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32. ネルケ無方『ただ坐る 生きる自信が湧く 一日15分座禅』

 座禅、もとい、坐禅。
 触れたきっかけは、遠くアメリカから逆輸入されてきたマインドフルネスだった。坐禅の宗教的要素を排除した瞑想、マインドフルネスに関心が強かった一方、日本が誇る「ZEN」もずっと気になっていた。

 そんな坐禅を追求するベルリン出身の著者が描いた「坐禅」の入門書。

 「何にもならない」という坐禅をするのはなぜか。それを考えるのをやめるところから、坐禅ははじまる。
 瞑想とは違い、何もしないのが坐禅だ。いま、ここで呼吸をしているじぶんを見つめる瞑想とは違い、それすらもせず、何もしない。それが坐禅。

 遠い将来、死んでから仏になるために祈る修業ではなく、いまという一瞬を大切に生き、菩薩の実践をするのが修行である。お墓参りだけが仏教ではない。

 そんな仏教の講釈も交えながら、坐禅のやりかたを丁寧に解説してくれる本書。坐禅の基礎姿勢らしい結跏趺坐(けっかふざ)ができない時点で音を上げそうになったが、まずは正しい師匠、正師を探すところから。幸い、近所で座禅の公開講座が開催されるようなので、早速、坐禅の世界をのぞいてこよう。

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