軍事戦略を学んで一騎当千になろう!(『孫子』編その2)


はじめに

『孫子』はすでにたくさんの書籍が発売されています。
では、自分にあった1冊を見つけるにはどうすればいいのか?
たくさん読めば、いずれ見つかりますが、どんなタイプの本が出ているのか知っておくのもいいかと思います。

ここでは、出版されている本の種類について解説します。

『孫子』は漢文です。
原文と読み下し文がついているかどうかは、ここでは触れません。
これは、戦略を学ぶ時には読み飛ばす方が多いと考えられるからです。
必要な場合は、原文や読み下し文がついている本を参照してください。

書籍分類(和訳)

『孫子』は中国語で書かれているため、中国語が分からない場合は和訳を読まなければいけません。和訳は2つに分類できます。

1.完訳

『孫子』の全文を和訳しています。
主に、学術的な本に採用されています。
『孫子』を学ぶ上で、完訳版を一度は読んでおきたいところです。

2.抄訳(語録集含む)

著者が『孫子』のいい所を抜粋し、和訳している本になります。
全文は載っていません。
最初に読む場合は、負担が少なくなる抄訳も選択肢に入れてもいいかと思います。

書籍分類(解説)

1.注釈

『孫子』の原文などを読む際に参考になる情報が載っています。
原文や読み下し文を自分訳にするときに役に立ちます。

2.通常解釈

『孫子』を忠実に解釈している物を指します。
特徴としては、『孫子』の時代に焦点を合わせて解説が書かれているところです。
『孫子』を学ぶためにも、1冊は持っておきたいタイプになります。

3.軍事解釈

『孫子』を現代の軍事分野にまで幅を広げた解釈となります。
軍事知識がない場合は、読んでいてもよく分からない時が出てくるかもしれません。
最初は避けた方が無難です。

著者や本の内容を見てもらうと、このタイプかどうか判断できます。

4.ビジネス解釈

『孫子』の内容を、ビジネスに応用するための解釈です。
今すぐに『孫子』を活用したい場合は、このタイプの本を求めてください。
内容も分かり易いと思います。
ビジネスだけでなく、色々な場面(受験・人間関係など)での解釈も豊富にあります。

タイプ別おすすめ分類

特に軍事に興味がない場合は、「ビジネス解釈」がおすすめ。
ビジネスの事例が豊富に使われているので、軍事知識がなくても取り組みやすいです。『孫子』の和訳には、こだわらなくてもいいでしょう。

『孫子』の解説を重視するなら、「完訳」+「通常解釈」を選びましょう。
このタイプは、他の書籍の参考文献として挙げられていることが多いので目にされている場合もあるかもしれません。。

腰を据えて『孫子』を学ぶ時は、「完訳」+「軍事解釈」を選びましょう。
このタイプには、『孫子』の時代の軍事知識だけでなく、現代の軍事知識も含まれており、今後の『孫子』だけでなく軍事戦略を学んでいくためにも必要不可欠です。

どの本を選べばいい?

様々な『孫子』の本の分類を書いてきましたが、組み合わせが多数ある『孫子』のおすすめの本はどれなの? という疑問が浮かんだ方は、以下を参考にしてください。
筆者も同じ方法で、自分に合う『孫子』の本を探しました。

1.図書館に行く

前回も書きましたが、『孫子』の本は豊富に出版されており、地元の図書館に数冊は所蔵されているはずです。ない場合は、予約や取り寄せをしてください。
図書館の往復は要りますが、大量の『孫子』の本に出合えます。
もし、有るようでしたら以下の本を借りてみてください。
多くの参考文献に挙げられている本です。

○『孫子』 浅野裕一 著  講談社学術文庫

○『孫子』 金谷 治 著  岩波文庫

上級者向けですが、図書館なら借りれるので試しに借りてみてください。

○『孫子・呉子』(新釈漢文大系) 天野鎮雄 著 明治書院 

2.本屋に出撃

図書館を同じ発想です。
大きい店舗であれば、本を検索していただき、『孫子』の現物の本を取ってください。
その中から読み通せそうな本を1冊購入いただき、読んでみてください。
読破できそうにない場合は購入をいったん控えてください。
『孫子』以外の本を読んでからの方がいい場合があります。

大切なのは、通読することです。

3.読み終わった本の参考文献を見る

一番おすすめの方法です。
読み通せた本の参考文献を見ると、たまに『孫子』が載っている時があります。
少なくとも、著者も参考文献の『孫子』を読んでいるでしょうから、読み終わった本の内容の理解も深まる可能性があります。

筆者は、この方法で『孫子』を学び始めました。
最初は、参考文献をたどりまくって『孫子』の本を手当り次第に読み漁り、自分にしっくりくる本に出合うことができました。
いつ、自分に合う『孫子』の本が見つかるか分かりません。
これっ!、という本に出合うまでも『孫子』の学びと思ってください。

みなさんが、自分にぴったりの『孫子』の本に出合えますように!

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