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沖縄の文化「結いマール」によって助けられた

3日前に一泊7万円の星のリゾートに泊まったのに、
今は沖縄市で野宿をしています。

絵に描いたような都落。

沖縄の人革靴履いてませんでした!

私は今の現状をSNSにアップした。

人生甘くはなかった。


出発してから1ヶ月間、中国地方、九州地方
でも靴磨きはできていたので、天狗になっていた。


その日の夜は沖縄市にある駐車場で
持参した椅子に座って眠った。



目元が徐々にポカポカしてくる。

日が登ってきたな。

沖縄といえど、5月初旬の夜は気温も下がる
のでニット帽を目元まで、ネックウォーマー
を目下まであげて眠っていた。


だから目元にしか光を感じなかったりのである。


時間を確認するために、スマホを見ると、
5件ほど連絡が入っていた。


「明日はどこで靴磨きやる?俺午前中ならいけるよ」

「沖縄の知り合いと繋がるよ」

「明日仕事終わってから向かう」

なんと野宿してる私を見かねてか、
沖縄に住む人達が一斉に連絡をくれた。

この日もシアタードーナツの前で靴磨きを
すると、朝から大フィーバー。

滅多に履かない靴をお家から持ってきて
くれる人や、自分が革靴持ってないから
と言って知人の家に靴を取りに行って
きてくれる人。

前日は0足だったのに、この日は12足
磨かせてもらった。

この日だけではない。

また次の日も大学の後輩が仕事仲間
を連れて公園で靴磨きをしたり、

前日に磨かせてもらった方から紹介
で自宅に訪問して靴磨きをしたり、

終わってみれば沖縄滞在中に30足も
磨かせてもらった。

私は内地に帰るには充分なほどの
お気持ち代をいただいた。


那覇のフェリーターミナルにいる時に、
オールジャクソン号を見て興味を示した
おじさんが話しかけてきた。

自己紹介をした後、沖縄滞在中にあった出来事
を話していた。

「沖縄人がサンダルしか履いてなくて
大変だったんです。

お金も無くなって野宿してたらヤンキー
に絡まれ、しかし私の姿を見たヤンキーは逃げ出すし。

そのことをSNSに書いたら全然知らない
沖縄の人達からも靴磨きお願いされて
お気持ち代もいただいて、今日を迎えて。

なんか不思議な1週間でした。」

と笑い話のように伝えた。

そのおじさんは私の話を一通り聞いた後、
海を見ながら話始めた。

「それはユイマールや。

結いに回ると書いてユイマール。

沖縄は昔、地上戦があった。

復興するためには家族だけでなく地域の人達
と助け合って今の沖縄を作って行った歴史がある。

困ってる人がいたら家族関係なく助ける。

それがユイマールだよ。」


ブォーンという音がなり響く。

沖縄から鹿児島に向けて出発したフェリーの 
外に出てだんだん遠くなる島を見ながらぼんやり
考えていた。

そうか。

沖縄の人達が急に靴磨きをさせてくれたのは
私が困ってる姿を見て「自分にできることで
助けよう」と思ってくれたのか。


沖縄の"革靴の履かない文化"に苦しめられ、
"ユイマール"という文化に助けられた沖縄旅。

私も靴磨きを通して「足元からユイマールウイルス」
を撒き散らしていきます。


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