「褒め」と「指摘」に関する発信と受信のギャップをなくす
どんなに良いと思っていることでも、100% 完全に最高に良い、ということは少なくて、何事においても多少の改善点が存在すると思います。
というわけで、今日はマネージャーにおける、メンバーに対する
「褒め (良いところを伝える) 」と、
「指摘 (改善点を伝える)」
における、伝える側と受け取る側のギャップ最小化についての話をします。
伝える側と受け取る側のギャップ
「伝え方が9割」というフレーズがあるように、どれだけ丁寧に伝えたとしても、受け取られる側の「伝わり方」が結果を左右する場合が多いです。そもそも、発信者が意図している情報と受け手が受け取る情報が完全に一致することはほぼありません。ここに、コミュニケーションの難しさがあります。
例えば、あるメンバーがとても良い仕事をしてくれたとします。あなたは「この仕事、9割は素晴らしい!でもあと1割、こう改善すればもっと良くなる」と考えたとします。ところが、この時に発信側がやりがちなミスとして、9割の良い部分を伝えずに、「ここをこうしたらもっと良くなるよ」と改善点だけを伝えてしまうケースがあります。
発信側としては、「基本的には素晴らしい仕事。でも更に良くするために少しだけ改善の余地がある」というニュアンスを伝えたつもりでも、受け取る側は「自分の仕事には改善が必要だ」というメッセージとして100%受け取ってしまいます。
そうすると、頑張っているのに、結構うまくいった部分があると思っているのに、全然褒められないなと言う感想は抱いていて、伝える側の意図とは全く異なった感情を抱いてしまうことがあります。
まず「褒める」から入る
こうした問題を避けるために、まずは「褒める」ことを意識するのが大切です。具体的には、最初にねぎらいの言葉や良かった点を伝えてから、改善点に触れるように心がけます。
「これ、お疲れ様でした!めちゃくちゃ良かったですね。この部分が本当に最高だと思います。次回、さらに良くなるとしたら、こういうポイントを少し〇〇するといいかもしれませんね。」
このように、最初に良い点をしっかりと伝えることで、相手は自分の努力が評価されていると感じ、安心して改善点を受け入れることができます。この形式を「テンプレート」として会話の中に取り入れると、褒めと指摘のバランスが自然に取れるようになります。
マネージャーは全体の仕事を見ていることが多いため、何かを見たときに改善点がすぐに目につくことがよくあります。そして、その改善点を早く伝えたいという気持ちが強くなり、良いところを理解しているつもりでも、つい口から出るのは改善点だけ…ということが起こりがちです。
しかし、それを繰り返していると、メンバーには「褒める」部分が伝わらず、評価されていないと感じられてしまいます。結果的に、発信者の意図とは違う形でメッセージが受け取られてしまうということですね。
何%の褒めを感じているかを数字で伝えても良い
たとえ「褒める」から会話を始めたとしても、伝わり方にギャップが生じることは避けられない場合があります。
例えば、発信側としては「この仕事は9割素晴らしいけれど、1割改善するともっと良くなる」と考え、それを伝えたつもりでも、受け取る側は「褒め50%、指摘50%」と感じてしまうことがあります。これは、受け手が改善点に強くフォーカスしてしまうためです。
こうしたギャップを埋めるための一つの工夫として、「褒め」と「指摘」の割合を、あえて数値で表現してみても良いかもしれません。
例えば、
「全体的に9割は素晴らしいと思っています。ここが本当に良かった。ただ、あと1割だけ改善するとさらに良くなると思っていて、そのポイントは〇〇です。」
みたいな。
具体的な数字を使うことで、発信側が持つ「褒め」と「指摘」のバランス感覚が受け手にも伝わりやすくなります。数字はあくまで感覚的なもので良いので、明示することで伝わるニュアンスが大きく変わります。
信頼関係が築かれる
信頼関係が十分に築かれると、自分が発信する情報にたいして、バイアスがなくなり、受け取り手とのギャップがなくなってきます。
こうなると「自分が見ているもの」と「相手が見ているもの」が一致した状態で会話ができるので、10% の指摘の話をしているときも、相手は90%の褒めを理解している状態になります。
こんな感じで仕事ができると、コミニケーションが非常に円滑になるので、仕事もしやすい関係性になりますね。
ただし、最初からこの状態である事はほとんどないので、上で伝えたようなことを繰り返して、自分がどういうニュアンスであなたにコミニケーションとってるんですよということが伝わるまで丁寧に話す必要があると思います。
何が言いたいかと言うと
SNSで全員が怒り合ってるのは、この10%の部分のみで会話しているからだよな、と思っています (なぜなら140文字で残りの90%を伝えきれないから)
まあそれはどうでもいいけれど。
あと、DQ3 のリメイクは「とはいえまあこういう点はもうちょっと良くできると良いなぁ(5%)」はありつつも、「良い…良いぞ…(95%)」だったので、良いという情報を発信していった方が良いよね、と思ったのでした。
(いや、案件ではないw)