『人間きょうふ症』48 (最終)
ぴーぴーぴー…。
ん。ここは…。なんか、ループしていない…?あ、いや、アレか。全部、思い出した。何もかも思い出した。でも、それを言語化にはできない。なぜなのかは自分でもわからない。ただ、一つ言えるのは、、先生は、、実の親だったこと。そして、以前に狭心症で倒れたのも先生ではなく、私だった。
しばらく目を閉じたまま考え込んだ。すぐそこでお話をしている”お母さん”に意識が戻ったことがバレないように。
彼女がいなくなった頃に、私は横にあった紙を取り、メモを書いた。
これだけ病棟の机に残して、裸足のまま、病院の窓から飛び、木に登った。私はもう人間ではない何かなのかもしれない。そう考えながら、森の中を走っていった。もう、人間という存在と会わないことを願って。
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