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sosoの素(69)

初めての海外回想記 2

初めの目的地をオランダに決めたものの、その先のルートは未定で土地勘も距離感もないからどんなルートをいけるのかもあまりわからなかった。
そして僕が観たいなーと思っていた作品は古く有名な作品ではなく、その時にアートシーンを牽引しているようないわゆる現代美術といわれるもの。そうなると一般的な旅行ガイドではよい情報が出てこず、美術専門の雑誌などで海外の展覧会批評のページがあり、大学図書館には過去のアーカイブがあり、そのページだけを10年くらい遡って調べて、ヨーロッパの情報を見ては世界地図で国や街の位置を確認してどこだと無理なく回れるかを考えていた。
そうすると自然とオランダ→ベルギー→ルクセンブルク→ドイツ→オランダというコースが2週間くらいだといいのではないかと目星をつけた。そしてもしも金銭的に余裕があるのであればドイツの後に北欧も回れたらなんて考えていた。

泊まるところはドミトリー(相部屋)の安宿しか無理で安宿情報もやっぱり乏しい。それでもひとまずオランダに着いた時に泊まるところだけを目星をつけておいた。あとは街にあるインフォメイションに行くとガイドブックに載っていない安いとろを紹介してくれるとも知ったのでそのやり方の方がバックパッカー的でかっこいいなと思って宿は決めずにいくことにした。

初めて行く海外が一人。その響きだけで冒険のような気分でワクワクウキウキしていたけれど、僕は昔から英語が苦手だった。中学生の時も海外に行かなければ勉強しなくていいじゃんと屁理屈をこねていたし、高校は美術系の高校だったので英語の授業自体が少なく「My name is Atomu」から始める中学生の復習のような授業でラッキーだとすら思っていた。そのくらい英語との距離があり、基本のキの字も知らないくせに電子辞書とトラベル英語の本を買ったくらいなのに多少の不安はあったものの「なんとかなるか」と勉強をすることなく出発をすることになる。

旅行にはハイシーズンとローシーズンがあって、冬のヨーロッパ(特に僕の予定していた北部)は昼の時間が短く、夜が長く、そして寒い。いわゆるローシーズンだったので飛行機のチケットが安かった。
寒さ対策に暖かいダウンのようなものや普段あまり着ないセーターなども買って準備をしていった。

とにかく全てが初めてで何をどこまで準備しとけばいいのかわからない。海外旅行に慣れてる人にアドバイスをもらっても結局なんとかなるよとしか言われない。もしも今の僕に初めての海外に一人で行く人が何か聞いて来たら大変だけどなんとかなるよくらいしかアドバイスがないのも確かだけど、その時の僕にアドバイスするなら現地で使える英語フレーズを数種類用意しといた方がいいよとは思う。

ドキドキワクワクしながら準備をして、いざ出発に向かうのです。

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