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問題Ⅲの対策法:上下水道部門「上水道及び工業用水道」~技術士第二次試験~

技術士第二次試験「選択問題Ⅲ」の対策法について、上下水道部門の「上水道及び工業用水道」科目を対象として以下に私見を述べます。

【1】 注意事項

・100点の答えにはなりません
・60点を目指すヒントとして捉えてください
★あくまでも、自力で考えることを忘れないでください。


【2】 問題Ⅲの過去問題

 「日本技術士会」HPに公表されていますので、上記リンクより参照してください。

【3】 過去問題の傾向の整理

3.1 過去問題の「テーマ」(△△△を○○○する or させる)

 過去問題の「テーマ」(△△△を○○○する or させる)は、非常に多岐にわたっている。H25年~R05年の問題Ⅲの各テーマを以下に記載する。

 このテーマでは、後述3.2~3.4節に示す設問(1)~(3)の標準問題文に解答できるように、過去問題文を変更した。

 なお、R01年の試験制度改正前後で各問題のテーマの整理を区分する。

 3.1.1 (後日記載予定)H25~H30年(試験制度改正前)

1)H25(2013):Ⅲ-1
 
(後日記載予定)。

2)H25(2013):Ⅲ-2
 
(後日記載予定)。

3)H26(2014):Ⅲ-1
 (後日記載予定)。

4)H26(2014):Ⅲ-2
 (後日記載予定)。

5)H27(2015):Ⅲ-1
 
(後日記載予定)。

6)H27(2015):Ⅲ-2
 
(後日記載予定)。

7)H28(2016):Ⅲ-1
 
(後日記載予定)。

8)H28(2016):Ⅲ-2
 
(後日記載予定)。

9)H29(2017):Ⅲ-1
 
(後日記載予定)。

10)H29(2017):Ⅲ-2
 
(後日記載予定)。

11)H30(2018):Ⅲ-1
 (後日記載予定)。

12)H30(2018):Ⅲ-2
 
(後日記載予定)。

 3.1.2 R01~R05年(試験制度改正後)

1)R01(2019):Ⅲ-1
 我が国の水道普及率は約98%となり、ほとんどの国民が水道を利用できるようになっている。一方で近年の水道を取り巻く環境は大きく変化し、特に水道水に対する安全性・快適性への関心がますます高まっていることから、今後はさらにレベルの高い水質管理を実践することが求められている。
 このような状況を考慮し、安全・快適な水道水を供給する。

2)R01(2019):Ⅲ-2
 日本の水道は、水道の普及率が急上昇した高度経済成長期に、水道施設の整備が進んだが、現在、安全性・安定性やサービス水準等の質的な面で十分といい難い施設も多くある。また、その当時に整備された施設の多くが耐用年数を迎え老朽化している。
 このような状況の中で、将来にわたって、給水の安全性・安定性を維持していくためには計画的に水道施設の改良・更新を行い、施設の再構築を進めていくことが必要となる。
 これらを踏まえ、水道施設の再構築計画を立案する。

3)R02(2020):Ⅲ-1
 配水区域を設定する際は、水源や浄水場の位置及び地形、水需要の実態等を考慮するが、これまで給水区域は、水需要の増加に伴い段階的な拡張を行ってきたことから、個々の配水区域は様々な問題を抱えており再編が必要になっている。配水区域の再編に際しては、配水区域内の水質の均等化に加え、水量・水圧のコントロールが容易となるように考慮するほか、管路事故や災害時にも対応が容易であることも求められる。
 これらを踏まえ、配水区域を再編する。

4)R02(2020):Ⅲ-2
 水道事業では、外部環境として、原水水質の悪化、水需要の減少及び自然災害の頻発化への対応等の多くの課題を抱えている。また、内部環境として、水道事業の基幹施設である多くの浄水施設で老朽化が進んでいる。このため、今後の水道水の安定供給に向けた浄水施設の更新や機能強化を行う。
 設問(1)では、浄水施設に関し、水質、水量、強靭の観点から課題を抽出することとして、標準問題文に対し解答せよ。
 設問(2)では、「強靭の観点に関して、近年の自然災害を踏まえ、最も重要と考える課題を1つ挙げるものとして、標準問題文に対し解答せよ。

5)R03(2021):Ⅲ-1
 中小規模の水道事業者の多くは、人口減少に伴う水需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等に直面しており、技術的・財政的に様々な課題を抱えている。さらに、市町村合併等が行われた地域の水道事業者においては、浄水場等の水道施設が点在し、運転監視装置の設備機器構成や仕様が異なることにより、運転管理や保全管理が複雑になっている場合があり、適切な維持管理を難しくしている。
 上記の状況を踏まえ、水道施設の監視制御システムを整備する。

6)R03(2021):Ⅲ-2
 我が国の水道事業を取り巻く事業環境は、人口減少に伴う給水収益の減少、施設・ 管路の老朽化等に伴い、急速に厳しさを増している。このため、市町村の区域を超えた広域的な水道事業者間の多様な連携(広域連携)などによって今後の事業基盤を確立することも効果的である。
 一方で、料金格差等の課題があるため、短期的には経営統合の実現が困難な地域も多くみられる。このような地域における広域連携方策を検討する。
 設問(3)では、標準問題文に対し、中長期的な視点も含めた考えを示した上で解答せよ。

