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「卒対(そつたい)」とは、「卒業(卒園)対策委員会(委員)」の略で、子どもの卒園や卒業を祝うための保護者の集まりをさしている。これは有志の活動である。主な活動は、以下のいずれかが多い。

  • 卒業アルバム作成

  • イベント企画

  • お揃いTシャツやお揃いトートバッグの作成

  • 卒業記念品の選定・手配

  • 謝恩会(茶話会)などの企画・開催

卒対が企画・結成されるのは、保育園の場合、年中の春~夏頃の場合が多く、卒園まで1年以上もの間、企画検討や運営に時間を拘束される。保育園はみんな働いているので、忙しい保護者ばかりのはずであるが、無言の圧力(同調圧力)によりみんな半強制的に参加させられているのが実情である。


そもそもの始まりは0歳児から

卒業対策委員会(卒対)になぜ参加したくないと言い出せないのか、なぜ途中で辞めたいと言い出せないのか。それは0歳児の入園の時から呪いが始まっているからである。

0歳児で入園するや否や、任意組織である「父母会」(地域によっては「保護者会」というところもある。もちろん存在しない保育園もある)への入会勧誘が行われる。

何も知らない0歳児の保護者は言われるがまま、保育園運営の組織の一部と勘違いし、この任意組織へ何の疑いもなく入会してしまう。その後、クラス全体グループLINEが即座に結成され、そこで父母会の活動内容(役職や仕事)の話題が交わされることになる。ここまでが一連のよくあるパターンであろう。無銭奴隷活動の第一歩である。


奴隷活動から抜け出せない理由

この父母会は一度入会すると簡単には抜け出せない仕組みになっている。毎年、父母会費が徴収されるが、その中に卒対用費用という項目があり、毎年積み立てられていくのだ(卒対用費用がない保育園もあるかもしれないが)。

最終学年の年長で父母会とは別組織として卒対が立ち上がる。その積み立てられた卒対用費用がここで受け渡される。
途中で退会しようものなら、これまで自分が積み立てたお金の恩恵が得られなくなる。途中で辞めてしまうとサンクコストとして無駄になってしまう。損をしたくない保護者は今更参加したくないと断ることができないし、周りの目の同調圧力が根本的にあるので、容易には抜け出せなくなるのだ。

また、卒園式で自分の子供だけがプレゼントをもらえない、という状況に巻き込まれたくないとの思いで抜け出すことができず、忙しいにも関わらず泣く泣く役回りを対応させられるのである。まさに現代の無銭奴隷制度である。


父母会、卒対、そしてPTAへと負の連鎖は続く・・・

この「呪い」のせいで、健全な保護者は父母会から卒対へスムーズに移行され、逃れられない奴隷活動の連鎖が進む。また、この呪いは健全な保護者を思考停止に追いやり、保育園卒園後もPTAへ無意識のうちに入会し受け継がれていく。そして小学校、中学校と延々と育児への負担に繋がっていくのだ。

「子供のため」という大義名分を掲げたやりがい搾取である。

思考停止した情報弱者が奴隷のようにこき使われていく仕組み。頭の良い人はこの疑問に気づき、早々に脱北していく。

昨今、PTA問題を岸田首相が国会で取り上げてくれた。

保育園の父母会や卒対もいつの日にか日の目を見る場に現れて欲しい。PTA問題の根幹は0歳児から始まっているのだから。

(2023.11.19 更新:リンク追加)


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