Vol.1 映画と音楽に魅せられた。
「不甲斐ない」「みっともない」「ださい」
そんな生き様を10代の頃に過ごした。
特に夢もなく、地元の友達と団地で遊んで、ヤンチャして、部活も勉強も適当にして、恋人も作らず、授業中に暗い小説ばかり読んで、世の中の全ての事象を捻くれた視点で俯瞰的にだらだらと見ていた。
結局僕は大学受験に失敗し、地元の私立大学に不本意に通うことになった。
そんな捻くれた、カッコ悪い僕は、映画と音楽に出会う。
「トレインスポッティング」
ドラッグ中毒の男達が送る馬鹿げた青春、
彼らが魅せる青春が行き詰まった世の中でどのように生きようか悩んでいる自分自身の心に強く響いた。
まさに僕はこの時、映画というドラッグに溺れたのである。
映画を通してさまざまな人間の生き様を魅せられ、なにか不安で恐ろしいものに現実でぶつかっても、映画の中の登場人物が背中を押してくれるのだ。
もう僕には怖いものはない。そう思えるようになった。
音楽はロックが好きだ。
the whoのギターリストピートタウンゼントが「my generation」の終盤でギターを振り回して、舞台を爆発させるシーンに心を打たれた。
音楽が爆発した。
いつのまにか毎晩、ヘッドホンで音楽を聴き漁るようになった。
酷い時には、一人でヘドバンしていつのまにか朝になっているなんてこともあった。
彼らがかっこよくて仕方がなかった。
そんな僕はなんとか今の今まで、この愚鈍な社会を生き延びてきた。
とにかく僕は、「正直に」「馬鹿なことにも全力で」「くだらないことで笑って」「ささいなことに幸せを感じて」「泣きたい時は泣いて、弱音吐きたい時は吐いて」「死ぬほど頑張って、死ぬほどサボって」「酒飲んで、映画を見て、本を読んで、映画を見る」
という生活をかれこれ2年送った。
その2年間の間で夢もできた。
「映画監督」
これが今の僕の夢である。
映画に魅せられ、救われた僕は、
誰かの背中を少しでも押してあげれるような、その人のヒーローになれるような映画を制作したい。
その為にお金を貯めて、地元の映画監督の下で学ばせてもらって、自主映画をたくさん撮る!
つまり、これは僕の、これから映画監督になる僕の、最初の手記である。
2022/1/30
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