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ソトナカ中舘は見た!霞が関で働く3つの魅力

 はじめまして。ソトナカプロジェクトメンバーの中舘尚人です。現在、経済産業省で働いています。発起人たちの自己紹介投稿に続き、私からは実際に霞が関に転職し、ナカで働いて知った少し意外な魅力についてお話させていただきます。最近は「ブラック霞が関」などとネガティブな話題も多いですが、日本を支える仕事に情熱と誇りを持って働いている人が霞が関には沢山います。霞が関の仕事も様々で、魅力も沢山ありますが、その一部を私の個人的なエピソードを交えてお話させて下さい。

1 「社会を良くしたい」という熱い志を持つ仲間と働ける

 私は2013年に大学卒業後、4年間ベンチャーで働いた後に経済産業省へ転職しました。ベンチャーから霞が関だと「窮屈じゃないの?息苦しくない?」とよく聞かれますが、意外と平気です。確かに、手続きの煩雑さに苦労することもありますが、「社会を良くしたい」という志はベンチャーも霞が関もよく似ていて、青臭い議論をできるピュアな仲間がいる職場は、私にはとても居心地が良いです。

 また、私はベンチャーマインド(?)で、与えられた仕事以外も問題意識を持って勝手に取り組む習性がある(本件もその1つ)のですが、霞が関には頑張っている人を応援しようという雰囲気があります。問題意識を持って動くうちに、次々と仲間が増えて、自分が想像しなかったことまで組織の集合知で実現できるところも霞が関で働く魅力です。

フードテック若手有志で、スマートキッチンサミットに登壇した時の私。

2 世界中の最先端の研究者・経営者と議論する機会がある

 経産省に来て2-3年目に所属したグローバル産業室は出来たばかりの部署で、「テクノロジーの非連続な変化に対応した政策アップデート」が私のミッションでした。ベンチャーの仕事や大企業の新規事業に近く、ミッションだけ与えられて自分から仕事を作り出す仕事だったので、世間一般で言われる、カチッとした霞が関の仕事のイメージと違うかもしれません。

 業務では、最先端の研究者や経営者の方々と議論させていただき、20代の若手でも国を背負う立場だからこそ聞かせていただけるような話が沢山ありました。また、中国の深センやインドのバンガロール、ドイツのフラウンホーファー研究所など海外出張をする機会も多々あり、世界のイノベーションについて調査しました。政策に落とし込む議論をする際も、民間企業でいう役員クラスと直に議論していたので、国家的なビジョンの描き方や政官を巻き込む仕掛けなどが学べ、最高に知的で刺激的でした。私は同僚と比べて、ベンチャーの知り合いも多く、肌感覚もあるので、その観点で組織貢献もできたと思います。

インドのバンガロールのスタートアップイベントにも参加

3 社会的責任が大きく、国にしかできない仕事ができる

 4-5年目に所属したのは「福島第一原子力発電所の廃炉」を推進する部署でした。技術の推進と規制の両方を行う政府で、「技術のポジティブな面だけ見るのはバランスが悪い」と思い、廃炉に携わる仕事を希望して配属されました。実際の業務は「東京電力やメーカー、原子力損害賠償・廃炉等支援機構、日本原子力研究開発機構などと協力し、廃炉を推進する」というものでした。

福島第一原発のデブリの試験的取り出しのロボットアーム

 この仕事は「困っている人の役に立つ」という公務員の原点のような仕事で、社会的インパクトが大きく、その判断や調整は難しい場面も多々ありましたが、やりがいに溢れた仕事でした。霞が関は巨大な組織ですが、業務範囲はさらに広いので、各分野は少人数で担当していたりします。私の廃炉の仕事も数人で担当していて、現場で働く数千人、日本社会全体に影響する廃炉な意思決定をしていたので、その責任の重さに毎日背筋が伸びる思いでした。
 また、原子力については一から勉強しましたが、意外なことに、前職のプロジェクト・マネジメントのスキルが生きる場面が多くありました。

霞が関に馴染みがない人にこそ、飛び込んで欲しい

 このように、私が経験した一部の仕事でも霞が関の仕事はかなり幅があり、様々な魅力がありますし、人によって異なるやりがいを感じると思います。
 現在、日本も霞が関も過渡期だと思います。不確実性の高い時代において、多様性こそが組織の意思決定の質を上げる鍵です。その意味では、外の風を入れる中途採用が担う役割は大きいと思います。

ソトナカプロジェクトの打合せ風景。隣は発起人の吉井さん。

 私自身も転職前は仕事のイメージが湧かず、不安だったので、民間転職以上に敷居が高いというのもよく分かります。だからこそ、本プロジェクトをきっかけに、より多くの方々に霞が関の魅力を知ってもらい、転職先の選択肢として考えてもらえると嬉しいです。

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