sosoの素(79)

海外旅行回想記12

ベルリンからアムステルダムまでは電車で。
乗り換えもなく、終点がアムステルダムなので乗ってしまえばただただ世界の車窓からの風景を見続けていれば到着してくれる。ブリュッセルでの夜行列車が到着するのを薄暗い構内でただただ待つという怖い時間も過ごさなくていい。
車窓から見える風景はとてものどかでいつかこんなところも行って見たいなーと思いをながらヨーロッパがほとんど陸続きなことや大きな大地にたくさんの国が共存してること、電車1本で隣の国に簡単に行けることを実感できたのはいい経験だった。そして今に思うとそれは平和があってこそのこと。その凄みはヨーロッパの人々の努力だとも思う。

電車に乗ること8時間強、やっとアムステルダムに到着。その頃には辺りは真っ暗で雨も降っていた。アムステルダムまで着いたら始めに泊まったホステルに行って、寝て翌日空港に行って飛行機になるだけ。やっとここまで来たなーと思いながらホステルは駅から直ぐだし、鞄はベルリンで買った図録でいっぱいで折りたたみ傘を出すのも面倒だったから濡れながら歩いていった。
駅からすぐのホステルには少し濡れた程度でついた。ホステルの入り口を開けようとすると鍵がかかってる。でも中には人がたくさんいるのになんで?と思いながら見てみると前回の時にはなかった札がかかっていて、そこには「Full」と書かれていた。え?何?どういうこと?と思いながら満室だということに気がついた。
まじか、、と思いながら一泊だけだし高いホテルに泊まれないからネットカフェで過ごすのでもいいかと思いガイドブックを見ながらネットカフェに行ってみるとゴミの散乱した学級崩壊を起こした教室のような場所だった。ブリュッセルの駅での恐怖心が蘇りここで一夜は過ごせれない。地図を見ながら、ここまで濡れてたら今更傘をさしても同じだとずぶ濡れのまま少し離れたユースホステルに歩いて向かう。
なんとかその場所に行ってみると中に若者がたくさんいて、その扉を開けようとすると鍵が閉まってる。ここも満室?まじかと思いながらも他に行けるところもないから扉を叩き、気付いてーと思いながら何度か繰り返しているとやっと中の人たちが気づいてくれてそして悲惨そうにずぶ濡れになった東洋人の僕を見ながら建物の奥の方を指差し、向こうだ!みたいなことを言ってくれていた。どうも裏口から入ろうとしていたみたいで、ぐるりと反対側に回ると入口があり、フロントに行けた。チェックインで色々書かないと行けないけど、ずぶ濡れで寒かったことと安堵感で頑張る気力がなかったからパスポートをフロントの方に渡してわからないから全て記入してもらい無事に宿を確保した。
アムステルダムのユースホステルはとても大きく、囚人になったような気分。30台くらい2段ベットが並んでいてシャワールームもトイレのようにとても狭く服を脱ぐのも大変なくらい。
そんな感じでもゆっくり寝れるだけでもありがたく、ぐっすり寝て翌朝の朝食を食べてる時に日本人の人が一緒に食べようと来てくれた。
昨日ずぶ濡れで裏口にいたよね?その時に中から見てたこと、美容師でお金を貯めてこの旅行をしててユーレイルパスという新幹線乗り放題のチケットでヨーロッパ中を回るんだと話してくれた。ギリギリの貧乏旅行で美術館だけを回って食事もままならない僕とは違うバックパッカーも居るんだなと素直な気持ちで話を聞けた。この旅の最後の朝に初めて日本人とゆっくり話して旅の締めくくりができた。

そのあと飛行機でマレーシアに行き、乗り換え待ちの間に貴乃花関が引退することを知ってびっくりして無事に日本に帰ってきた。
その時食べた卵かけごはんは本当に美味しかったしお代わりもした。
2週間で体重は7kgも落ちていた。

それから1-2年に一度くらいのペースで少ないお金を捻出して一人で海外に遊びに行くようになり、初めて2人で行ったのは新婚旅行。
今ではこの時みたいに刺激的な旅行は欲しないけど、若い時にこんな経験をしておけて本当によかったと思う。
そんな初めての海外旅行回想記でした。



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