見出し画像

【双極性障害】うつ状態で何もできないときは

うつ症状が重くなってくると、何もする気が起きず、寝てばかりになりますよね。 しかも、一日何もしないでいるとますます気持ちが落ち込んでしまいます。

精神科医の水島広子先生によると、過度の刺激は躁を誘発し、刺激のなさすぎはうつを誘発するそうです。うつ症状を少しでも軽くするために、少しだけがんばって、ちょっとしたことをやってみましょう。気持ちが上向きになります。

うつの時期は、簡単に無気力のサイクルにはまってしまいがちです。うつで気分が落ち込むと、エネルギーが乏しくなり、疲れる → 疲れると物事に対する興味が失せ、活動量が減る → 活動が減ると気分が落ち込む。これがさらにうつ症状に拍車をかけてしまうのです。

何もしていないとき、身体は休んでいるように見えるかもしれませんが、頭の中は罪悪感と自己批判でいっぱいで、まったく休んではいないのです。これではうつ症状が重くなるばかりです。

少しだけがんばって、できる範囲で行動を起こし、適切な活動を取りましょう。うつが重ければ重いほど、どんな小さなことでも「何かができた」という達成感を積み重ねることは、うつ症状の改善に大きな影響を与えます。

私が無気力のサイクルから抜け出すきっかけとなったのは、活動予定(スケジュール)を立てたことでした。

無理のない「少しだけがんばればできる」範囲で、一日のスケジュールを立てます。例えばこのような感じです。

<うつ症状がかなり重いとき>
朝8時に起きる
9時までに着替える
お昼のテレビを見る
昼間起きている
風呂に入る(1日おき、2日おきでもいい)
10時までに横になる

<少し楽になってきたら>
朝8時に起きる
顔を洗う
9時までに着替える
写真集を見る
本屋さんなどへ散歩に行く
毎日お風呂に入る
10時までに横になる

このように「少し負荷はかかるけど、ちょっとがんばればできるレベル」のスケジュールに沿って一日を過ごします。

たいていうつの時期は夕方以降にエンジンがかかることが多いと思いますので、夕方以降に次の日のスケジュールを立てると良いと思います。

すべては達成できないかもしれません。できなくても落ち込まないで、また明日トライしてみましょう。毎日続けていると少しずつ自信がついてきます。

今日、自分が何をすればよいかを事前に知っておくことは、長く苦しい一日を乗り切る助けになりますし、やる気のなさに完全に支配されることがなくなります。リストを作るときは、「どうしてもやらなければいけないこと」と「できればやりたいこと」をうまくミックスさせると良いですよ。

そうは言っても、やっぱりやる気になれない時。激うつ状態まで落ちてしまってもう寝ているしかないけれども、どうしても受診に行かなければならない時。…そんな時は、「とりあえず戦略」を取ると、活動の一歩が踏み出せることがあります。一度に目的を達成しようとせず、少しずつ動いてみることがコツです。

例えば、出かける用事があって、一応出かけられる服装にはなっている場合。まずは「とりあえず」立ち上がります。
「とりあえず」立ち上がる
「とりあえず」鞄を持ってみる
「とりあえず」玄関まで行ってみる
「とりあえず」靴を履いてみる
「とりあえず」外に出てみる
ここまでできたら、なんとか外の用事がこなせるきっかけになります。

外出の場合、髪がボサボサだったりノーメイクだったりすると、髪を整えたりメイクをするというハードルの高い作業をこなさなければならなくなりますので、そういう時は「とりあえず」帽子をかぶる、「とりあえず」マスクをする、という段階を経てみると良いと思います。

また、どうしても時々は必要だけど辛い作業に「入浴」があります。

数日は入らなくても問題ありませんので、優先順位は高くありませんが、さすがに数日経てばお風呂に入る必要が出てきます。お風呂は本当にハードルが高いですよね。こんな時も、「とりあえず」戦法で動いてみます。
「とりあえず」立ち上がる
「とりあえず」洗面所まで行ってみる
「とりあえず」服を脱いでみる
「とりあえず」お風呂場に入ってみる
「とりあえず」シャワーの栓をひねる
「とりあえず」足にシャワーをかけてみる
このように作業を小分けにして、一段階ずつ進めていくことで、こなしていくことができます。

何か一つできたことがあれば、「よくできた!」「私はやろうと思えばやれるんだ!」「これができたら自分へのご褒美、おいしいお菓子を食べよう」「少しずつできることが増えていっているよ!」「私ってすごい!」と、思い切り自分をほめましょう。

できることが増えていけば、適度な活動が取れ、うつ症状の悪化を防ぐことができます。自信もつき、気持ちの面でもプラスになります。ぜひ試してみてくださいね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?