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一人読書会『連続殺人鬼カエル男』

中山七里さんのこれを読んだのは、今回で2回目。
内容も何も覚えていなかったので初見の様に夢中で読んでしまった。
同じく、中山七里さんの御子柴弁護士シリーズ『贖罪の奏鳴曲』を先に読んで、この人、凄い!!と感動し、ここに出た登場人物が過去に読んだ『カエル男』にも出ていたと知り、再読した。
『カエル男』を1回目読んだ時は、「残酷、グロテスク」のイメージしかなかったのは、どうしてだろう!なんと繊細で緻密に構成されたストーリーではないか!テーマパークの様に色んな仕掛けで読者を夢中にさせてくれるものがいっぱい詰め込まれている。本当にこの人、天才!!
でも、こんなに上質な手の込んだ内容に対して、表紙と、タイトルが違う気がする。解説にもあるように、敢えてB級サイコスリラーっぽさを出したのだろうか。でも、ファンとしては、見た目で一定の読者しか手に取らないかもしれない気がして、いや、表紙だけで判断しないでって言いたくなる。

内容は、少しでも、ネタバレになると怖いので、ここでは書かないが、障害者と健常者の違いとか、そもそも分けられるのかとか、社会的弱者の存在が必ずあると言うテーマ性も、考えされられ、胸にずしりと響いた。
あぁ、こんな素晴らしいストーリーを考えられる人が本当に信じられない。本を読むことで、作者の頭の中を少し、共有出来た気がして嬉しくなる。物の見方や、心の感じ方って、奥の方は、デリケート過ぎて、普段、一緒に生活している人達とは共有出来ない。でも、本を読むと、他人のそこが(それでも見せられる表面部分だけ)少し見られて面白いのだ。また、大好きな作家が増えて嬉しい。

今調べると『ふたたび』と言う2巻が出てるじゃないか!絶対読むー!!

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