なアップグレードを狙うことで、株価の安定的な上昇を生み出し、投資家に還元する、という視点が重要である、というのもわかります。

米国株の魅力は、配当ではない。ダイナミズムとロマンだ

米国株の魅力を高配当、とのたまうインフルエンサー多数ですが、成果になっている人ってどのくらいいるのかな?と思います。7%の配当は、確かに高いですが、この「高さ」がすべての参加者にとって「利点」であることは決してありません。10万円投資家が年間稼げる7%は7000円。1000万円投資家が稼げるそれは、70万円。マネーサイズの多寡が、成果を左右します。また暴落後の戻り局面でも、資金サイズが小さい人には永久に恩恵はこない。株価が2倍、3倍という奇跡がホイホイ起こっているのに、投じてるお金が1万円とかじゃ話にならんでしょ。こういう話は1000万円以上のサイズになってこないと現実味が帯びないのですよ。

配当はもっとひどく、バフェットのごとくバリュー株を持ってみたら実は配当実施してた、くらいのほうが妥当です。バリュエーションや成長性で銘柄選びをすべきだと思いました。

そういう意味では、アメリカ株は日本では決して買えないテーマのものがわんさとあり、ダイナミズムがあるな、と思います。

たとえば、石油業界は、アップストリーム銘柄(採掘)が多数です。防衛産業は、日本が買っている武器の生産元のを直接買えます。世界を牛耳るGAFAも買えます。東証時価総額を総動員しても勝てないGAFA株をトレードすることは、世界の潮流を生み出す場に居合わせることにもなりますし。

高配当もたしかにありますが、それ以上に見なければいけないものがたくさんあるのが米国株。

株ブロガーのほとんどは、自分の世界の範囲内の人たちである現実

テーマ設定が、「自分のサクセスストーリーをさらす」なので、読者が現実的に感じるのはその人と読者の資金サイズが一緒のときのみ。1億円の投資家のブログを10万円の投資家が見ても、ほとんど参考になりません。投資の考え方を学ぶなんて無理です。だって、その人の精神状態を担保する圧倒的規模の資金がすべてに差を作るから。戦術はほとんどの場合、その心理状態が安定できることを前提に作られているから。1000万円投資家が10万円の株1つ買うのと、20万円投資家が10万円の株1つ買うのは、損失に対する緊張感で雲泥の差が出ます。仮に1000万円投資家が資金の半分までポジションを積み増したとしても、ゲインは20万円投資家の何倍ですか?世界が違うのです。資金は精神状態に比例します。あればあるほど余裕が出る。日雇い程度の額を稼ぐのにひーひー言うサイズの投資家とは世界が違うのです。そんな人たちが高配当だ!なんて言っても響く方がどうかしているよな、というのに気づきました。

Tポイント投資の行方

Tポイントも結局はサイズです。10ポイントを投資に使っても何の成果にもならないです。それを積み上げていくスピードと、株式市場のスピードが違う。ゆえに、Tポイント投資も、別の記事でいうように最低でも年間3000ポイントは投じていないと成果を実感できるとは言えません。

しかし、Tポイント投資は、タダ券で物を買うのと同じです。

Tポイントは高配当銘柄に振り分け、資金サイズを大きくするためのトレードを優先していく、という考え方もあります。たとえトレードで負けて資金がなくなっても、Tポイントで買った銘柄からは、みみっちくても配当が振り込まれるわけで。

同級生を探せ

投資で参考にする人は、すでに1億を達成した人よりも、自分の資金規模に近い人、あるいはやや一歩先を行くサイズの人を探すのに限ります。

戦術的に似た人を探すというのが次善ですが、この場合は資金規模と精神的安定度合がどうなのかを非常に注意してみる必要があります。

わたしは10万円から30万円の資金キャップで運用しているので、読者の人はそのくらいのサイズを目指している人がもっともフィットするかもしれませんね。




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