寺町聡太朗

苦節22年。その想いを綴ります。

寺町聡太朗

苦節22年。その想いを綴ります。

最近の記事

Vol.4 新生活

大学を卒業すれば皆、社会人として会社や公務に勤しむ日々の始まりである。定年まで働き続けるのだ。 と聞けば一見、退屈で憂鬱な日々の始まりかのように思えるが、最近は働き方改革により、昔のような"労働者"を強いられることも少なくなってきている。仕事が娯楽なんて時代が来てもおかしくない。 僕も彼ら同様(少し異なるが)派遣社員として、現在テレビ局の報道制作を任されている。新しい仕事は覚えるまで不安だが、慣れればそんなに苦ではなくなる。毎日同じような日々が連続するようになる。 とはいえ、

    • Vol.3 島に行って

      とある映像の撮影で島に行った。 高層ビルが生み出す侵された空気、電車が鉄のレールにぶつかり合う鈍い音、学生が酒を飲み、女を抱き、馬鹿騒ぎする騒音、ピタピタのスーツを着た営業マンが忙しなく会社に向かう風景。 そんな日々を当たり前のように送っていた。 もはやそんな毎日を、不快だと思うことも無くなっていた。 僕は自主映画を制作するために島に向かった。青い青い海の風景がどうしても撮りたかったからだ。 片道900円。一時間ほど船に乗り、着いた先はまさに別世界だった。 川端康成の雪国

      • Vol.2 愛すべき最強のゾンビ映画

        僕はとにかくゾンビ映画が好きである。小学校低学年くらいか、親が収集したDVDをこっそり漁っていると、なにやら面白そうな表紙の映画を発見した。 エドガーライト監督『ショーンオブザデッド』である。 この時、はじめてその映画を手に取り、当時の僕はまさかそれが生涯に渡り自分の血となり肉となり、感受性の基となるものとは思いもよらなかったであろう。 僕は古いDVDプレーヤーに入れ、再生ボタンを押した。 それからあっという間に時間が経った。 あまりの面白さにすぐにエンドロールを迎えた。

        • Vol.1 映画と音楽に魅せられた。

          「不甲斐ない」「みっともない」「ださい」 そんな生き様を10代の頃に過ごした。 特に夢もなく、地元の友達と団地で遊んで、ヤンチャして、部活も勉強も適当にして、恋人も作らず、授業中に暗い小説ばかり読んで、世の中の全ての事象を捻くれた視点で俯瞰的にだらだらと見ていた。 結局僕は大学受験に失敗し、地元の私立大学に不本意に通うことになった。 そんな捻くれた、カッコ悪い僕は、映画と音楽に出会う。 「トレインスポッティング」 ドラッグ中毒の男達が送る馬鹿げた青春、 彼らが魅せる青