教員の「お悩み共有会」をしてみた

３月末に立ち上げたFacebookグループ「先生のための教材・ノウハウ共有プラットフォーム」でオンラインイベントを開催した。

イベントの中身は「お悩み共有会」。いま、教員が抱えている悩みや考えを共有しようという会にした。時間の都合上、すべての悩みについて深く話すことはできなかったため、どちらかといえば参加者の交流に重きを置くことにした。一方で、出てきた悩みはリスト化して、今後のオンラインイベントのテーマに生かすこととした。

開催直前の告知にもかかわらず、参加者は１０名以上に上り、１時間の予定時間をオーバーするほど活発な意見交換が行われた。共有された悩みや考えを以下に挙げていく。

（１）教育現場に求められる「変化」にどう向き合うか
・コロナによって教育現場ではオンライン授業化など、色々なことが変化した。
・人それぞれ「変えたいこと」「変えたくないこと」色々あると思うが、「教え方」に関しては今後変わっていく必要があると思う。
・学校へ行き、授業を受ける、というだけの従来のやり方を変える時がやってきたと実感している。
・新しい柔軟な考え方で、積極的にオンラインで発信し、全国で繋がることが大事だと思う。

（２）大学教員から見た中学・高校の教員像
・中高の先生は教材研究に熱心で、授業内容もとても工夫されているという印象。ぜひ刺激を受けたいし、ノウハウを教えて欲しい。

（３）教育実習生についての考え
・教員として大切な心構えはどのようなものだと考えるか、どう教育実習生に伝えるか？
・実習生は必ずしも全員が教員になってくれるわけではない。
・「教育でしか社会を変えることはできない」という言葉が自然と湧き出てきたため、実習最終日にそれを伝えた。
・すぐにではなくても、将来いつかは教壇に立って欲しい。
・教育というフィールドにおいて、教員の仕事は唯一変えのきかない仕事だと思う。
・どのような人が実習生として来て欲しいか・鍛えがいがあるか？
・挨拶ができる、など人として当たり前のことができる人、コミュニケーションを取れる人
・子供に興味がある人、授業は下手でも愛情を持って接することができる人
・学校現場に不満を持っている人→何かやってくれそうで興味が湧く。

（４）タブレットの活用
・タブレットは、授業よりも先生同士のコミュニケーションツールとして活用したらどうか？
・授業教材や課題を紙ではなくタブレットで生徒に共有し、提出してもらうのは、時間短縮できてとても良い。
・リーダー格でない子たちも、タブレットを活用して先生に意見を伝えやすい(少数意見にも目が届く)。

（５）学校の教育方針と教員の指導スタイル
・学校としての方針を、具体的な指導にまで落とし込めていない。
・どのような人を育てたいのか、軸となる考え方が共有されていない。
・先生によって教え方、授業展開が全然違う。
・一応の方針はあるものの、結局は個人プレーで、統一感はない。
・共有や相談をしないと達成できないはずなのに、共有したり話し合ったりする場もない。
・無難に卒業させられればそれで良いという考えなのかも。

（６）教育現場ではなぜ「共有」が進まないのか
・先生の仕事は、ある意味「職人芸」であり、一度確立させたスタイルを変えることは難しいため、共有しても意味がないと思うのかもしれない。
・職人芸だからこそ、共有することでノウハウを蓄積していくことが大事ではないか。
・どのような指導をしているのか、他の先生に見られる機会があまりない。
・もしくは、見られたくないから見られないようにしている(自信がないから等)。

（７）生徒のキャリアを考える活動
・将来何をやりたいのか、どのように生きていくのか、小さい頃から考えてもらう。
・弱みを強みに言い換え、自己肯定感を高める。

（８）共有できる土壌の形成
・職員室では悩みや考えを共有をしづらい(関係が近すぎる)。
・考え方を共有しても、「でも私はこうだから」というスタンスで、受け入れてもらえない。
・オンライン上だからこそ、共有しやすい。
・話し合える土壌・文化を築くことが大事

今回のイベントを終えて、改めて「共有する」ことの大切さや価値に気づくことができた。その必要性を強く感じている教員が多いことも分かった。「飢えている」と言ってもいいくらいだ。

このグループ設立の背景は色々あるが、「教員って意外と孤独なんじゃないか」という問題意識が一番大きい。「共有する」ことのハードルは思ったよりも高いが、このグループでの地道な活動が一助となればと思う。

今回のイベントで出てきた悩みはどれを取っても深く考えることができる。今後も積極的にイベントを行っていこうと思う。

共感された、または関心を持たれた方はぜひグループにご参加ください。
https://www.facebook.com/groups/266761111673406/

#教育 #教師のバトン