7)R04(2022):Ⅲ-1
 我が国の水道事業においては、人口減少等に伴う水需要の減少や施設の老朽化に伴う更新需要の増大など、経営環境が厳しさを増している。
 このような中で、将来にわたり 安定した事業経営を継続するため、抜本的な改革等の取組を通じ、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図ることが求められている。
 収支を維持することが厳しい事業環境の水道事業体において、経営戦略の改定を検討するとともに、持続可能な水道事業の運営を担う。
 設問(3)では、標準問題文に対し、中長期的な視点も含めた考えを示した上で解答せよ。 

8)R04(2022):Ⅲ-2
 
2019年10月1日に施行された改正水道法において、水道事業者等は水道施設を良好な状態に保つため、その維持・修繕を行わなければならないこととされた。また、改正法の施行に伴い、法に定める基準として、水道法施行規則が改正され、水道施設の点検方法や頻度と範囲、点検により異状を確認した際の維持・修繕の措置、コンク リート構造物における点検及び修繕の記録等の基準が定められた。
 上記の状況を踏まえ、コンクリート構造物の水道施設を良好な状態に保つ。 

9)R05(2023):Ⅲ-1
 水道事業は我が国の生活基盤を支えるインフラとして重要な役割を果たしており、水道管路の総延長は72万kmに達し、膨大な資産を有している。
 水道事業の年間電力消費量は74億kWh/年、CO2排出量は422万tCO2/年となっている。2015年の国連サミットにおいて、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため に、持続可能な開発目標(SDGs) が2030年を年限とした17項目の国際目標が設定された。SDGsの達成に向けて、政府においてはアクションプランを公表しており、水道事業 においても計画的な取組が求められている。
 設問(1)では、標準問題文を次の(※)におきかえて解答せよ。
 (※)水道事業においてSDGsの達成に向けて、「6. 安全な水とトイレを世界中に」、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」 の目標に対して、技術者としての立場で多面的な観点で、2つ以上の目標から3つの重要な課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。。

10)R05(2023):Ⅲ-2
 日本の水道は、人口減少に伴う給水収益の減少や水道事業者の技術者不足に加え、高度経済成長期において集中的に整備してきた水道施設の老朽化の増大が顕著となっている。また、耐震化の遅れや多数の水道事業者が小規模であり経営基盤が脆弱である。
 これらの課題を解決し、将来にわたり、安全な水の安定供給を維持していくためには、水道事業の基盤強化を図ることが急務となっている。
 上記の状況と改正水道法による国の基盤強化の基本的な方針を踏まえ、水道事業の持続性を確保する。

 3.1.3 「テーマ」設定の有効性

 これらの「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を参考に、「下水道」科目に関する各受験生の経験業務または最近のトピックを抽出することが、R06年以降の想定問題作成に有効と考える。

3.2 設問(1)の傾向・対策 ~標準問題文の設定~

 R01年以降、設問(1)~(3)の問題文は、部門・科目により違いがあるものの、おおむね統一されている。「上水道及び工業用水道」科目のR01年以降の設問(1)では、年度及び問題番号によって多少異なるものの、以下の問題文がベースであると考える。

★「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を進めるに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から検討すべき課題を3つ抽出し、 それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

 R06年以降の設問(1)は、上記問題文をベースとして出題されると考え、後述4節の標準問題文として設定する。

3.3 設問(2)の傾向・対策 ~標準問題文の設定~

 R01以降、「上水道及び工業用水道」科目の設問(2)は、年度及び問題番号によって多少異なるものの、以下の問題文でほぼ共通である。

★前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

 R06年以降の設問(2)は、上記問題文をベースとして出題されると考え、後述4節の標準問題文として設定する。

3.4 設問(3)の傾向・対策 ~標準問題文の設定~

 R01以降、「上水道及び工業用水道」科目の設問(3)は、年度及び問題番号によって多少異なるものの、以下の問題文でほぼ共通である。

★前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、 専門技術を踏まえた考えを示せ。

 R06年以降の設問(3)は、上記の問題文をベースとして出題されると考え、後述5節の標準問題文として設定する。

【4】 問題Ⅲ対策

 「上水道及び工業用水道」科目の問題Ⅲ対策として、前述した内容を踏まえ、以下に示す3つのレベルに対応する想定問題を作成し、その問題への解答論文の作成を提案する。さらに、本対策では既技術士等に添削を受けることで、解答の質を上げられると考える。
 なお、各レベルの課題文{設問(1)より手前の問題文}は、受験生各自で設定してください。

4.1 レベル1

 「テーマ」(△△△を○○○する or させる)として、R01~R05年過去問題の課題文{3.1.2節 参照}のいずれかを選択し、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、 専門技術を踏まえた考えを示せ。

4.2 レベル2

 「テーマ」(△△△を○○○する or させる)として、H25~H30年過去問題の課題文{3.1.1節 参照(後日記載予定)}のいずれかを選択し、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、 専門技術を踏まえた考えを示せ。

4.3 レベル3

 「テーマ」(△△△を○○○する or させる)として、「上水道及び工業用水道」科目に関する各受験生の経験業務または最近のトピックを1つ挙げ、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、 専門技術を踏まえた考えを示せ。

【5】 添削を受け付けております!

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おわり


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