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(自己紹介シリーズ①)ソトナカプロジェクト発起人、吉井です。

はじめまして。ソトナカプロジェクト発起人の吉井弘和です。
現在、厚生労働省で医療保険制度における予防・健康づくりを担当しています。前回の記事で、ソトナカプロジェクトについてご紹介しましたので、これから3回の記事で、3人の発起人の自己紹介とプロジェクト立ち上げへの思いを、お話したいと思います。

周りとちょっと違った幼少期

まずは、簡単に私自身の自己紹介をさせていただきます。私は1981年の東京で、6歳年上の兄と5歳年上の姉を持つ末っ子として生まれました。末っ子なので両親にも甘やかされていたと思いますし、母親が年子の兄と姉の子育てに忙しく、私はおばあちゃんと過ごした時間も長かったことから、より甘やかされて育ったものと思います。

甘やかされる反面、「末っ子あるある」ですが、洋服はお兄ちゃんのお下がりばかりで、今思えば幸せな不満ですが、子どもながらに不満もありました。それから、単なる末っ子というだけではなく、年の離れた末っ子ということで、兄弟の中ではもっとも弱者だったことで、常に周りを観察しながら自分のふるまいを考えるクセがついたようにも思います。

そんな、幸運にも特段の不自由もなく、地元の幼稚園と小学校に通う、運動と算数が大好きな子どもだった私ですが、少し、周りとの違いを意識することもありました。それは、両親が台湾出身だということでした。誰だって家庭の環境は少しずつ違うので、ほんの些細なことかもしれませんが、子どもの頃の私にとっては大きなことでした。母親の日本語はなまりが強かったし、家に飾ってあるものもなんだか他の家とは違うし、誕生日や年末年始に食べる料理も他の家とはだいぶ違いました。

小学校時代の私

ただ、自意識が過剰なのか、その違いを意識してしまったからこそ、気づくこともありました。それは、自分が周りとちょっと違うことで、比較ができるということでした。他の世界を知っているから、今いる世界にどんな特徴があるのかを理解することができる。そう考えるようになり、自分が育った日本社会への理解を深めるために、ドイツ・アメリカ・イギリスで仕事をしたり、大学院に通ったりしました。

ソトナカプロジェクトに込めた思い

大学卒業後は、4年ほどの留学・休職期間を挟んで約9年間、外資系の経営コンサルティング会社で働きました。留学から復帰してからは、ヘルスケア企業のプロジェクトの傍らで公共セクターの仕事もしていましたが、それでは限界があると思い、もともと関心のあった厚労省で働きたいと思うようになりました。

しかしながら、2014年当時は今よりも中途採用が限られていて、半ば諦めモードで2年以上が経ってしまった頃、厚労省の外郭団体(社会保険診療報酬支払基金)が理事長の補佐を公募するという話を聞きました。日本の医療保険制度に貢献できるまたとない機会と思い、迷わず応募しました。その外郭団体での仕事は3年までと決めていたこともあり、3年後に厚労省の任期付き職員の採用に応募し、厚労省で働き始めることができました。

厚労省の職場での一コマ

「周りとの違いを意識しがち」な上に、「社会人として育った環境が違う」私は、厚労省の外郭団体でも厚労省でも、周りとの仕事の仕方の違いを意識せざるをえませんでした。

そんな中で、環境に適応しつつも、異分子だからこそ持ち込むことができるものは何か。幼少期からの末っ子気質の私は、法令の知識は総合職事務官に、制度の運用の実態や現場の反応は一般職の職員に教えてもらいながら、自分がハブとなりコンサルで学んだ問題解決スキルを生かして政策づくりに全力を尽くしてきました。異分子だからこそ、ゼロベースで考え、新たな政策をつくることもできたとも感じています。

そんな私にとっては、ソトナカプロジェクトを立ち上げるということはごく自然なことでした。

前回の記事の通り、今、霞が関は人材の確保に苦労しています。新卒の応募者が減り、若手の離職者が増える中で、徐々に中途採用が増えてきています。ただ、やるからには、国民・社会にもっとも貢献できる形で、中途採用をする必要があります。

行政に価値ある人材のより多くが興味・関心をもち、その方々がいち早く能力を発揮できる環境があり、そして、その方々と生え抜き人材がお互いのバックグラウンドに敬意を持ちながらより良い政策を作る、そんな霞が関となることを目指してこのプロジェクトを立ち上げました。

ソトナカプロジェクトの週末zoom会議の様子です。

このプロジェクトそのものも、中途採用で霞が関に来たソトナカ人材と、新卒で霞が関に来た生え抜き人材が、お互いのバックグラウンドに敬意を持ちながらも、お互いの意見をぶつけることができるように運営したいと思っています。そうすることで、より良い提言ができると思っています。

思いをカタチに、思いを声に

今後、こうした思いをカタチにするための提言を行っていきます。ソトナカ人材も生え抜き人材も、趣旨に賛同してもらえる方々には、ぜひ、アンケートへの回答や提言の実現のために声を上げることで、ご協力をいただけると嬉しいです。

加えて、こうした思いを声にして、現役のソトナカ人材が感じている、行政の仕事の魅力も発信していきます。このnoteをご覧になっているかもしれない、今はまだ霞が関のソトで働いている方々にも、少しでも我々の発信にお付き合いをいただければ幸いです。もしかしたら、将来のソトナカ人材になりたい、と思ってもらえるかもしれません。

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