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問題Ⅱ-2の対策法:資源工学部門「資源循環及び環境浄化」~技術士第二次試験~

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最後の5%分は、添削を受けたい方向けの記事です。

技術士第二次試験「選択問題Ⅱ-2」の対策法について、資源工学部門「資源循環及び環境浄化」科目を対象として以下に私見を述べます。

【1】 注意事項

・100点の答えにはなりません
・60点を目指すヒントとして捉えてください
★あくまでも、自力で考えることを忘れないでください。


【2】 問題Ⅱ-2の過去問

https://www.engineer.or.jp/c_categories/index02022228.html

 「日本技術士会」HPに公表されていますので、上記リンクより参照してください。


【3】 過去問の傾向

3.1 過去問題の「テーマ」(△△△を○○○する)

 過去問題の「テーマ」(△△△を○○○する)は、非常に多岐にわたっている。H25年~R05年の問題Ⅱ-2の各テーマを以下に記載する。なお、R01年の試験制度改正前後で各問題のテーマの整理を区分する。

★H25~H30年(試験制度改正前)
1)廃棄物のリサイクル処理を行う際にはエネルギーや副原料を必要とし、また、廃棄物や副原料を輸送する過程でもエネルギーを消費する。つまり、リサイクル製品をつくろうとした場合、 かえってエネルギーや資源を大量に消費してしまう場合もある。このため、リサイクルをした方がよいのか、それとも廃棄物としてそのまま処分してしまった方がよいのかを定量的・科学的に評価・判断する。

2)金属鉱業等における鉱害は、他の一般産業と異なり、事業活動の終了後も坑口からの排出水、集積場からの浸透水などの坑廃水に含まれるカドミウムやヒ素等の重金属による水質の汚濁、農用地の汚染をもたらすことが少なくなく、放置すれば、人の健康被害、農作物被害等の深刻な影響を引き起こすこととなる。このため、坑廃水が発生する特定施設(坑道、集積場等)では、坑廃水処理場を設置し、坑廃水が公共用水域に流入する前に無害化(坑廃水処理対策)を行っている。 この背景を踏まえ、新たに特定施設におけるカドミウムやヒ素等の重金属の処理場を設置する。

3)一般廃棄物の溶融炉は、一般廃棄物の焼却によって発生する灰等の焼却残さを溶融する灰溶融炉と、一般廃棄物を熱分解して熱分解ガスとチャーという燃料に改質して高温燃焼(溶融)するガス化溶融炉に分けられる。溶融スラグは溶融処理によって製造され、冷却方法により、水砕スラグと徐冷スラグに分類できる。その一次資材(調整を含み、素材としてそのまま利用)としての主要用途は、土木資材と建築資材である。二次資材(加工して製品として利用)は、消波ブロック、インターロッキングブロック、タイル等としての用途もある。この背景を踏まえ、新設の一般廃棄物溶融施設で発生する溶融スラグの有効利用推進を計画する。

4)使用済み製品から有用物を回収して素材やエネルギーとして利用するため、一般に資源リサイクルプロセスでは、分解、切断、破砕などを経て有用物を不用物から分離した後、有用物を選択的に選別し回収する。最近は、色々なセンサーや解析装置の開発が進み、選別工程において種々のセンシングシステムを用いたソーティング(Sorting)技術が手選や他の選別法に代えて導入され始めている。この背景を踏まえ、ソーティング装置を導入した新しいリサイクル工場の建設を計画策定する。

5)製品のライフサイクル (生涯) 全体で環境負荷や環境影響を評価する手段に「ライフサイクルアセスメント」 (LCA) がある。環境負荷として地球温暖化の主要な原因物質であるCO2を取り上げ、プラスチックの成型品の製造を、①天然原料から新規樹脂を製造し、成型してプラスチック製品として利用するケース(オリジナルプロセス)、②廃プラスチックから再生樹脂を製造し、成型してプラスチック製品として利用するケース(リサイクルプロセス)、の2つをCO2削減の観点から製品のライフサイクル全体で評価する。なお、使用後の製品が①、②とも焼却処理される場合を想定する。

6)一般に資源リサイクルプロセスでは、分解、切断、破砕などを経て有用物を不用物から分離した後、有用物を選択的に選別し回収する。最近は、使用済み製品から有用物を高い回収率で選別し、素材やエネルギーとして多用途に高度利用するため、従来乾式プロセスであった選別工程の一部に湿式プロセスを導入することが行われている。この背景を踏まえ、リサイクル工程に湿式選別プロセスを導入することを計画策定する。

