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所持金18円からの奇跡

靴磨き日本一周89日目in新潟

富山県から3日間、いくつもの峠を超えてついに新潟県長岡市までやってきた。


昨夜寝泊まりした漫画喫茶代とドリンク代を払い、所持金が18円。


この旅始まって以来の最低所持金だ。


私は18円を握りしめてつぶやいた。


「耐えた」


そう、この日を迎えられたら"耐えた"のである。


なぜなら長岡市に3日間もかけてきたのは靴磨きの予約が既に2件入っていたからである。


富山県から長岡市まで誰にも会わなかったがここまで来たら大丈夫という保証があったのだ。


午前中は新潟市にお住まいの星野さんとお会いし、靴を磨かせてもらった。

「日本一周時に新潟まで来てください。その時靴磨きお願いしたいです」と日本一周予告をした時に練習くれていた。


この時は「新潟か!ちょっと、遠いな。」と思っていた。笑


しかし声をかけてくれた人の所には"必ず行く"と決めていたので今回は約束通り行くことにした。


星野さんはなんと私が台湾で靴磨きしていた時からインスタをチェックしてくれており、「いつか新潟まで来てくれたら大切なブーツを磨いてもらおう」と思ってくれてたそうだ。

その思いを聞いて新潟まで苦労してきて良かったと思った。


お昼ご飯もご馳走になり、所持金18円の私にとっては命の恩人だ。


「次はビックな男になって、また会いましょう」とお別れし、午後から「JAMES」という長岡市で30年以上続いてる洋服屋さんの前をお借りして靴磨きをさせてもらった。

夜にお会いする約束していたバタさんがJAMESさんとお知り合いで、「こんな変な靴磨き職人がくるんよ」と言って私のことを紹介してくれていた。


JAMESさんのお客さんの靴やスタッフさんの靴、合計12足も磨かせていただいた。


夜はバタさん家族と共に夕食を食べに行った。

「総将何食べたい?」と聞かれたので、「焼肉が良いです」と0.1秒で答えた。


幼稚園の子ども2人に日本一周の旅話をして、「伝わるかなぁ」と思ってたが関門トンネル封鎖事件のエピソードはゲラゲラ笑っていた。


焼肉も終盤に差し掛かった頃、バタさんは私に聞いてきた。


「今日どこ泊まるん?」

「漫画喫茶に泊まろうと思ってます」

「家泊まってけ!」

「いいんすか!」

そうして焼肉の後はバタさんの家にお邪魔して、子ども達と部屋の中でサッカーをして汗を流した。

子ども達が寝静まった後、夜中までバタさんと語り合って濃密な時間を過ごした。


長岡まで来るのにいくつもの峠を超え、雨でずぶ濡れになり、お金も底をつきそうになり、かなりしんどい数日間だった。


「新潟まで来て良かった」と思えるほど幸せな1日だった。


行ってみた先に想像もできない"お宝"がある。


足元から繋がったご縁は一生物だ。


帰りたい街がまた一つ増えました。

PS所持金18円からスタートした一日が終わってみれば23,000円を超えた。耐えた。


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