7)廃家電製品リサイクルプラントの処理工程におけるプラスチック処理に関し、資源循環及び環境に携わる技術者としてマテリアルリサイクルを進める。ただし、家電製品は「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」の対象品目を想定する。

8)選鉱、資源リサイクルプロセスでは、分解、切断、粉砕などを経て有用物を不要物から分離した後、有用物を選択的に選別し回収する。一般的に、処理プロセス全体で必要とするエネルギーの中で粉砕プロセスにおいて消費するエネルギーが大きな割合を占めるといわれている。そこで、選鉱、資源リサイクル工程に効率的な粉砕プラントを建設することを計画し、検討することになった。この計画策定の責任者として業務を進める

9)新設工場の排水処理計画は、長期にわたり広範な調査をする必要がある。この条件を踏まえ、工場内対策を含め、新設工場の排水処理計画を策定する。

10)土壌汚染浄化技術の適切な選定と設計のためには、まず詳細調査を行い、地質状況や汚染物質の存在状況など、サイトの特性を十分に把握した後に、サイトの特性と土壌汚染対策目標を考慮の上、当該サイトにおいて適用可能な浄化技術のスクリーニングを行う。スクリーニングの結果、ある原位置浄化技術が適当と判断され当該サイトに適用することを計画し、検討する。

11)容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 (容器包装リサイクル法)におけるプラスチック製容器包装(ペットボトルを除く。)のマテリアルリサイクルに関し、次の①および②を検討する。①マテリアルリサイクルにおける前処理の必要性、②バージン資源から作られるプラスチックをマテリアルリサイクルして焼却処分する場合(リサイクルプロセス)とマテリアルリサイクルせずに焼却処分する場合(オリジナルプロセス)におけるCO2発生量の比較・評価手順

12)ペットボトルからペットボトル(ボトル to ボトル)に戻すマテリアルリサイクル(メカニカルリサイクル)がその他のマテリアルリサイクルと比較して優れている点として、①資源循環性が高い水平リサイクル、②リサイクル義務を生産者に課した容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)の趣旨に沿っている、③元に戻るという意味で消費者に伝わりやすいリサイクルである、を挙げることができる。これらの背景を踏まえ、メカニカルリサイクルによるボトル to ボトルを実現する。

★R01~R05年(試験制度改正後)

1)電気・電子製品を構成する部品や部材の中には、貴金属のような有価な金属資源が多く含まれている。部品や部材を製造する工場 (メーカー) では、何らかのエラ一により製品機能が使用に満たない不良品や加工段階での廃材が発生する。この背景を踏まえ、それら工場から不良品や廃材を引き取り、貴金属を回収するリサイクル事業を新たに立ち上げる。

2)廃棄物の3Rを推進するためには、排出元での適正な分別が必要である。次の①および②に示す条件で新設される国内工場で、主に生産工程より発生した可燃性廃棄物の処理に関する業務を立ち上げる。①新工場は、既存工場とは異なる都道府県に設置。②新工場での生産は、既存工場と同じ製品を同じ工程で生産。

3)第1種特定有害物質(揮発性有機化合物)で汚染されたサイトに対して、汚染物質濃度、汚染物質が存在するサイト特性 (透水性、 飽和 不飽和、 不均一性等)及び土壌汚染対策目標を考慮した上で、 当該汚染サイトに土壌ガス吸引法を適用することに決定し、当該サイトで浄化業務を進める。

4)水銀及びその化合物の人為的な排出及び放出から人の健康及び環境を保護することを目的とし、2017年8月16日に「水銀に関する水俣条約」が発効され、水銀の大気への排出の削減が求められている。国内では、大気汚染防止法施行規則に基づいて、この水銀に関する水俣条約付属書Dに規定されている5種類の発生源の一部を水銀排出施設としている。この水銀排出施設の排出ガス処理施設であるバグフィルターを交換する。

5)都市再開発や脱炭素化社会へ向けた社会的な動きを受けて廃棄される業務用空調機器を受け入れて、 リサイクル処理をする新規事業を推進し、この事業を拡大させる。なお、新規事業の概要は次の①~③のとおりである。①受け入れ開始は、2021 (令和3)年11月より。②既に、金属リサイクル事業を営んでおり新規事業に関する産業廃棄物収集運搬業及び処分業の許可は得ている。③新規事業では、回収した業務用空調機器を自社で解体選別した後、 選別した素材ごとに専業メーカーに原料として販売又は廃棄物として処理を再委託する。

6)第2種特定有害物質 (重金属等)で汚染されたサイトに対して、セメント系材料を用いた固化・不溶化処理を適用することに決定した。 この決定を踏まえ、固化・不溶化処理業務を進める。

7)新規事業として、再生可能エネルギーの主力電源と位置づけられる太陽光発電で用いられた太陽光パネルを産業廃棄物として受け入れて、次の①および②の再資源化処理をすることになった。①選別処理をした物を、原料としてメーカーへの販売及び産業廃棄物処理業者に再委託。②受け入れる太陽光パネルの構造例を下図に示す。この背景を踏まえ、処理ラインの新規設計及び立ち上げに関する業務を進める。

太陽光パネルの構造例

8)第二種特定有害物質(重金属等)で汚染されたサイトに対して、汚染物質の種類、濃度、サイト特性 (透水性、 飽和 不飽和、不均一性等) 及び処理目標基準に対して最適であると判断したうえで、原位置浄化技術の地下水揚水法を適用することに決定した。この決定を踏まえ、当該サイトで地下水浄化業務を進める。

9)汚泥を対象に減容化及び再資源化を行う廃棄物処理施設内の沈降濃縮設備(シックナー)が老朽化し、更新を検討することになった。この設備更新計画のうち、主として設備設計を行う。

10)地中の汚染土壌から浸出する汚染水 (ヒ素などの重金属イオンを含む)の拡散を防止するために、地中内に透過反応壁(PRB: Permeable Reactive Barrier) を構築する工法がある。この工法は、対象物質を吸着又は分解除去する資材を用いて地中に透過性を持つ壁を構築し、壁を通過する過程で汚染水を浄化するものである。この工法を踏まえ、入念な事前調査が実施され、汚染水の拡散防止として透過反応壁の構築が決定された汚染サイトにおいて、透過反応壁の構築工事を施工管理する。

★「テーマ」設定の有効性
 これらの「テーマ」(△△△を○○○する)を参考に、「資源循環及び環境浄化」科目に関する各受験生の経験業務または最近のトピックを抽出することが、R06年以降の想定問題作成に有効と考える。

3.2 設問(1)の傾向・対策

 R01年以降、設問(1)~(3)の問題文は、部門・科目により違いがあるものの、おおむね統一されている。「資源循環及び環境浄化」科目のR01年以降の設問(1)では、問題文がおおむね以下の問いかけとなっている。

 ★ 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

 また、課題文では「・・・を担当する責任者として、・・・」と記載がある。これを引用して、下記の標準問題文とする。

★「テーマ」(△△△を○○○する)の担当責任者として、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

 この「テーマ」は、H25~H30年(旧試験制度)の過去問題、または受験生自身の体験業務を引用するのがよいと考える。

3.3 設問(2)の傾向・対策

 R01以降、「資源循環及び環境浄化」科目の設問(2)は、以下の問題文でほぼ共通である。

★ 留意すべき点、 工夫を要する点を含めて業務(または事業)を進める手順について述べよ。

 R06年以降の設問(2)も、上記問題文で出題されると考える。

3.4 設問(3)の傾向・対策

 R01以降、「資源循環及び環境浄化」科目の設問(3)は、以下の問題文でほぼ共通である。

★ 業務(または事業)を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

 R06年以降の設問(3)も、上記問題文で出題されると考える。

【4】 問題Ⅱ-2対策

 「資源循環及び環境浄化」科目の問題Ⅱ-2対策として、前述した内容を踏まえ、以下に示す3つのレベルに対応する想定問題を作成し、その問題への解答論文の作成を提案する。さらに、本対策では既技術士等に添削を受けることで、解答の質を上げられると考える。
 なお、各レベルの課題文{設問(1)より手前の問題文}は、受験生各自で設定してください。

4.1 レベル1

 「テーマ」(△△△を○○○する)として、R01~R05年過去問題の課題文のいずれかを選択し、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)「テーマ」(△△△を○○○する)の担当責任者として、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務(または事業)を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務(または事業)を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

4.2 レベル2

 「テーマ」(△△△を○○○する)として、H25~H30年過去問題の課題文のいずれかを選択し、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)「テーマ」(△△△を○○○する)の担当責任者として、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務(または事業)を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務(または事業)を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

4.3 レベル3

 「テーマ」(△△△を○○○する)として、「資源循環及び環境浄化」科目に関する各受験生の経験業務または最近のトピックを1つ挙げ、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)「テーマ」(△△△を○○○する)の担当責任者として、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務(または事業)を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務(または事業)を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

【5】 添削

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